16話 異世界は甘くない その2 (厄介な王)
「どうしてそれを?」
海斗はいつもの気の抜けた雰囲気から一転して真剣な表情になった。その変わり様にクラスメイト達は、少なからず驚きの表情を浮かべていた。
「簡単な事だ。お前のステータスを見たからな」
「俺はずっと隠蔽で見えないようにしていたはずだ」
「スキルを常時発動させ続けるとは流石神といったところか」
(答えになってねぇよ)
スキルは基本、その場限りの物だ。
例えば、魔力操作ならば主に魔法を使用する場合に使うスキルだ。そして、それ以外の時は使っていないのが普通だ。
スキルを使用するのには魔力は必要ない。しかし、その変わりに集中力が必要になる。集中力が無限に続くことはない。
その為、スキルの常時発動は不可能なのだ。
「お前がこの世界に来た事に気が付いた時、それが本当にお前達が来た瞬間だったのか?」
その言葉に海斗は、はっとする。その言葉でようやく気づいた可能性。
もしも、この世界に来た時と目が覚めて気が付く迄にタイムラグがあったなら?
もしも、タイムラグの間に『鑑定』を使われていたならば?
海斗は地球にいた頃には隠蔽を使っていなかった。必要がなかったからだ。そして、それは正しい。地球に魔力を使える者がいない以上、知られる心配はいっさいないはずだったのだ。
だが今回はそれが仇になった。意識がない時に隠蔽を使う事は、いくら海斗でも不可能だ。せいぜい、もともと発動していた隠蔽を維持しておくことが精一杯だ。
「やっと気づいたか。まあ、気づいた所でどうしようもできまい」
「だが、それは俺が魔王退治をする理由にはならない筈だ」
海斗は分かっていた。国王は、海斗が魔王退治をしなくてはならない理由を持っていると。
国王は思っていた。海斗は魔王討伐をするだろうと。その為の駒は揃っている。自分の思い道理にならない筈はないと。
この二人の意識の違いが結果を決めたのだ。今まで全く気づかなかった、ハンデを海斗は負ってしまった。それに対して、国王は予め準備を行い、万全の体制を調えだが、それ故に油断していた。
後、一歩を読みきる事が出来なかったのだ。
この時、既に結果は決まっていたのだ。
「お前達がこの世界に来てから、目覚める迄に一つの魔法を施させてもらった」
それを聞いて、海斗は直ぐ様自分自身に『鑑定』を使った。
(『鑑定』!!)
そして、そこに出てきたのは___
___状態:魔法付与
注)害のある魔法がかけられています
それを見た海斗は舌打ちをして、更に詳しく鑑定をする。
魔法付与
隷属化 :術者の命令に絶対服従になる
周りを視てみると、他のクラスメイト達にも同じ物がかけられていた。それを視て、海斗は更に舌打ちした。
*設定*
・ステータスは誰でも使える
・鑑定はスキルを持たないと使えない
ステータス……HPやMP、スキル等を知る事が出来る。HPやMPは最大値と現在の残量も表示される。
鑑定……ステータスに使う事で、更に詳しく知る事が出来る。ステータス以外の物に使う事が出来る。
今回やった、状態を分かるようにしたのも鑑定を使ったからです。
何だか分かりにくい気がしたので設定に書き込みました。
次回は、今日か明日辺りで投稿予定です。




