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第5話ー女神目線

前の世界での女神様から見たセチュリアさんのお話です。

 




 何これ、キタキタキタ〜〜。魔力260、魔法操作力3600って、何これ、初期設定としては完全にバグってるわよね。通常は魔力は10〜20、魔法操作力は0〜50なのに。バランサー気取りのあいつが、随分設定値を間違えたものね。これって、多分あいつを嫌いな神が仕掛けたウィルスのせいじゃないの?まあいいわ。この私様の手に入ったなら、存分に利用させて頂くわ。まずはレベルアップさせて、あの私様を侮っている生意気な魔神に一泡吹かせてやろう。成長させたら、先輩風吹かせている龍神にも痛い目を見せてやる。弱い人属神だって、私様を侮っていた奴らに、私様の本当の実力を思い知らせてやるわよ。


 セッチーを勇者や聖人にする事は出来なかったわ。突出して魔力が高すぎるのよ。バランスが悪すぎるわ。これでは、私様が与えられる加護は、魔法師しか無いわ。魔法師じゃ直接指示は与えられないけど、ここは我慢するしかないでしょう。あのバランサーの野郎は、こうゆう制限にはちゃんと気を遣っているのよね。新しい職業を作る事は出来るけど、私様の指示を直接受けられる様な魔法系職業を新設するには、今はまだ人属全体の力が足りないわ。セッチーの活躍後に期待しましょう。


 セッチーは無事に私様の加護を受けてくれたわ。でもこれからが大変なのよね。セッチーがレベルアップしてくれないと、私様の望みは叶えられないわ。最近加護を与えた勇者君を使って、レベルアップさせないと。私様の権限では、魔法師のセッチーには、指示が与えられないから、夢の啓示で直接指示を与えられる勇者か聖女を使って、セッチーを見出してもらい、一緒にレベルアップして貰わないと。本当は聖女と一緒が良かったけど、セッチーの誕生で新しい聖女を祝福する程の力はもう人界に残っていないからね。新しい勇者君、責任は重大よ。


 セッチーは無事に勇者君のパーティーに入ってくれたわ。元々生まれが平民だから、普通は家業を継ぐ事になるんだけど、私様が勇者君に強力にプッシュしたからね。地元出身の賢人に魔力測定をさせて、強引に家族から受け渡して頂いたわ。家族とセッチーの別れは辛そうだったけど、私様の為に此処は我慢してね、セッチー。


 勇者君パーティーは順調にクエストをクリアして、レベルを上げてくれたわ。セッチーもだんだん活躍できる様になり、順調に成長している。セッチーも自分の成長を感じて、喜んでいるみたい。この勇者君、後輩の育て方が上手いようね。ちゃんと目標を与え、クリアする為の方法を伝授して、成功した時には褒めているわ。この勇者君の先生って誰だっけ?都市先生?いえ、アーバンだったかしら。


 ヤッター!勇者君のパーティーが、魔王を仕留めてくれたわ。それにしてもこの勇者君、随分当たりだったみたい。本人の能力は人属だからあんまり高く無いけど、肝心の所で、セッチーの望みを私様に届けてくれたわ。これならご褒美に、祝福をもうワンランク上げてあげましょうかしら。でもそれをすると、肝心のセッチーへの祝福が減ってしまうわ。勇者君、ごめんだけど祝福はもうちょっと待っててね。セッチーが完成したら、必ずご褒美はあげるから。


 その後、魔王が挨拶に来ましたわ。

「人属神よ、貴方の配下に敗れて、私は思い上がっていたことを痛感しました。戦闘力でも、魔力でも、私が圧倒していたはずなのに、結果は私の敗北です。私は人属の連携の力を思い知らされました。私は貴方を侮っていた事をお詫びすると共に、魔神様に提言し、人属の連携の力を学ばせて頂きたいと思います。」

 あら、魔神はイヤミな奴なのに、魔王は潔いじゃないの。もうこいつが魔神でいいんじゃない?今はまだ協力出来ないけど、将来こいつが魔神になったら、人属と魔属は仲良しになれるかもね。




 ダメだって、セッチー。そいつはヤバイって。あの強さだけは凄いけど、性格の悪い龍神が意地になって、ムリして、復活させた極黒龍だよ。人属が倒せる相手じゃないよ。悔しいけど、今は引いて。私様も負けを認めて、龍神に謝って、なんとか封印して貰うから。セッチーを失うより、ずっとマシよ!

 でもそこに、セッチーの願いが届きましたわ。


『神様、こいつだけは此処で決着を付けないといけないんだ。』


 ああ、セッチーの願いが直接私様に届いたのは初めてだわ。ここはどんなムリしてでも、願いを叶えさせてあげなきゃ、神様の名が廃るわ。


『メギド・アルティメットデスインフェルノ!』


 私様の出来うる最大の加護を超えて乗せた魔法、インフェルノがセッチーの手で改編され、遂に第七結界を超えたわ。すごい、人属の魔法が第七結界を超えるなんて。さすが私様の愛子ね、なんてそれどころじゃない。第七結界超えの魔法なんて人属が発動させたら、あきらかに世界のバランスがおかしくなってしまう。

 極黒龍は倒せたけど、変な奴に目をつけられそうね。



 あのバランサー野郎、せっかく私様が育てたセッチーを異世界に飛ばしちまいやがって。一生懸命可愛がって焼いた肉を横から持っていかれた気分だよ。おメーは絶対焼肉パーティーには来るなよ。て言うか、お前と焼肉する事なんて無いけどな。




女神様、やさぐれてます。

この八つ当たりでツグ君の世界神に怒鳴りこんじゃうんですね。

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