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北の暁  作者: circlebridge
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1980年代のインド連邦(Dominion of India)

■ 政治体制:英連邦の中核国家

◉ 概要

• 政体:英連邦王国型の立憲君主制

• 元首:イギリス国王(形式上、国王チャールズ三世)

• 実務首班:インド首相(議会制)

• 首都:ニューデリー

• 憲法:1950年施行の「インド自治連邦憲法」

• 連邦構成:18州+2特別自治州

• 西部:インド・イスラーム自治州(旧パキスタン)

• 東部:ベンガル自治州(旧バングラデシュ)

インドは名目上独立国であるが、実質的には英連邦の一部であり、外交・防衛・通貨政策

は英米と共同で運用されている。

王室の影響力は限定的ながら、議会政治は安定しており、アジアでも最も成熟した英語圏

民主国家の一つとされる。

---

■ 政党と政治情勢

勢力 性格 主な基盤 備考

インド国民会議(INC) 中道リベラル 都市中産階級・知識層 英連邦との協調路線。多数

党。

人民党(BJP) 保守・民族主義 北部ヒンドゥー地域 一部に反英感情を持つが穏健。

イスラーム自治評議会(IAC) イスラム共同体代表 西部自治州 英印宥和を優先し、独立

志向は弱い。

労働連盟(LP) 社会民主主義 工業都市 英国労働党系。労使協調的。

1970〜80年代を通じて、国民会議が政権を維持。

欧米・日本・蝦夷の資本と協調しつつ、社会主義的要素を限定導入する「英連邦調和モデ

ル」が確立されている。

---

■ 経済:南アジアの成長拠点

◉ 経済体制

• 混合経済(国営基幹産業+自由貿易経済区)

• 通貨:インド・スターリング(英ポンドと連動した固定相場)

• 経済成長率:年平均5.8〜6.2%(1975〜1985年)

◉ 主要産業

• 重工業:ムンバイ・チェンナイ(造船・自動車・機械)

• 電子産業:バンガロール(蝦夷・日本系企業が集積)

• 繊維・化学:カルカッタ・ダッカ

• エネルギー:ラホール・カラチ(石油精製・原子力)

• 情報通信:デリー・プネー(英米企業が拠点化)

1980年代のインドは「南アジアの工業走廊(Corridor)」と呼ばれ、

英米の金融支援、日本・蝦夷の技術投資によって、アジア第三の工業国に成長した。

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■ 軍事・安全保障

◉ 基本体制

• 防衛政策は英米主導の「インド洋連合防衛条約(IODA)」に基づく。

• 兵力:約80万人(陸軍50万、海軍15万、空軍15万)。

• 指導体系:兵部総局はロンドン・ワシントン・東京・デリーの統合指令を受ける。

◉ 主な基地

地点 機能 管理国

トリンコマリー(スリランカ) 英印連合海軍司令部 英・印

ムンバイ 主力艦隊拠点 印

コーチン 潜水艦基地 日・蝦

ディエゴガルシア 米印共同通信基地 米

カルカッタ 防空司令部 印・日

インド空軍は日本製戦闘機「紫電改II」の改良型を使用。

原子力潜水艦「ヴィクラント級」などを保有し、インド洋での覇権を確立している。

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■ 外交

• 立場:英米日蝦連合陣営の西端国家。

• 友好国:日本・蝦夷・タイ・マレーシア・オーストラリア。

• 非友好国:ドイツ・イタリア・トルコ(枢軸圏)。

• 中立的関係:アラブ連邦諸国。

外交方針は「太平洋=インド洋一体戦略」。

連合国による環インド洋経済圏(EIO)では中心的役割を果たし、アフリカ東岸諸国への

援助・インフラ輸出を推進。

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■ 社会と文化

• 公用語:英語・ヒンディー語(併用)。

• 識字率:78%(史実より20年進展)。

• 教育:英国式高等教育制度が維持され、デリー大学・マドラス工科大学は国際的評価が

高い。

• 宗教:ヒンドゥー60%、イスラム25%、キリスト教10%、その他5%。

• 宗教紛争は警察力・自治制度により抑え込まれている。

◉ 文化の特徴

• インド映画ボリウッドは英語圏向けに国際市場化。

• 日本・蝦夷のアニメ文化が都市部で広まり、アジア文化交流の拠点となる。

• ムンバイやチェンナイではヒンドゥー神話を題材とした英語・日本語合作映画が制作さ

れている。

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■ 地域構成と特徴(1980年代)

地域 首府 特徴

北部州デリー・ウッタル デリー 行政・政治中心。人口密集地。

西部州マハーラーシュトラ ムンバイ 工業中心地。港湾都市。

南部州タミル・ドラヴィダ チェンナイ 技術産業・高等教育が発展。

東部州ベンガル コルカタ 化学・鉄鋼・繊維。

イスラーム自治州(旧パキスタン) ラホール エネルギー・貿易・警備重点地域。

ベンガル自治州(旧バングラデシュ) ダッカ 農業・繊維生産拠点。蝦夷資本が進出。

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■ 文化・社会の安定と課題

◎ 安定要因

• 英連邦の保護と連合国の経済支援。

• 宗教自治制度による宗派融和。

• 中間層の急増。

◎ 問題点

• 都市と農村の格差。

• イスラーム自治州での独立派の地下活動。

• ドラヴィダ系南部の文化的自治要求。

ただし、連合国主導の治安協定により、大規模な内戦には発展していない。

1980年代後半には、「連邦の恒久化」をめぐる議論が進み、インドは名実ともに**英連邦

内の“準独立王国”**として位置づけられていく。

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■ 国際的位置づけ

指標 数値・評価

人口 約7億人

GDP 世界第6位(連合国内では第4位)

軍事力 インド洋地域最大級

国際機構参加 連合国・EAO・EIO(環インド洋経済機構)

評価 「自由陣営の南の柱」「太平洋と欧州の結節点」

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■ 総括

1980年代のインド連邦は、

• 英米日蝦主導の国際秩序の中で経済的安定と民主主義を両立し、

• 宗教分裂を回避した「連邦自治体制」で南アジアを一つにまとめ、

• 太平洋連合とアフリカ・中東を結ぶ「文明の橋頭堡」として機能している。

史実の「非同盟・貧困国家」ではなく、

この世界のインドは「西側自由圏の中核国家」「インド洋の守護者」として確固たる地

位を築いているのです。

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