第7話
「今日は木獣君を使って戦闘訓練を行います」
先生が木獣君を全人数の半分くらいをつれてきた。狼のような形だが大きさは腰のところまでの高さがある。微妙に愛嬌があるような感じだ
「それと、武器はあそこの小屋にあるなかで、自分に合うものを使ってください。木獣君は簡単には斬れませんが、もし壊されてしまったら、後が大変なので」
先生が苦笑している。片付けとか、新たにつくるのが大変なのだろう。まあ学園に真剣を持ってきている人はあまり多くない
みんな先生に言われたとおり、小屋に向かっていく。小屋の中には凄い数、種類の武器が置いてある。刃があるものは潰されており、斬れないようになっている
「こりゃすげえ数だな!?下手な武器屋より揃いがいいぞ!!」
エインが興奮気味にハイレンが思ったことを代弁してくれる。驚きながらも自分に合う武器を探しているから、器用かもしれない
「なんで魔法操者のあたしたちが武術演習をしなきゃいけないのよ」
リヴが武器を選びながら文句を呟いている
「さっきも先生がいってたじゃねえか。魔法師に近接戦闘を持ち込むのは常套手段。だから訓練しておくにこしたことはないって」
「そんなことわかってるけどさ……」
なんか拗ねてる?
「フェルは杖か?」
話し合っている二人はほっておいてフェルを見にいく。持っていたのはフェルの身長の半分くらいの長さの杖だ
「はい。こどものころちょっとだけ杖術を習ったんです。すぐにやらなくなってしまったので、できないとかわらないですけど」
後半は少し恥かしそうに言っている。魔法師にとっては武術の練習より魔法の練習を優先させるから恥かしいことじゃないんだけどな
ハイレンも自分が持っている武器にちかいものを探すようにする。しばらく探して
(これがいいかな)
武器を決める。柄の部分が両手で握れるようになっており、刃渡りは80cmくらいの長さだ。ショートソードに分類される剣だ
「ハイレンさんは剣ですか?」
「これが自分の持っているのに一番ちかいからね。……リヴはまだ決まってないみたいだね」
「そうみたいですね。エインさんも一緒に見てますけど…」
「…あれは武器をみて楽しんでるだけじゃないかな?」
悩んでいるリヴの近くでエインも武器を見ているけど、よく選びもせずにすぐに違う武器を見ている。ちゃっかり自分の武器は決めているし
「リヴ、これでいいんじゃないか?」
リヴに見せたのは振り回しが簡単なようにするため、刃渡りが40cmくらいの長さ。ダガーに分類される剣だ
「ん?…これならあたしにも使いやすい長さっぽいね。でも一本じゃ厳しいかな?」
ちょっと不安そうな顔をしている
「なら、もう一本持てばいいんじゃないか?この剣なら問題ないだろ?」
言いながらもう一本、リヴに渡す
「………準備良くない?」
「気にするな。じゃあ行こうか」
「そうだね。先生が待ってるし」