11話 魔法訓練
「今日は魔法の訓練をするぞ」
そのザイン言葉に俺達は緊張をはしらせた。
魔法といえば地球では存在しないはずのもので、これができるとなればいい意味での緊張がはしるのは当たり前だろう。緊張というより、未知の体験への高揚感かもしれない。
俺達、中衛職の訓練は剣術と魔法の訓練を3日置きにやることになっている。
何故なら、どちらもある程度続けてやっていかなくてはすぐに忘れるからである。
前衛職や後衛職ではそれぞれ剣術や魔法の訓練だけでいいのに対して、中衛職では剣術と魔法の両方の訓練をしなければならない。そのため、どちらをどれだけやるのかが、重要になってくるのだ。そして、3日ずつ交代でやることになった。
魔法を先にやることになったのは、全員の希望だ。
魔法の訓練の第一段階は魔力の操作だ。
魔法は基本的に手から放つ。これは、日常的に使っている手だと魔力を集中させやすいためである。
つまり、第一段階は魔力を手に集めることだ。
そんなわけでみんなやっているが、これがなかなか上手くいかない。
まず、いままでに魔力という概念さえもなかったことにハンデがあるのだろう。因みに俺は、できない振りをしている。
そんな感じでしばらくやっていると、ついに一人できるようになった。
「できた!」
絢斗だ。
恐らく、昨日のあれから練習でもしていたのだろう。そうは言っても、この短時間でできるようになるのはすごい。
「おお、もうできるようになったのか。早いな」
それを聞いて、みんなも驚いたようだった。特に、齋斗は悔しそうに見ていた。勇者の称号があるだけに一番でなくて、悔しいのだろう。
それで、みんなのやる気に火がついたようで少しずつできる人数が増えていった。
二番目にできるようになったのは、齋斗だった。俺も、目立たないように半分くらいができるようになった辺りでやった。
しばらくして、全員ができるようになった。 異世界から来たためか、流石に第一段階で躓くような奴はいなかった。
「じゃあ、第二段階もやるか」
予想外の早さだったのか、初めは第一段階までの予定だったが、続けて第二段階もやるようだった。
第二段階は、魔力の変換だ。
手に集めた魔力をそれぞれの属性に変えるのだ。下級では、火や水、風、土がある。この中の、ステータスで適正があった魔法が使える。
因みに、中級や上級の方が難易度が高いため、基本的には下級からはじめる。
だが、出来ないことはない。但し例外もある。火炎魔法と氷魔法だ。 この二つはそれぞれ、火魔法と水魔法の上位版なためそれらを先に使えるようにならなければ使えない。
この魔力の変換は皆、てこずっている。
イメージが浮かばないのだろう。この第二段階までは、コツなどないからザインさんも口を挟まず見ているだけだ。
慣れれば魔力の操作と同時にできるんだけどな。なれるまでが、難しいんだよな。
その調子のまま、今日の訓練中には誰も出来なかった。そのまま解散になったが、何人かはそんまま練習を続けるようだった。
明日には何人かはできるだろうな、と考えながら俺はその場をあとにした。




