第6話
今日もよろしくお願いします。
ー ロアの村 ー
side 明
収穫祭が終わった次の日…。
お婆の薬屋に行った私は今…お婆に……迫られています……。
「ふっふっふ。さて、明少し顔を貸しておくれ」
「ひっ…お…お婆?…ど…どうしたの?急に……?」
怖い。怖すぎるわお婆…。
いつもは普通だけれど、身に纏っている衣服も相まって邪悪な魔女って風貌なのよ…。
「…とまあ冗談はこの位にしておこうかの」
ふと雰囲気が明るくなり側にあった椅子に腰掛け、茶を啜り出したお婆に私はホッとしたの。
「何ホッとしてるんだい。冗談の通じない子だねえ」
「いやいや。アレは冗談でも怖いって」
「ほっほっほ」
楽しそうに私をからかって遊んでいたお婆っだったけど、何処か寂し気な雰囲気を感じました。
「お婆?どうしたの?何時ものお婆じゃないわ?」
「お前さんは妙なとこで鋭いんだから困るさね」
「何かあったの?」
「はあ。お前さんの過去の事だ。知らない訳にはいかないさね」
心配している私を横目に、お婆が言った言葉に私は固まってしまった。
私の過去に着いて…。
私にはお婆に拾われた以前の記憶が無い。
だからこそお婆の言葉が頭の中で渦を巻いた。
「お婆……どうい…」
ーーパリンー!!
私がお婆にその言葉の意味を問いかける前に、薬屋の窓が割れ得体の知れ無い男が入って来た。
いきなり現れた男に、お婆はまるで分かっていたかのように私を背に庇いました。
「おやおや。全く礼儀のなってない男だねえ。割った窓の代金はお前さんが払ってくれるんだろう?」
「………」
男はお婆の言葉に返事を返さず、そのままお婆と私に向かって剣を向けた。
お読み頂きありがとうございます。