27話 依頼は達成した後が大変
すみません!!何だか凄く受付嬢のイメージがくずれてしまいました!!
ギャー
ゴブリンキングを倒した海斗達三人には、余り達成感はなかった。まあ、あれだけあっさりと倒してしまったらそれも仕方ないだろう。
普通はゴブリン討伐に疲れを感じるところだが、三人には別のことで苦労することになった。
それは、倒したゴブリンの始末である。
本来、これは大人数でやるべき作業である。だが、それと同時に依頼事態も大人数で受けるべきものだった。こういう後始末は、余程のことがない限り依頼を受けた者だけで行うべきである。そうして、ゴブリン約二百匹を三人で処理するという事態になっているのである。
ゴブリン処理の仕方は、他の魔物よりは簡単だ。ただ、討伐部位である右耳を剥ぎ取るだけだ。
ただし、ゴブリンキングだけは魔石というものがある。
魔石は、ある程度力を持った魔物の体内にあるもので、大きければ大きいだけ価値がある。用途は様々で、比較的小さく弱い魔物のものなら平民の家にもある。
魔石には、魔力を溜める性質があって、光魔法の魔力を溜めれば明かりとして使えるし、水魔法の魔力を溜めれば、水道代わりとして使える。
他の魔物なら、毛皮や牙だったりと使えるものは剥ぎ取らなければならない。
だからまあ、ゴブリンだっただけましだったのではないだろうか。
「まさか、こんなことで三人できた弊害がでるとは思わなかったわ」
「確かにこれは予想外だな」
「まあでも、普通は三人でやる依頼じゃないからな。これで最後だろう。というか、そうであってほしい」
「同感ね」
「右に同じく」
三人は戦闘にかかった時間はおよそ三十分。そして、剥ぎ取りにかかった時間はおよそ三時間。
討伐よりも剥ぎ取りに時間がかかるという、おかしな事態になっていた。
そうして、行きと同じ三十分で王都に戻っていった。
王都についたらそのままの足でギルドに行った。
ただ、そこでは想定内の事ではあったが面倒なことになっていた。
「いったいなんなの、この量は!?」
こう叫んだのは、ギルドの受付嬢だった。勿論、今までと同じ人だ。
「おかしい、絶対におかしい!!確か、依頼はゴブリン五匹のはず。何でこんなにいるのよ!!」
そんな叫び、というか悲鳴に近いものがギルド中に響きわたっていた。周りにいた人は、いったい何だという顔をしてこちらを見ていた。
討伐部位であるゴブリンの耳を袋にいれて、机の上に置いていた。二百もあると流石に一つの袋には入りきらず、三つに分かれていた。
その横には、おまけのようにゴブリンキングの魔石が置いてあるのだが、受付嬢は袋に入れられたゴブリンの耳のせいで、見えていないようだった。
そしてやっぱりというか、残念な受付嬢がそこにいた。
「おかしい、おかしい。あり得ない、あり得ないわ。何で?どうしてこうなるの?依頼はゴブリン五匹じゃあなかったかしら?あれ?私の勘違い?ハハ、ハハハハハ______」
そこには昨日と同じいや、昨日よりヤバイ壊れた受付嬢がいた。まだなにか言っていたが、怖くて聞けたもんじゃない。というより、聞いてはいけない気がする。
海斗達は目の前の受付嬢にこれでもかというほどひいていた。そして周りにいた人は、見なかったふりという感じでこちらを見ないようにしていた。だが、誰も喋らないから唯一、受付嬢の笑い声が響いた。
何だか、異世界の冒険者ギルドのイメージと違う気がするのは気のせいだろうか。ある意味で、恐ろしい空間と化していた。
こうして、大勢人がいるなかで受付嬢の不気味な笑い声だけが聞こえてくるというおかしな空間が出来上がっていた。
この中の誰もが (当事者の受付嬢意外)誰か早く何とかしてくれと心から願っていた。
一度だけ、扉が開けられ冒険者が入ろうとしていたが中の異常な様子に気がつき、直ぐに扉を閉めて戻っていった。
そうしたい気持ちもわかる。
冒険者ギルドは今まで年がら年中うるさいくらいに騒いできた。それなのにこんな謎の情態になっているところに入りたくはないだろう。
恐ろしく不気味だ。
誰もが救いを待っている中、救世主は現れた。
「これはいったい、どんな状況だ?」
こんな受付嬢がいたらどうしましょう。




