美しい召使い 1
とある国の王子、アレンは
容姿端麗、才色兼備、文武両道と
全てが完璧で、民からの支持も強い人だである。
しかし、そんな王子にも難点がある
王「我が息子アレンよ、もうそろそろ結婚をしてくれないか。」
王子「嫌です。父上、なぜ愛してもいない人と生涯を誓わなければならないのですか」
王「何代も受け継がれてきた王家の血をそんな理由で途絶えさせてはならん」
王子「それはわかっております!でも僕は、愛する人を見つけたいのです。とにかく父上の決めたお相手とは結婚しません!」
国王の話を聞かず、アレンは部屋を出て行った
王「全く、あれでは時期国王として失格だぞ。いつになれば落ち着いてくれるのだあやつは。なぁ?」
たまたま近くにいた召使い…フローラに王は語りかけた
王「とても不安だ、君もそう思わないか?あいつは全ての事において優秀だが、少々自己主張が強すぎる…困ったものだ」
フ「…アレン様は何でもこなせる方ですが、やはり一人の人間、捨てきれない感情だって沢山あるのだと思います。」
王「王子として捨てるべき感情もあるのだがなぁ……………ところで君、あまり見かけない顔だな、名はなんと言う?」
フ「フローラと申します。」
王「フローラか…いやメイドには勿体無いくらい美しい顔だな」
フ「そんな…!私の様な者が国王様にそのようなお言葉をいただけるなんて、恐縮です。」
深くお礼をし、フローラは部屋を後にした
王「…いや実に、なんと美しい娘だ…あんな女性がこの世にいたとはな」
ーーーーーーーーーーーーーーー
廊下を歩くフローラの表情は、とても人前に出れる顔ではないくらい笑い歪んでいた。
「……ふっ、効果がでてるみたいね。この薬本物だわ!前は視界にも入れていなかった国王様からお褒めの言葉をもらえるなんて!」
ふと近くにあった鏡を見れば、自分とは思えない美しい女性が立っていた。
「このまま続けていれば、愛しきアレン様の心を手に入れるのも時間の問題ね!……ふふっあははは!」