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閑話

今日もよろしくお願いします。


ー 帝都 ー


時は遡りロアの村で後夜祭が行われている頃とある場所では…。


「失礼するぞ。豪炎」


執務室に入って来たのは豪炎の従兄弟にあたる男で名を蒼炎そうえんという。

彼は豪炎の右腕であると同時にこの国を裏から守る裏近衛の総司令官でもある。

そんな蒼炎がこの執務室に何の前触れもなく訪れた。


「何事ぞ。蒼炎そうえん

「邪魔して悪いな。俺ん所のユエがな妙な情報を送ってきた」


月とは裏近衛の通称。本来裏近衛の存在は秘されており陰の者という意味で月と呼んでいる。


このノ国とそうノ国国境付近にあるロアの村の事なんだが」

「その村がどうかしたか?」

「ああ…。【魔力草が咲いた】らしい…」

「何!?」


蒼炎の言葉に作業の手が止まる。

魔力草は季節柄この時期には絶対と言って良いほど咲く事がない。


「どういう事だ」

「まだ良く分からん。今現地に人を送って確かめている所だ。だが…恐らくは…」


蒼炎が言おうとする言葉に自らも思い至り豪炎は執務室を勢い良く出ようとした。

それを遮ったのはやはり蒼炎であった。


「おい。豪炎。まだ定かではないのに行く気か?」


勢いを止められた豪炎は顔を歪ませながら返事をした。


「確かめなくとも絶対に彼女だ。我々王族の中で異能力の種類が分からぬ使い手は姉上以外居らぬ!早く行かねば誰とも知らぬ者に攫われるかもしれないではないか!」


絶対に魔力草が咲いたのは姉上の御力だ。早く行かなければ魔力草の存在に気づいた者が姉上を攫ってしまう!

そう叫ぶ豪炎を落ち着かせるように蒼炎は諌めた。


「ならば尚の事準備をすべきではないのか?お前はもう王太子ではない。この国の黄帝だ。為さねばならぬ事がある。姉さんの事は俺たちに任せとけ」


最もな言葉に豪炎はクッと唇を噛み締め今直ぐにでも迎えに行きたい衝動を抑えた。





お読み頂きありがとうございます。

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