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ハグレのノイ
『それで私の所に逃げてきた訳だ』
「ごめんなさい」
翌日どこに行こうか迷った挙句、母が絶対に来ないだろう場所に僕はいた。
『冗談よ。ようこそ命の恩人くん』
流れてきた女性、ノイを訪ねていた。
「具合はもういいの?」
『心配性だね。あれからもう一週間も経ってるし大丈夫よ』
「一週間?」
『あ――、一週間ってのは七日の事よ』
「七日で単位を変えるのか不思議だね」
『……もしかして月って単位も無いのかな?』
「月って夜に空にあるのじゃ無くて単位でもあるの?」
『暦まで無いのか……』
「ノイ?」
『なんでもないよ。さて、今日は時間の心配はいらないってことだね』
「うん。流れてくる物の対策はしてあるし、日が暮れる前に帰れば大丈夫」
『それじゃあ、頑張って声での会話練習しようか』