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北の暁  作者: circlebridge
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1980年代の朝鮮半島 ― 忘れられた緩衝国家

1. 概況

• 1940年代の第二次世界大戦終結後、

英米日蝦が満州・遼東・中華南部の復興と開発に集中した結果、

朝鮮半島は復興支援も外資流入もほとんど受けずに放置された。

• 一応、名目上の国家「大韓民国」が存在するが、

国際的には孤立しており、冷戦構造の中でも“どちらの陣営にも重要視されない”状態。

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2. 政治体制 ― 連続する軍事独裁

時期 体制 特徴

1950〜60年代 李承晩政権 米英の形式的支援のもとで反共を掲げるが、腐敗と弾圧で内政

崩壊。暴動多発。

1961〜1979 朴正煕体制 軍事クーデターで政権掌握。形式上は開発独裁だが、経済基盤が

脆弱で外資流入せず。重工業化を試みるも資金不足で失敗。治安維持に暴力装置を集中。

1979〜1987 全斗煥体制 非常戒厳体制下で民主化運動を徹底弾圧。国家安全企画部(安企

部)による監視社会化。失業・貧困・密輸が蔓延。

• 選挙は形式的に実施されるが、立候補者は軍・与党(国民革新党)の指名制。

• 言論・集会の自由は皆無で、国家保安法により反体制活動は即逮捕。

• 英米は人権問題を理由に援助を縮小、日本・蝦夷も距離を置く。

---

3. 経済 ― アジアの最貧国

• 1950年代の戦後混乱から脱せず、産業基盤の復興が遅れる。

• 外貨不足と汚職により、国際通貨基金(IMF)にも加盟できず。

• 鉄鋼・造船などの重工業は日本・蝦夷・満州に奪われ、競争力を失う。

• 主な輸出品は安価な繊維製品と労働力(出稼ぎ)。

指標(1985年頃) 朝鮮 日本 蝦夷 満州

一人当たりGDP(USD換算) 約1,200 約22,000 約19,000 約9,000

電化率 42% 99% 98% 85%

輸出総額(対GDP比) 9% 41% 37% 33%

識字率 約75% 99.8% 99.5% 94%

• 結果として、「東アジアの黒い穴」 と呼ばれるまでに衰退。

• インテリ層・技術者は日本や満州に亡命、

一般労働者は密航・不法就労で日本や蝦夷に流入。

• この亡命・密航は1980年代に年間20〜30万人規模に達し、蝦夷北岸では社会問題化。

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4. 社会 ― 管理国家と疲弊した民衆

• 社会全体が「軍政・秘密警察・宗教団体」で構成された統制国家。

• 教育は反共思想一色で、海外文化の流入は禁止。

• 食糧不足が深刻で、地方では闇市と物々交換が主流。

• 都市部では英語・日本語を話せる若者が非合法に通訳稼業を行い、外国人相手の地下経

済が成立。

「夜明け前にソウルの市場に出れば、軍靴の音と飢えた子の泣き声しか聞こえぬ」

(蝦夷新聞記者、1984年)

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5. 外交 ― 完全孤立

• 国連加盟は棚上げ状態。英米日蝦は形式的に大使館を置くのみ。

• ソ連崩壊後の旧ソ勢力からは支援もなく、

「東アジアの中立緩衝地帯」という名目で実質的孤立国として扱われる。

• 1982年、李範奭外相が「新中立外交」を提唱するが、英米は冷笑。

• 一部の第三世界諸国エジプト・パキスタンなどと交易を試みるも成果なし。

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6. 軍事 ― 対連合国ではなく「国内統制」目的

• 軍の規模は大きい(約60万人)ものの、装備は旧式。

• 戦車・航空機の多くは第二次大戦期の改修型。

• 対外戦争能力はほぼなく、実質的には国内鎮圧と反乱防止のための治安軍。

• 軍事予算は国家歳出の45%を占める。

• 英米日蝦は、朝鮮の軍事拡張を抑制するため武器輸出を全面禁止。

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7. 地域秩序の中での位置

• 朝鮮は**「緩衝」「監視」「放置」**という三重の役割を与えられている。

• 連合国は直接統治しないが、衛星監視・情報収集・諜報活動は継続。

• 満州や遼東の港湾では「朝鮮難民対策室」が設置され、越境者を管理。

• 蝦夷は難民受け入れに慎重だが、文化的・人道的繋がりから限定的に受け入れ。

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8. 一方で……

• ソウル大学や平壌工科大学など、わずかなエリート層は残存し、

国家崩壊後を見越して「技術亡命」を模索。

• 一部の若手将校が1986年に「軍政改革案」を提出するが、全斗煥により鎮圧。

• 同年、蝦夷紙が「朝鮮崩壊の足音」という特集を組み、国際的に注目を集める。

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総括

1980年代の朝鮮は、英米日蝦が整えた東アジア秩序の“影”の部分であり、

緩衝として生かされ、再建は放棄された孤立国家である。

経済的には破綻寸前、政治的には全体主義、外交的には孤立。

連合国の安定と繁栄を支える“静かな犠牲圏”として存在しているのが実情です。

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