8話 密談 part2 その1
お久しぶりです
遅くなりました。すみません
海斗は、一人ただ部屋にいた。
もうすぐで二人が来るはずだ。それまでは、特にやることもなくこのままこの部屋で待っていればいい。
何もしていない時に考えることがある。
自分はこれからをどのように生きるのか、と。人の世に降りてきたのは、別に何かをしたかったわけではない。ただの暇潰しだ。
今まで、神として長い時を生きて来たから別の事をしたかっただけだ。
ただただ、ただの人間として神には短い時を生きていく予定だった。そして、死んだら、また神として同じように生きて行くんだろうなと思っていた。
だが、もうそれもできないだろう。
人間としての生活を知った。
人間としての感情ができてしまった。
人間としてのよろこびを知ってしまった。
それだけで死んでもからも同じように 今までと同じようには過ごせないだろうなと漠然と思った。
友達ができて共に過ごし、共に笑い、共に生きている。それが、たったそれだけのことに幸福を感じた。たったそれだけのことのはずなのに……。
暫くして、二人がやって来た。
「それでは、第二回異世界対策会議を始めます……。イエーイ。パチパチ」
そう言ったのはもちろん、前回と同じく絢斗だ。そして、俺達は無視だ。
「じゃあ、本題に入るわよ」
「うわっ、ひどっ」
まあ、確かにあそこまで普通に流すのはひどいかもな。
「じゃあ、初めに今まで得た情報を整理しましょ」
「だな」
切り替えはやっ。さすが絢斗だな。
「まずは、この世界には魔法が存在している。ただし、使えるかどうかは個人の才能による」
「ああ。飛鳥は使えないんだったな」
「その代わりに前衛職のステータスがすごかったな」
「別に何でもいいじゃない。それよりも、もう一回しっかりステータスを見せ合った方が良くない?」
飛鳥は、異世界に来たのに魔法が使えないのはショックだったようだ。だが飛鳥が前衛なのは、すごくあっている気がする。
「確かにな。じゃあ、俺からいくぞ。『ステータス』」
アヤト・キタジマ
男 十六歳
Lv3
HP150
MP110
体力20
俊敏20
知力30
魔力40
ノーマルスキル:下級魔法適正 (火魔法、風魔法)、魔力操作
レアスキル:中級魔法適正 (火炎魔法)
ユニークスキル:異世界言語理解、アイテムボックス
称号:異世界転移者、*神の友人*
*は現在海斗が隠蔽中
アスカ・カトウ
女 十六歳
Lv2
HP200
MP50
体力40
俊敏30
知力25
魔力15
ノーマルスキル:状態異常無効化、剣術、気配探知、危機察知
ユニークスキル:異世界言語理解
称号:異世界転移者、*神の友人*
称号については、鑑定で気づいて隠蔽で急いで隠した。
説明の後、特訓していたのだろう。二人共、もう既に少しとはいえレベルを上げて来ている。さすがだなと思う。
レベルを上げることはそこまで難しいことではない。だが、体力などの数値は違う。それぞれことの力を付けなければ上がらない。
例えば、体力なら走ったりして体力を増やさなければならないし、魔力ならひたすら魔法を使って魔法に慣れ、使いこなさなくてはならない。
それに比べ、レベルは全体の経験だ。つまり、何であれ経験を積めばいい。戦ったりせずとも、家事や商い等何でもいいのだ。
絢斗はなかったはずの魔力操作をもう習得しているし、飛鳥も気配探知や危機察知を習得している。
もともとのスペックは高くないものの、気がのったことには努力を惜しまない二人だ。これから、まだまだ成長するだろう。
「で?海斗はどうなのよ。見せなさいよ」