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地球の神様が異世界にクラス転移した!?  作者: 新崎 かえで
4章 魔法国家エルズルナフ
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37話 再び買い物 その1

前回までの話


エルズルナフの街に到着した三人であったが、飛鳥の希望により到着したその日に買い物をすることになる。かなりの時間が経った後、やっとの思いで宿に帰ることが出来たが、食料を買い忘れていた。


飛鳥の買い物に付き合わされて一日経った次の日、今日こそは宿でゆっくり休めると思っていたのだが、食料を買い忘れていたためこの日も買い物に出かけることになった。

だが一つ、海斗と絢斗にはけして忘れてはいけないことがあった。



「なあ、どうせならそれぞれで別れて行かないか?」


そう言ったのは、海斗だった。それにすかさず、絢斗も賛成する。


「ああ。俺もその方がいいと思うぞ」


示し会わせたわけではないが、二人の気持ちは同じだった。

絶対に昨日と同じようにはならない。

そのためにはどうすればいいのか。そこで考えたのが、別れて行動することだった。

そうすればながったらしく買い物に付き合わされることはない。同じくらい時間を過ごすにしても、昨日みたいに一ヶ所で長い時間を過ごすよりいろいろみて回った方が断然いい。


「別にいいけど、食料は頼んだわよ」

「ああ、分かった」

「それくらいは構わないぞ」

「じゃあ、私は先に行くから」

「ああ」


そう言って、飛鳥は先に街へと出ていった。


「じゃあ、手分けして買うか」

「というわけで言い出しっぺの海斗、よろしくな」

「あっ、おい!」


それだけ言うと、絢斗はそそくさと飛鳥とは反対の方向に行ってしまった。


(何がというわけで、だ。絢斗も話にのってきたくせに……)


そんな感じで絢斗に体よく逃げられた海斗だった。


(はぁ、仕方ない。買いに行くか)


ここで買い物を放り出さずにしっかりやろうとするのが海斗のいいところだろうか。






「適当に見て良さそうのがあれば買えばいいか」


特に買うもの反対の決めていない。適当に買って、使うときに何を作るか決めればいい。

王都まで行くのにはまだ時間がかかる。途中にも街に寄るし、必要ならそこで調節すればいい。


そんなお気楽な買い物だった。




「安いよー。買っていっとくれ!」

「今朝取れたばかりの野菜だよ」

「手作りのクッキーです。いかがですかー!」

「よってらっしゃい、見てらっしゃい。ここにあります紫の壺は、とある遺跡で見つかったという……」


などなど、一つ方向性が違う物もあったが賑やかなものだった。



「そこのお兄さん、見ていっとくれ」


そう言った女性の視線が、自分に向いていることに気づいた海斗は店の方に寄っていく。


その女性が売っていたのは、野菜だった。値段も普通できれいなため、せっかくだからいくつか買っておこうと思った。


人参や玉ねぎにじゃがいも、これにあと肉とルーがあればカレーができるのだが、残念なことにこの世界に来てからルーは見ていない。そろそろいい加減にカレーが恋しくなる。

因みに、海斗はカレーは甘口と中辛を混ぜたカレーが好きだ。


そんな事を考えているうちに、さらにカレーが食べたくなるわけだがこればかりはどうしようもない。心の底から溜め息をはきたくなる気分だった。



「どうかしたのかい?」

「あっ、いえ。何でもないです」


その声に驚いて前を見ると、女性が首をかしげてこちらを見ていた。少し考えに(ふけ)りすぎていたようだ。


「えっと……じゃあ人参と玉ねぎ、じゃがいもあと、キャベツをください」

「はいよっ。毎度あり」


カレーは作れないが、それでも材料を買ったのはいつかルーに出逢えるようにという願掛けのようなものだった。。キャベツは適当にサラダにでも使おうかと思って買ったものだ。




(あとは、調味料も買っておくか)


まだ少しセンチュリアの王都で買ったものが残ってはいたが、それでは少し心許なかった。

もしも途中で切れたりすれば、日本でおいしい食べ物ばかり食べてきた三人にとっては死活問題だ。味付けのない料理などとてもではないが考えられない。



「すみませーん。塩と砂糖あと胡椒をください」

「はいよっ」


別の店で無事に調味料の補充に成功した海斗は満足だった。少し砂糖が高くついたが、この世界では砂糖は少し貴重なため仕方のないことだった。






そのあとは、買い食いしながら食料もちょくちょく買いながら、少しずつ時間は過ぎていった。日も傾きはじめて、そろそろ宿に戻ろうかという頃に会った。

目の前にいたのは、飛鳥そして別れて行動したはずの絢斗だった。その様子は少しいや、だいぶ疲れているようにも見えた。


それを見て、海斗は一瞬で状況を理解した。飛鳥に偶然会った絢斗は、飛鳥の買い物に付き合わされたのだ、と。

哀れに思う反面、別に恨んだりはしていなかったが自分に買い物を押し付けたバチが当たったのだと思った。


「かいと~」


そう言った絢斗は、情けないほどに弱々しかった。


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