第6話ー閑話・初詣 世界神の加護
いやー、前日間違えて二話投稿しちゃった。
今日は一話が短かったんで、二話分投稿です。
ベルダンディー様がこの世界の神様を教育してくるので、一ヶ月後にまた呼び出す事になった。
今度この神社の神様を呼び出す呪文は、『ヘーイヘイヘイヘーイヘイ』だそうだ。良いのか?神様、こんなに軽くて。
呼び出す場所は同じ神社でいいそうで、此処の神社の神様が久しぶりの大仕事にめちゃくちゃやる気になっているそうだ。一ヶ月後となると、年が開けてるな。折角だから、ソウやミタも誘って、初詣には此処に来ようか。
ソウもミタも、地元で有名な、あの大神社の初詣の大渋滞には辟易していた様で、高校受験祈願になる今年の初詣は、僕に同行してくれる事になった。
「ソウ、君のお勧めでこんな小さな神社に初詣にきたけど、ちゃんとご利益あるんだろうね。甘酒も御神籤も無い初詣なんて、初めてだよ。」
「まあまあ、ツグが言うんだから、きっと大丈夫だよ。最近神様系のゲームに、ハマっているみたいだし。それに、何時間も渋滞の中、参拝まで待つのは嫌だ、ってミタも言ってたでしょう?」
「でも、此処は天神様系の神社だから、折角だから受験のお守りぐらい欲しかったなー。まさかお守りも売ってないなんて。」
「お守りなら有りますぞ。」
えっ!誰、声は聴けても姿は見えぬ。まるで貴方は屁の様な。
「わたしはこの神社の守護神です。守護神といっても、一地方神社を任されているだけの中間管理職もいい所なんですがな。それが去年、突然大仕事を任されました。神の愛子の意思を、世界神様に伝達する事です。わたしの力では、とんでもない大仕事でした。でも、なんとかやり遂げた時、上位神様から祝福を戴いたのです。」
『あなたはセッチーとの連絡役として、その神社を護ってね。足りない力は私様が貸してあげるわ。今後ともよろしく〜〜。』
「突然溢れた力に、わたしは困惑して上司に相談しました。上司も困り果て、最終的に菅原様に持ち込まれたのです。」
ああ、神社の世界では報連相は徹底してるんだね。ってちょっと待て、菅原様ってあの人だろう?
「さすがの天神様も、持ち込まれた力の大きさに頭を抱えられました。此方の神界では、保持しているだけでも、負担が大きすぎるのです。」
「突っ返してしまえ」
「は、なんとおっしゃられましたか?」
「その愛子とか言うやつに、全てわたしの祝福として、返してしまえ。形としては、お守りが良かろう。ただし、材質には気を遣えよ。普通のお守りでは、とてもこの量の祝福には強度が足りない。最上級のお守りに、出来るだけの祝福を込め、余った分は次のお守りに。保持できる力に余裕が持てるまで、お守りを作り続けろ!」
「そうして血の涙を流しながら、菅原様の神官たちが作られたお守りが、こちらになります。全てこの世界ではツグ様の所有物になりますので、ご自由にお使い下さい。」
「あの〜、ミタ、お守りあったぞ。」
「なんだよツグ、何処から見つけてきたんだよ!」
「いや〜、そこにご自由にお持ちくださいって置いてあったんだ。」
「ツグ、私達だけが全部持って帰ってしまったら、この神社の迷惑になるんじゃないの?」
ソウの言う事はもっともだ。
「でも、『最初に見つけた人が、周りの人に配って下さい。当神社は人手不足の為、配ることができないのです。是非ご協力ください。協力して頂ければ、お守りの加護も大きくなるかもしれませんよ。』って書いてあったんだよ。」
「それじゃしょうがないわね。折角のお守りだもの。お友達に配ってあげよう。」
ソウのこういう友達思いの所が、僕は好きだな。
翌年の受験で、天神様のお守りを持った受験生の合格率は100パーセント。僕もソウもミタも首席合格だった。
「セイヤセイヤセイヤ!ハッハッハ!セイヤ!」
この世界の守護神様に会える為の呪文らしいけど、なんか前略して道の上から呼び掛けている様な気がする。確かに此処は道の上だけど。
「わしがこの世界の世界神じゃ。本来なら人属のお前には、人神を合わせるべきなのじゃが、何分にもお前の力が強大過ぎる。また、上位世界のあのおっかない人神様のイチオシなんで、特別にお前の加護はわしの担当になった。」
ベルダンディー様おっかないんですか?
「ああ、わしがお前に加護を与える為の特訓は、それはそれは言葉にしてはならない程の事じゃった。この世界の世界神に生まれた事を呪ったものじゃよ。時間にしたら僅かじゃが、あの脳に他人の人生をインストールされるような感覚。お前らには解るまい。」
スミマセン、それ解ります。前にいっぺんやられてるんで。
で、世界神様が私に神聖術の加護を与えて下さるのですか?
「あの人神に、きつく言われたよ。お前らを加護してやれとな。これはお前が俺でも、僕でも、私でも関係無い。お前の存在自体にわしの加護を与えよう。」
あの〜、回数限定では困るのですが、何か条件はありますかねー。
「あの人神の命令は、お前たちの存在がある限り、加護を与え続けろ、じゃ。全く、こんな重超な加護は、誰にも与えたことは無い。と言うか、意識して加護を与えようとするのは、今回が初めてじゃ。」
よかった。これで新しい魔術が作れる。
ちょっと待ってよ、マー君、魔術を使うと生命力が消費されるんだよね。僕達バンパイヤみたいな存在になっちゃうんじゃないの?
「安心せい。ツグ君。通常神聖術はわしのキープしている生命力だけから使われる。セチュリア君の世界の魔力と同様、余剰な生命力は充分にある。だから他人の命を奪う心配は無い。
だが、わしのキープを使うので、1つだけ、わしにも望みを叶える事が許された。」
それってなんなの?突っ込みたいが此処はぐっとこらえる。無駄な加護を使う事はない。多分世界神様が勝手に話してくれるだろう。
「わしの趣味は観察じゃ。世界を作って観察するのじゃ。セチュリア君の世界神は君を置いていった代わりに、チャウエスクとか言う奴を持って帰りおった。彼奴もなかなの問題児じゃから、バランス至上主義のあやつはどうするじゃろうか?わしの予想では、安定した国のトップに据えて、大人しく引退させるつもりじゃろうの。能力だけは異常に高かったからの。 」
世界神様、それでは年代があわないのでは?
「わしにとっては一日の内の事じゃから、問題はないぞ。出来れば、昨日来てくれてアドルフ・ヒトラーを持っていってくれればよかったのじゃが。あやつもバランサーの世界で、幸せに絵描きをしていればよかったのにのう。」
「わしは、君達が神聖術を使うたびに、その状況を観察出来る様になった。君達に限らず、神聖術の行使に全て立ち会えるのじゃ。こんなに楽しみな事はない。是非多彩な魔術を開発して、わしを楽しませてくれよ。」
世界神様、俺は新規の開発はしないよ。改編だよ。だから見た事ある術ばっかりで、ちょっとだけ残念かもしれない。でも、その使い方には期待して良いですよ。
何しろ、ツグがいる。ツグなら俺の思いもよらない魔術の運用をしてくれるだろう。
なんか、俺ワクワクしてきたぞ!
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