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6話 海斗の思い

二人が帰った部屋には、当たり前だが俺だけがいる。

そんな中で俺は一人思い耽っていた。地上に来る前の神で天界にいた頃の事だ。ずっと一人で過ごしていた。尤も、ごくごくたまに別の場所を担当しているの神がやって来る事もある。だがそれは、本当に稀なことで多くは一人で過ごしてきた。

あの頃は本当に暇だった。神に寿命という概念はない。そのため、なにもすることがなくただただあの場所に永遠の時間を過ごしているだけだった。

そんな中での一番の楽しみが地上の観察だった。地上にはいろんな人間がいて、行動がそれぞれ違う。そんな違う人間の行動を見ることが好きだった。それだけが唯一の楽しみだった。


そんなある日、なんとなく地上に行ってみたくなったのだ。なぜだかは分からないが急にそんな気分になった。そして、俺は地上に降りていった。

結構楽しかった。

なぜ今までいかなかったのかと考えるほどに今までと違い驚きに満ちていた。知り合いが居た訳でもないし、お金もないからただ見て回るだけだったがいつもの生活が嘘のように楽しめた。

だから思った、人間になってみたいと。人間の生活をしてみたいと。

だから、人間になった。尤も、まったく人間と同じにすることはできなかった。神の魂は、人間には大きすぎてすべての力を封じ込めることができなかった。

だが、もしも、それができたしてもそうするわけにはいかなかっただろう。なぜなら、もしもこの世界に神として干渉しなければならなかった時に力が使えるようにしておかなければならなかったためだ。何より、今まであった物がいきなり使えなくなると、落ち着かないからだ。まあ、使うことはないだろうが。


まあ、そんなことを思っていた時期が俺にもありました。なんていったって、俺が行く予定だった日本は平和な国ですもの。

さすがの俺でも、異世界に行くことになるなんて思っても見なかった。神だった頃でも行ったりしなかったのだ。それなのに誰が異世界に行くことになるなんて予想がつくのでしょうか。

神は万能ではない。いくら神でも未来予知はできない。だから、これは俺にとっても想定外の事だったんだ。


まあ、とりあえず俺は今異世界にいる。それだけが変わることのない、唯一無二の事実なのだろう。

それはそれで悪くはないのだと思う。少なくとも、あの頃よりはいい。

みんなも不安はあるようだが、なかなか楽しんでいるようにも見えた。それでいいのだと思う。

結局、どうしようもないならできる範囲で最大限楽しめというのが持論だ。楽しんだ者勝ちだ。

努力次第でできることがあるのならそれをすべきなのだろうが、本当にどうしようもないなら楽しめばいい。そうやって、開き直ってしまえばいいのだ。

ただ、自分の限界を見誤る事だけはしないようにして欲しい。できたはずの事をできないままにすることは、きっともったいないことなのだから。


そんな苦労の中で人間は生きてきている。

それが今までで思ったことだ。それがわかっただけでも来たかいがあったんじゃあないかなと思う。


これからも、いいことがあるように願う。












神がいったい誰に願うんだよ

*設定*

神は人間が住む地上とは別の天界に住む

神には、太陽を司る神や、自然を司る神などがいる。主人公は神達を纏める唯一神だった。唯一神が出るような事態はそうそうならないので暇だった。

現在はまだ、神の力のほとんどを封じている。


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