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日常RPG  作者:
3/8

25歳のおつかい





ドーレミーファーソラシードー、ドーシーラーソーファーミーレ、どーこにいーこおかーなー…



カメラもない、頑張れの声援もない、偉いねのお褒めの言葉もない。そりゃそうだ、俺は25歳のフリーター。お使いではなくただの買い物だ。




「洗剤、ない。買って来い。」



バイト帰りの勇者の携帯に届いていた、一通のメール。



新規メッセージはありません。…新規メッセージはありません。……新規メッセージはありません。新規メッセージは……




おい、俺は勇者だぞ。もう夕方だぞ。朝からバイトだった、時間は十分にあったはずだ…

親からのメールが一件だけ、悲しすぎるだろ! もっとこう、なんかさぁ…


メールを受信しました。


きてぁぁぁぁぁ! そうだよね、そうだよね!このままじゃ勇者ただ薬草買って本日の冒険終了だったぜ、あぶねぇあぶねぇ。

さて、誰からだ。まぁ誰でも良い、俺に冒険をさせてくれ。手に汗握る、ハラハラドキドキの冒険を!




「無料で女の子に出会える…」




さて、近くの薬局は…



サクラは50のダメージを受けた。現実の厳しさを学んだ。






ありがとうございましたぁ。



さて、宿屋に帰るか。もう今日はいいよ、旅の記録にバイトとお使いと書いて眠るよ。枕を涙で濡らして寝るよ。






赤信号が現れた!



しまった…ここの信号なげーんだよな。あぁ、早く帰りたい時の信号待ちほどうっとおしいものもないよな、はよ変われよコラぁぁ!



隣に二人乗りをする高校生カップルが現れた!



「君たち、警察見てるから。やめときな。」



サクラのただのひがみという名の攻撃! 後ろの女の子は自転車を降りた。




テレレーン! 勇者サクラは勝利した。このおっさんうぜぇの称号を手に入れた!




リア充め、全て爆ぜればいいのに。








パチンコ屋さんが現れた!


…ゴクリ。財布の中身は…8千円。く、装備が洗剤なのは悔やまれる。せめてエアガンがあれば…

どうする、なかなかの強敵だ。こいつを倒せば資金の方は多く貰える。ゴールデンスラ○ムみたいなもんだ。が、しかしなかなかリスキーだ。ハイリスクノンリターンも無きにしも非ず。どうする、まさにギャンブル!




迷わず行けよ、行けばわかるさ…





ありがとうーー!!い○き、ボンバイエ。い○き、ボンバイエ。ファイ! ファイ! ファイ!



ヤバイ、今神のお告げが。神よ感謝します、勇者サクラ、この強敵を見事打ち倒して見せましょう!



勇者サクラの攻撃!


おりゃぁぁぁぁ! いったれぇぇぇぇ!












…はっ! ここは…店の前。そうか、俺は…負けたのか。まぁ、しょうがない。次があるさ、次が。

いやぁ、8千円くらいどうってことない。ふ、妄想癖をもつ俺でもわかる。これはゲームじゃない、リセットボタンなどあるわけない。やる気スイッチは存在するらしいがな!



サクラは自分の財布を調べた。


680円しかないようだ。…680円しかないようだ。……680円しかないようだ。680円しか…



クーポン券を見つけた!





…ハンバーガー食って帰るか。







スマイル0円の可愛い店員が現れた!



…うん。いいねいいね、こういうの今日なかったよ。癒し的なことない日は勇者もキツイって。うん、苦しゅうない。






「洗剤、早くしろ。」


母からのメールを手に入れた。……やべぇ。宿屋に帰っても強敵いるのかよ…



勇者サクラは状態異常「憂鬱」になった。




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