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地球の神様が異世界にクラス転移した!?  作者: 新崎 かえで
4章 魔法国家エルズルナフ
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44話 見た目は美味しい、中身は……な料理


ようやく、エルズルナフの首都に到着した。

ほんとに長かった。車が欲しい。いっそ飛行機で行きたかった。まあとにかく、なんだかんだあって首都に着いたのだ。




「ここがエルズルナフの首都か」


検問をくぐって町のなかに入ると、そこには今までと明らかに違う光景があった。

人を乗せた小型乗り物が空を飛んでいたり、明かりはついていないが街灯のようなものもある。

その一方で屋台もあるが、それは異世界のものというより地球に近いものだった。


「何だか日本にいるみたいで、変な気分になるわね」

「まあ、日本と違って電気じゃなくて魔力を使っているみたいだけどな」

「便利でいいじゃん」

「便利すぎるのも考えものだけどな」

「どういう意味だ?」

「誰かさんみたいに怠け者が出るってことでしょ」

「怠け者か……」


じっと絢斗を見る、海斗と飛鳥。その視線に飛鳥が誰のことをことを言っているのか一目瞭然だった。


「俺のことかよ!」

「他に誰がいるのよ」


それにしても、異常な光景だった___。






所変わって町のなか。門から続く大通りを歩いていた。食べ物の屋台もあれば、魔法国家という名に相応しく、怪しげな魔法関係の店もあった。



「じゃあ、さっそく図書館で調べるか」

「その前に宿を探すわよ」

「それもそうか。で、どこにあるんだ?」

「知るわけないでしょ。今から探すのよ」


そもそも始めてきた町で場所がわかる訳がない。


「あっ、あそこなんてどうだ?」


道の通りにあった宿屋を見つけた、絢斗。どこにでもある、普通の宿屋だった。


「んー、いいんじゃない」


正直、宿屋なんてどこも似たり寄ったりだ。多少値段や出てくる料理は違うが、この世界は料理に関してもそこまで発達しておらず、どこか似たような物が多い。

まあ、不味くはないならなんでもいいと思う。美味しいに越したことはないが。






「はー、落ち着く」

「やっとゆっくりできるって感じだなー」

「それにしても、少し失敗したな」

「だなー」



適当に見つけたこの宿屋、いつもと違い大通りに面しているため少し、いやかなりガヤガヤと騒がしい。商業都市とはまた違った活気だ。

二人だけの部屋で静かな分、外を歩いていた時よりも騒がしく感じてしまう。正直、かなり気になる。


「だからって宿変えるのもめんどくさいんだよな」


結局、宿を変えることはない。






夕食のため、二人は部屋を出る。途中に飛鳥も呼んで三人で下に下りるため、飛鳥の部屋の前に来ていた。

コンコンッ。


「おーい、飛鳥。夕飯行くぞ」

「あー、ちょっと待って」


ガタンッ。ゴトッ。


「あー!」


ガタンッ。



「……」

「……」

((いったい、何やってるんだよ!!))


「お待たせ。行きましょ」


無言で着いていく二人。誰も深くは追及しなかった……。




下に下りると、そこには人がいなかった。正確には店員以外の、つまり客がいなかった。

この宿自体には泊まっている筈なのにこの夕食時に客がいないのを不思議に思いながらも、こんなこともたまにはあるかと思い夕食を適当に注文する。






運ばれてきたのは、見た目はごくごく普通の料理。そう、見た目は……。




(((不味(まず)い……)))


三人の心が一つになった。不味い。非常に不味い。

見た目は普通だった。それでどうしてここまで見た目と味が変われるのか不思議なほどに。酸味と辛味と甘味の組み合わせ。つまり、謎の味。

そこでようやくこの店で食事をする人がいない理由が分かった。___味のせいだ。

恐らく他の宿の客もわざわざ別の所で食事をしているのだろう。あからさまに残すわけにもいかず、ちびちびとゆっくり食べていった。


その後、帰って来たらしい他の宿の客が俺達の方を気の毒そうな目で見ていた。






翌朝、同じ間違いはおかすまいと三人は朝食を外に食べに行った。そこはもちろん見た目も、味も普通で安心した。

やはり、あの店が特別だったようだ。ちょっぴり涙が出そうになったのは秘密だ。




「お、昨日の奴らじゃねぇか」


振り返ると明らかに海斗達を見ているのだが、見覚えはある気がするが誰だか分からない。


「ああ、わかんねぇか。同じ宿の客だよ」


言われてみればそうだったかも知れないという程度であまり印象のない顔だ。


「「「……」」」

「あれ、何この反応。なんか思ってたのと違うな」


はてさて、どう返事するべきなのだろうか。


「まあとにかく、昨日は災難だったな」

「あそこの料理のこと、どうして初めに教えてくれなかったんですか」

「やっぱり、あの宿に泊まった限りは一回は経験しておくべきだろってな」

「ということは、そう言うあなたも食べたって訳ね」

「ははは。まあな。あんな料理は初めてだったぜ」

「そもそもあれは料理って言えるのか?」




そんな会話がありながらも、朝食を食べた後、街へ出た。


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