43話 人助け
そういえば書き忘れていましたが、この旅はヨウガ達四人、マリナ達三人、海斗達三人と商人が三人の合計13人の旅です。
改めて見ると多いなぁ
5日目の朝、今日の朝食当番の海斗はみんなよりも少し早めに起きていた。
ただでさえ旅の途中では移動のために早く起きるのだが、朝食を作るためにさらに早く海斗は起きていた。そのため、とても眠い。
だがそのかわりに、交互で料理を作っている海斗と飛鳥は夜の見張りが免除になっていた。ご飯が壊滅的に作れない絢斗は論外だ。
他は大体二人一組になって交代で見張りをしている。本来なら見張りが必要ない海斗達三人もこの時ばかりは周りに合わせなければならない。
肉や野菜をたっぷりと入れたスープにパン、焼いた魚など、旅の途中にしては十分な食事が並ぶ。
「お早うございます」
「ああ、お早うございます。いつもありがとうございます」
「いえ、自分達が食べたくてやってるだけですから気にしないでください」
いつも起きてくるのは商人が早い。商品の状態の確認などいろいろやることがあるらしい。商人とはつくづく大変な仕事だなと海斗は思った。
次に起きてくるのがヨウガかマリナさん。起きる早さも勝負しているらしい二人が冒険者の中では早い。
今のところ二回二回の引き分けだ。
「おはよう。今日もいい匂いだね。美味しそうだ」
「おはようございます、マリナさん」
そして今日は、マリナの勝ち。これで3勝2敗でマリナのリード。
首都までは一週間、つまり7日かかるから奇数でどっちが勝つのかきっちり決まることになる。旅のちょっとした暇潰しを含めた楽しみだ。
それから少ししたら全員が起きて来た。起きて、マリナが先に起きていた事を知ったヨウガの反応は少し面白かった。ただそれだけだが。
「いやー、やっぱり手作りの温かい料理はいいもんだなぁ」
「お嫁に来てー」
「それなら俺のところにぜひ」
「全力でお断りします!」
相手はもちろん男。身の毛のよだつお誘いに丁重にお断りしながらも自分の料理を食べている。うん、今日もなかなかのでき。
自画自賛しながら、今日も温かい朝御飯を食べた。
「それでは、そろそろ出発します!」
空は雲一つなく風も程よいくらいに吹く、絶好の旅日和だった。このまま今日もいれて後3日も続くといいななんて思いながら進んでいく。
出発からほどなくした頃、異変があった。
「なんかあるぞ!前方」
そういったのは、前側で護衛をしていたヨウガ達のパーティーの誰か。前にいたためこの中の誰よりも先に異変に気づいたのだ。
それを聞いて、全員に緊張が走る。
全員が目を凝らして様子を伺うなか、海斗は冷静にスキルのマッピングを使って状況を探っていた。マッピングは基本的には、地図のように使うものだが何がいるのかは生命反応のようなな感じで探ることができるのだ。
反応は、人の物が複数に人ではない、おそらく魔物の物が人囲んでいる。
「誰かが魔物に襲われているみたいです!」
いち早く気づいた海斗少し声を張り上げて言った。
「何!?なら、俺達のパーティーと海斗達のパーティーで行くぞ、いいな!」
いつもなら絶対につっかかるマリナも流石に口を挟まない。
本来なら全員で行きたいところだが、戦う手段がない商人のことも放置しておけない。離れている間にこっちにも魔物が来たら大惨事だ。
そもそも依頼を受けて護衛している以上、こちらが優先なのだ。どうしても1パーティーだけは残す必要があった。
急いで駆け付ければ、やはり魔物に襲われていた。襲われていた商人達も護衛を雇っていたようだが、魔物の数が多く対処しきれていない。このままでは魔物に圧しきられるのも時間の問題だった。
「手伝うぞ!」
「っ、助かる!」
あちら側もこちらに気づいて安心していた。だがしかし、まだ油断するには早い。危ないぞ、と思っている間に、気を抜いた一人の男が魔物に不意を突かれて腹に一撃食らっていた。
少し距離があったため海斗達もフォローが間に合わなかった。
「うわぁぁぁあ!!」
二目撃は間に合い、防いでそのまま魔物を倒す。男の方はヨウガのパーティーの一人の光魔法を使える者に任せて海斗は別の魔物を倒す。
もともと数は少し多かったが、強さは大したことのない魔物だ。数分後にはあっさりと全滅させる事ができた。
やられた男の方も無事だ。幸いとっさに後ろに下がっていたらしく、傷は比較的軽度で済んでいる。
「駆け付けて来てくれて助かった。正直、数が多くて危なかったからな」
「いや、間に合ってよかった。……それより、なぜこんなに護衛が少ないんだ?」
「?普通だろ?」
ヨウガの話を聞いて海斗達も疑問に思った。
別に相手の護衛は少なくはない。よほど大人数で移動しない限り普通、護衛は1パーティーくらいが基本だ。守る人数が多くなれば少人数の護衛では手が回らないため、多少多めに雇うことになる。
だがしかし護衛の人数は最小限にして費用はなるべくかからないようにするのが普通だ。
相手の護衛の人数も一般的にみて、少なくはない。むしろこちらの護衛の3パーティーというのが多いのだ。
それを相手の方もヨウガへ言ったのだかわヨウガから返ってきたのは驚きの話だった。
「知らなかったのか!?なら言うが、今この辺りは異常に魔物の数が増えているんだよ。その分護衛の数を増やすのは当たり前だろ?」
知らなかった……。海斗達なら三人でも余裕をもって討伐できるくらいだから、そうだったのかだけで済む話だが、他の人なら冷や汗ものだ。現に、相手の顔はかなり動いた後にも関わらず真っ青だ。
後に話を聞くと、相手側の商人は一応はその話は知っていたらしい。だがしかし、あまり深く考えていなかった半分、護衛代をけちった半分で1パーティーしか雇わなかったようだ。それでこんなことになっていたら目も当てられない。
このままでは危険だということでこのまま一緒に首都まで行くことになった。
こっちの商人の人達が優しい人で良かったな。中には利益がないと許さない人もいるのだ。
その後、確かに多少出てくる魔物は多かったが、危なげなく進む事ができた。
そして、海斗達はエルズルナフ首都へ到着した。




