表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
対怪獣迎撃装置操作員  作者: 藤道湖居
第1章 日本がうごくまで
4/47

1始まりの日 4

部の全員が無言で大会議室へ向かう。

大会議室といっても20名程度が集まる場所だ。

部の全員、約50名は入りきれず、ドアを開け放して、廊下にも人があふれた。

いつもなら会議が始まるまで雑談でザワザワしているのだが、誰も一言も発つしなかった。


「えー、皆混乱していることと思う。」

部長が話し始めた。

「ニュースでも流れていたが、これは現実に起こっていることである。」

皆が息を飲んだ。

「静かに! 現実だ。現実に怪獣が出た。確かめた者もいると思うが、ロイターもCNNもBBCもFrance2も同じ情報を流している。そして、わが社の各国の海外支社にも確認をとった。」

部長の話しに、これは現実に起こっていることだと、部の全員がわかりはじめた。

現状を認識したとしても、納得できるかは別の話しである。

「部長!待ってください!」

「本当なんですか?」

「うそでしょう!?」

皆朝から感じていたことを次から次へと口にしていく。

数人の女子社員が泣き始める。

新人が「まじやべー!」と叫ぶ。

弘明も「まじか」とぼそっとつぶやいた。


会議室が騒然となった。

しかし部長は何も言わず、皆が叫ぶのを止めない。

彼自身も30分前は同じことを叫んだからだ。

部下が不安に感じていることをすべて吐き出せようとした。

いったん吐き出せば、また人の話に耳を傾けることができるようになるだろうと考えた。

事実、10分ほど大騒ぎになったが、一人一人口をつぐんでいき、部長を見つめ始める。

いったい何が起こっているのか、さらに情報が欲しい。

会議室はまた水を打ったような静けさをとりもどした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ