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18話 勝利への方策


集まったのは三人。言うまでもないことだが、飛鳥、絢斗そして海斗だ。そして、集まった場所は例によって___

「何でいつも俺の部屋なんだよ」

海斗の部屋だった。


「いいじゃない、どこでも」

「どこでもいいなら、俺の部屋じゃなくてもいいだろ」

これでかれこれ何回目だっただろうか。既に何回か行った集まり全て海斗の部屋で行っていた。

「まあ、とりあえず話をすすめましょ」



国王が戻ったあの後、クラスメイト達は信じられないという表情で佇んでいた。それも仕方のない事だ。なんと言っても、今まで信じていた唯一頼ることの出来る存在に裏切られたのだ。

その点、海斗達三人はあらかじめ最悪の状況も想定していた分、心境は楽だった。

ただ、それはあくまでも想定していただけで本当になるとは予想していなかった。そして、国王に海斗の正体を気づかれていて、その上先手を打たれていたことは完全に想定外だった。




「問題は、この状況をどう打開するかだが、何かいい方法はないか、海斗?」

結局、困ったときの海斗頼み (神頼み)だ。

「正直、八方塞がりってとこだな。隷属化の魔法はそれだけ厄介なんだよ」

「本当か?何かあるって感じがするんだけどな」

絢斗が痛い所を突いてきた。

「確かに、方法がないって訳じゃあ無いんだけどな」

その言葉に絢斗と飛鳥の二人は驚いた顔をした。

「何でもっと早く言わないのよ」

「余り気持ちのいいやり方じゃあないからな」

「だからって、余り選り好みできる状況じゃないだろ。方法があるならやるべきだ」

「まあな」

「で、どうやるんだ?難しいのか?」

「簡単だ、術者を殺せばいい。そうすれば、こういう魔法は術者から魔力送られてきていて、それを元に魔法が発動し続けているんだ。だから、術者を殺せば元となる魔力が尽き、魔法は自然と解ける筈だ。だが__」

海斗が言いたいことはこうだ。人を殺す覚悟があるか?、と。


今まで、平和な日本で生きてきていきなり人を殺す何て無理があるだろう。

この世界は残酷だ。 その人の意志に関わらず生死は決まる。これは日本でも同じ事だったが、この世界では重みが違う。日本より、遥かに多く数が理不尽に亡くなっているのだ。

魔物や盗賊、どちらも日本にはいなかった存在だ。しかも、それらは一般人より圧倒的に強い。武器が手に入り易い環境もまた然り。どうしても、スキルなどで差が付きやすくなってしまうのだ。

そのため、この世界の一般人もある程度の覚悟を持っていきている。環境の差で絢斗や飛鳥達とも違うのだ。


だが、飛鳥と絢斗の答えは思っていたものより前向きな返答だった。

「とりあえず、それは最終手段にしましょ。いざというときには、そのやり方も視野に入れてやるわ」

「ああ、そうだな。いざってときに、怖じけ付くなよ」

「誰にいってんのよ。そもそも、隷属化ってどんな効果があるのよ」

「隷属化は、もともと奴隷を従える為に編み出された魔法だった筈だ。だから、基本的には術者の命令に絶対服従って感じだったかな。ついでに言うと、送る魔力の量で指示の拘束力が変わってくるんだ。それと、相手によって使う魔力の量も変わってくる」


奴隷と言っても、この世界の奴隷の多くは犯罪奴隷だ。犯罪奴隷は捕まえられた盗賊など、罪を犯した者がなる物だ。そして、残りの一部がお金がなくなり生きていけなくなった者達が自主的になるものだった。

そして、奴隷には例え犯罪奴隷であっても理不尽に暴力を奮ってはいけないと法律で決められている。この世界の奴隷は、ある程度人道的な扱いをしなければならないと決まっているのだ。


「なら、指示を出す方法はどうなっているんだ?」

「直接対象者に命令を出す必要があるな。対象者に聞こえる距離で聞こえる声の大きさで指示する必要がある」

「なら、聞こえないように耳を塞いでいたらどうなるの?」

「それくらいの簡単な指示なら、魔力を通して指示する事が出来るな」


もともと、指示を出すのには声に出す必要はない。魔力を送りながら心で指示するだけで出来るのだ。だが、それだと指示が伝わり難くなる。 なにより、この方法はある程度近くなくては使えない。

そのため、ほとんどが声で指示を出すことになる。


「あ!!」

そこで、飛鳥が何かを閃いたように大声を出した。突然の大声に海斗と絢斗の二人は驚いた。

「どうしたんだ?何か思い付いたのか?」

「ええ。術者の魔力切れを狙ったら?」

それを聞いて絢斗もはっとした様子で海斗をみた。

「いや、隷属化の魔法は他の魔法と比べると極端に使用魔力が少ないんだ。だから無理があると思うぞ」

「さっき、言ってたじゃない!!使う魔力の量は変わってくるって!!それを使ってどうにか出来ないの!?」

「いや、そのやり方だとかなりの保有している魔力の量に差が必要だ。だから……………あっ」

そこで海斗は気が付いた。自分がかなりの量の魔力を持っていると。

この魔法に対向するには術者との魔法量の差がかなりの物でなければならない。それは、この魔法が術者に有利に創られている為だ。術者は対象者に少量の魔力で指示できるため、それに対向するには普通量の魔力で指示を押し返すようにする必要があるのだ。


「つまり、海斗の魔力量なら可能ってことだな」

「ああ。それで俺が後の隷属化を解除すればいい。隷属化が無ければそれくらい可能だ。」

「だけど、その後は大丈夫なの?魔力がどれだけ残るかが問題よね」

「正直、かなりぎりぎりになると思う。だが、このときの為にお前らは特訓してたんだろ」

その言葉で飛鳥は、はっとする。

「そうよね。こんな時の為に今までやってきたんだもの」

「だな。ここで使わなけりゃいつ使うんだって話だよな」




三人の心は決まった。後はただ行動するのみだった。

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