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三千世界のツヴァイス  作者: 野木咲
6/7

第1章 三千世界と運命の流転 6

第6話です!

色々思考錯誤しています( ..)φ

それではどうぞ( ゜Д゜)

集団から金髪のすぐ後ろに居た騎兵が2騎こちらに突撃してくる。

両騎は間隔も速度も全く同じ状態で同時攻撃を仕掛けるために剣を鞘から抜き構えを取る。

このままでは一瞬で決着がつくのは明白だ。

指示を仰ぐように彼女の顔を見ようとしたが、それよりも先に冷静な声が届く。


「左の奴に体当たりだ」


一瞬、この女は正気か?と疑いたくなったが、先ほど銃弾を止めた事を考えれば不可能ではないと思えた。

しかし、前が上手くいったからと言って今回も――

ダメだ!!

そんな事を考えても今は変わらない。

それなら後は野となれ山となれだ!


「今!」


彼女の合図と共に左側から来る騎兵の進路を妨害するように飛び出し両手を前に突き出す。

騎兵はそのまま轢き殺すつもりだろう一切止まる素振りも見せずに突撃してきた。

そして、大きな衝撃と衝突音が耳を劈く。

突撃の瞬間、恐怖で目をつぶってしましたが目を開くとそこには足が折れ痛みでのたうち回る馬と落馬の衝撃で蹲る甲冑が一体。


「抜けた方に銃を撃て」


そう言って彼女は一直線に蹲る騎士に追撃を仕掛ける。

走りながら肩越しに俺の顔色を見て眉間に皺をよせてから


「素人の銃撃など、そうそう当たらない。必要なのは威嚇だ!躊躇わずにやれ」


そして、前方に向き直り敵に接近する。

さっきまでの威勢はどうしたと問いただすような視線にばつが悪くなる。


(俺は言われた事だけをやればいい、今は何も考えるな)


そう自分に言い聞かせて引き金に指を掛ける。

指先から感じるのはただ殺す為だけにつくられた鋼鉄の意志と自分を守る力の安心感だ。


――――!


音は重くそして、腕から伝わる衝撃がその力を証明してくる。

引き金は以外にも軽く、簡単に撃ってしまった。

銃弾は当たらなかったが、馬の近くを掠め、動きを止める。

相手は混乱し、その場で二の足を踏む。

そこに、更に二発撃ちこんだが命中はしなかった。

騎士は馬上からの攻撃を無理だと判断し、降り腰に付けていた小楯と抜刀した剣を構える。


(来るか)


先ほどまでの戦いで衝撃や少しの痛みを感じる事はあったがケガをしないことが分かった。

それなら、一対一なら勝てるのではないかと考える。


(ダメだ、まだ分からない事だらけだ。今、確かなのは彼女から2つの命令だけ、それならやる事は1つ)


騎士がこちらに歩を向けた瞬間に相手に背を向け、彼女の背中を追う。

見た目は情けなさの極みだが、またさっきの様な表情を彼女から見せられるのは嫌なので命令第一で戦略的後退を行う。

向こうの状況を見ると決着が決まる所だった。


蹲っていた騎士が彼女に気が付き急いで対応しようとするが、スピードが速すぎてそれが間に合わない。

辛うじて、剣で薙ぎ払いように振るがそれもジャンプで躱される。


「甘い」


そして、体重を乗せた一撃が首元の隙間から死という形で騎士に飛び込んだ。

その瞬間、大きく一度だけ体を揺らしたが着地した彼女が剣を抜いた後は電池切れの人形のように動かなくなった。

そこから、小楯と剣を頂戴し少しでも装備を整える。


「後ろは馬からは降りたけど、倒しきれてない」


彼女の背中に自分の方の戦況を伝え、次の指示を催促する。


「次はどうする」


少し、考えてからこちらに振り返り先ほど奪った剣をこちらに渡してくる。


「それだけで十分だ、私がそちらを相手する。お前は魔術師メイジの目を引き付けろ」

「明治?ええと、それはどれのこと?」

「金髪の後ろにいるローブを来た二人のことだ、奴らの事を魔術師・メイジと呼ぶ」


補足で次の指示と彼女の戦術の意図ここに来て理解出来た。

彼女の作戦は『1対1の各個撃破』。

俺を囮や壁として他の敵と彼女との障害として使い、1対1の状況を作り確実に戦力差を埋めていくという事だ。

一見簡単そうだが、1対1でも連続して戦うしかない。

確実に相手より自分が強いという前提がなければ成立しない。


「分かった、これで少しでも目立てるようにする」


そう言って剣を受け取る。

彼女にばかり負担が行くが俺はこの役目以外ではまともに機能しない。

それを見越しての作戦だ。

この作戦で俺にできるのは彼女の戦いを邪魔させない事だけ。

ならそれに全力を尽くす。


「せ、背ニャかは任せ・・・てください」


少しでも彼女の気が楽になるように言ってみたが、まともにしゃべれず言葉尻は聞こえないくらい声が小さくなってしまった。


「ああ、任せたクモガネ」


そんな気の抜けるような姿を見て彼女は少しフフフと口元を隠す様に笑った。

少しだけ見えたその笑顔は今までの張りつめた表情から分からなかった年相応の少女の姿が垣間見えた。

名前を呼ばれたそれだけで、自分に少し勇気が湧いてくる。

(そう言えばまだ、彼女の名前を聞いていない)

(だったら、この戦いが終わったらまず彼女の名前を聞こう)

混乱する状況の中で目的ができた。

それを叶える為にも一緒に切り抜ける!


「行くぞ」


先ほどと同じ様に、合図を背中に受け敵に向かう。


読了ありがとうございます。

皆様のお蔭で160PVと100ユニークを達成できました!

本当にありがとうございます|д゜)

引き続き、感想やアドバイス、指摘を募集していますのでよろしくお願いします。

それではまた<(_ _)>

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