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第7話

よろしくお願いします。

黒づくめの男が侵入してきた後、明はお婆に裏口から逃げるように言われた。


「明。お前は裏口から逃げなさい。そんで椎を頼るんだ。あの子には全部話してある」

「いやよ。お婆を置いて逃げる訳にはいかないわ」

「ほっほっ。まだまだ若いもんにアタシは負けやしないさね」

「でも……」

「アンタよりはマシさ。さあお行き!」


そう言ってお婆に逃がされた後、椎の家に向かっていた明だが、先程の黒づくめの男の仲間らしき人達が道を塞いでいた。


「やはりな。あのババアはお前を逃すと思ったぜ」


目の前に現れた男達は黒づくめの男とは違い荒くれ者らしい下卑た者達。その背後からゆっくりと前に進み出た者がいた。それはそいつらを統括していた貴族らしき男。


「手荒な真似をしてしまってすみません。申し訳ありませんが私と共に来ていただけませんか?手厚く歓迎いたしますよ」


貴族の男は優しく語りかけるように言ったが、明には男の目が笑ってい無いことに気付いていた。

明の危機回避能力は、対人に関してそれは良く当たる。

現に何回も明は人攫いに会いかけていた。しかし、その度に明の勘が働き何度も回避してきた。


「何をそんなに警戒しておられるのです?」


明はとぼけた様な貴族の言葉と異常なその雰囲気に脚が竦みそうになるが必死に言葉を紡いだ。


「貴方は何故こんな事をするの?」

「??ーーこれは奇異な事を仰せになる。貴女様が昨日成された事を私が気付かぬとお思いですか?」


明には分からなかった。私が何をしたと言うのか。ただ収穫祭で舞を舞っただけではないか。

そんな言葉が頭の中を占領していた。

男はそんな明に御構い無しに自分の思いの丈を語り続ける。


「貴女が舞う度に神々しく輝く植物達!!特定の条件下でしか咲か無い魔力草すらもかの舞で咲かせた!!その様な力はこの翠ノ国特有の王族の異能しか無い!!更に癒しの異能は建国の王!涼縁りょうえん王しか居られ無い!その癒しの異能使いが今私の目の前にいる!素晴らしいと思わ無いか!!!」


貴族の男の目は明らかに常軌を逸していた。

明は思わず体を震わせ後ずさる。瞬間強い風が吹き荒れそのすぐ後に自らの手が引かれる。

それは椎だった。


『明!走って!』


強風の原因は椎が風の魔石を使って起こしたものだった。

お読み頂きありがとうございます。

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