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北の暁  作者: circlebridge
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1980年代の南米 ― 「もう一つの冷戦戦場」

1. 戦後〜1960年代の経緯(前史)

• 第二次世界大戦後、南米諸国は表向き中立を保つが、

ドイツからの亡命・移民が急増。特にアルゼンチン・チリ・ブラジル南部に集中。

→ ドイツ本国からも意図的に技術者・軍人・情報員が移住。

• 英米はこれを危険視し、**「南半球封じ込め戦略(Southern Containment)」**を発

動。

→ アメリカ海軍第4艦隊が復活し、パナマ・カリブ・大西洋・太平洋側から包囲を形成。

→ 日本・蝦夷の海軍も太平洋南方訓練を強化。

• 1960年代には南米諸国で「親独派政権」と「親米派政権」が交互に誕生。

内戦やクーデターが相次ぎ、**南米は“冷たい戦場”**となった。

---

2. 枢軸勢力の南米浸透

アルゼンチン ― 「南大西洋の枢軸の槍先」

• 第二次世界大戦後、ドイツからの亡命者を多数受け入れ。

• 「国家革新運動(Movimiento Nacional Renovador)」が政権を掌握。

• 公然と大ドイツ帝国との同盟を宣言し、**“南方枢軸の盟主”**となる。

• 軍需産業・原子力開発にドイツの技術支援を受け、

1970年代には南米最大の軍事国家に。

• 1980年代:

南大西洋をドイツ海軍の補給・監視拠点として提供。

→ 「ブエノスアイレス協定(1982)」で、アルゼンチン・ウルグアイ・パラグアイが

「南方協力機構(Southern Cooperative Axis)」を形成。

→ 実質的には南米枢軸ブロック。

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ブラジル ― 「表向き中立、実際は枢軸寄り」

• 史実より強力な独系移民層(南部リオグランデ・ド・スル州など)。

• 1950年代〜60年代の軍事政権が**「第三勢力外交」**を掲げ、

米国・ドイツ両方と取引。

• 1970年代にはドイツとの原子力協定・航空宇宙協力を締結。

→ 「中立を装う枢軸協力国」。

• 1980年代:

連合圏の経済援助も受けつつ、政治的には大ドイツ帝国寄り。

南米のバランス役を演じ、

**「中南米のユーゴスラビア」**的立ち位置。

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チリ ― 「アンデスの親独軍事政権」

• 独系エリート層が支配。連合国に対して不信感を持つ。

• パタゴニアを通じてアルゼンチン・ドイツとの連絡線を保持。

• 米国と日本は封じ込め政策として経済制裁を実施している。

• アンデス山中には枢軸の軍事顧問団が駐在しており、

一部ではドイツ本国製の兵器も確認されている。

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ウルグアイ・パラグアイ

• 小国ながら、枢軸寄り連合「南方協力機構(SCA)」に加盟。

• アルゼンチン・ドイツの金融ハブとして機能。

• 米英の諜報網(CIA・MI6・蝦夷情報部)が潜入中。

しばしば“影の内戦”が発生。

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3. 連合国側の南米拠点

コロンビア

• 英米日の支援で「北南米防衛条約」加盟。

• カリブ〜太平洋をつなぐ防衛拠点。

• コカイン問題が深刻化するが、CIAが裏で取引を黙認して資金源化。

ペルー

• 日本企業(特に鉱山・港湾開発)が大きく進出。

• 政治的には中立を維持するが、事実上の連合国側。

エクアドル

• 英国の経済援助に依存。ガラパゴス諸島は英米海軍の補給基地に。

ベネズエラ

• 産油国として重要。

• 英米日蝦の資本が油田を掌握しており、

枢軸側の浸透を徹底的に阻止。

• 国内では社会主義運動が根強く、「南米の火薬庫」とも呼ばれる。

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4. 軍事バランスと代理戦争構造

ブロック 主な国 支援勢力 軍事的特徴

枢軸ブロック アルゼンチン、チリ、ウルグアイ、パラグアイ 大ドイツ帝国 機甲化部隊・

ドイツ式参謀制・南大西洋艦隊

連合ブロック ベネズエラ、コロンビア、ペルー、エクアドル 米・英・日・蝦 空軍力・衛

星監視・海上封鎖能力

中立/揺れる国 ブラジル、ボリビア 双方と取引 バランサー的役割。内部は親独派と親米

派の抗争。

南大西洋は「潜水艦と諜報の海」と呼ばれ、

ドイツ潜水艦が密輸・スパイ輸送に利用。

米・英海軍はカリブ・大西洋間で哨戒を継続している。

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5. 経済構造

枢軸圏側アルゼンチン・チリ

ドイツへの一次産品輸出(鉱石・肉類・燃料)が主。

→ ドイツの経済圏に統合され、「南方の供給地」。

連合圏側ベネズエラ・コロンビア

英米日の資本による鉱山・エネルギー開発が進行。

→ 経済成長率は高いが、格差・汚職が深刻。

• ブラジルは「両陣営を天秤にかけた経済ブロック形成」を狙うが、

1980年代後半にはインフレ・債務危機に直面。

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6. 文化・思想

• ドイツ文化・移民の影響で、南部南米では

「ラテン・アーリア主義(Latino-Arianismo)」という思想が流行。

→ 「ラテンの精神とゲルマンの秩序の融合」を唱えるが、

実態は枢軸正当化のプロパガンダ。

• 一方、北部南米・中米では

「自由圏的国際主義」と「民族的ポピュリズム」が衝突。

→ 民主化運動・宗教運動(解放の神学)・ゲリラ活動が複雑に絡み合う。

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7. 総括 ― 「南方の冷戦」

地域 陣営 特徴

アルゼンチン・チリ 枢軸ブロック 軍事政権、ドイツ技術支援、反米主義。

ブラジル 中立的枢軸協調国 経済的には連合・枢軸双方と連携。

ベネズエラ・コロンビア 連合ブロック 米・英・日・蝦の支援下。反枢軸の最前線。

ペルー・エクアドル 緩衝地帯 日本・蝦夷の投資が進む。

ボリビア 内戦的混乱 鉱山をめぐる多国間代理戦争。

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8. 南米の位置づけ(1980年代)

南米は「第三次世界大戦が始まるとすれば最初に火を吹く大陸」と呼ばれている。

北ではアメリカの海軍力、南ではドイツの潜水艦網、

その狭間で、各国は民族主義・経済格差・イデオロギーの渦に翻弄されている。

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