1980年代の蝦夷国 ― 北太平洋の盾と静寂 ―
Ⅰ.政治体制と国家の位置付け
• 政体は立憲巫女王制。象徴として義経の血を引く巫女王家が存続しており、現在の君主
は第32代巫女王ウラカ=義経女系第64世。
• 政府は議会制民主主義を採用し、二院制。行政は「北洋院(首相府)」が主導する。
• 与党は保守系の北方自由党、野党に社会協調党・環境連帯党など。政治は安定してお
り、汚職は少ない。
• 憲法上、蝦夷は**「北太平洋の平和と独立を守る中立防衛国家」**を名乗るが、実際に
は完全に英米日側の連合国ブロックに属する。
• 外交・防衛・情報の三分野は日本・米国と統合的な政策協調が行われている。
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Ⅱ.外交
• 蝦夷は「北太平洋防衛条約機構(NPDO)」の創設国であり、日本・米国・カナダと共
に北太平洋圏の安全保障を担う。
• ソ連崩壊後の極東ロシア地域は無人地帯に近く、蝦夷が警戒監視を継続している。
• ドイツ帝国および枢軸ブロック諸国(イタリア、ハンガリー
、ヴィシーフランスなど)
とは公式な外交関係を持たない。
• ただし、北極海航路や資源協定において、第三国を通じた限定的経済接触が存在する。
• 外交姿勢は一貫して「調和的実利主義」であり、国際紛争には直接介入せず、情報・監
視・補給面での支援に徹する。
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Ⅲ.軍事
• 軍は**蝦夷防衛軍(Ezo Defense Forces, EDF)**として統合組織化されている。
• 総兵力約15万人、うち半数が予備役。
• 陸・海・空のほか、「極地技術局(Polar Operations Bureau)」が存在。
• 主要任務は、
• 北太平洋・ベーリング海・千島・樺太の監視、
• 北極圏通信・衛星基地防衛、
• NPDO合同演習での防空・電子戦支援。
• 軍の特徴は極寒地での機動力と電子戦能力の高さ。
• 主力兵器は自国開発の多用途雪上車「オホーツク級」、対潜哨戒機「トカチ」など。
• 海軍は潜水艦・砕氷艦・哨戒艇中心で、純粋な攻撃艦はほとんど保有しない。
• 1980年代半ば、「北極圏共同防衛網」が整備され、
日本・蝦夷・アラスカ間のレーダー網が完成した。
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Ⅳ.経済
• 通貨はシペ(₴S)。ドル・円とほぼ固定相場で運用される安定通貨。
• 1970年代以降、エネルギーと科学技術で急成長。1980年代には北欧諸国+カナダに匹敵
する中規模先進国へ。
分野 主な内容
資源 天然ガス、地熱、水素、レアメタル。北方資源輸出が主軸。
産業 寒冷工学、海洋開発、極地建築、ロボティクス、通信機器。
農漁業 世界最大級のサケ・タラ漁業。海洋養殖も発展。
科学 極地研究・地磁気・環境科学で世界的権威。
金融 エゾロク金融圏。北極資本市場として国際的地位を確立。
• エネルギー輸出による黒字国家で、失業率2%未満、教育・医療無償。
• 一人当たりGDPは日本と並び、購買力換算では世界上位10位前後。
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Ⅴ.社会
• 人口は約1800万人。うち北海道本島に900万、樺太に350万、カムチャッカ南部に100
万、千島・アリューシャンに50万ほど。
• 都市化率80%以上。主要都市は首都エゾロク(旧函館)、ハルサ(樺太西岸)、トカチ
(工業都市)。
• 教育水準が極めて高く、理数系・語学教育が充実。
• 少数民族(アイヌ系・ニヴフ系・ロシア系など)の文化的自治が保障されている。
• 国民性は慎重・勤勉・沈黙を尊ぶが、共同体意識が強く、内政は安定。
• 貧困層はほとんど存在しない。
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Ⅵ.文化
• 文化的基層は「義経神話」と「カムイ信仰」の融合。
• 巫女王制が象徴的に存続し、国家儀礼や季節祭で巫女が祈祷を行う。
• 映画・音楽・文学は自然主義と哲学的内省を特徴とする。
• 代表作:映画『オホーツクの祈り』(1982年)、詩集『氷原に立つ声』(1985年)。
• 蝦夷語(アイヌ語を基礎にした人工言語)教育も進み、英語・日本語とともに三言語主
義。
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Ⅶ.国際的地位
• 北太平洋防衛条約機構(NPDO)の北端国家として、連合国の情報・早期警戒の中枢。
• 英米日との三国会談ではしばしば調整役を務める。
• 軍事力よりも科学・環境・情報技術による国際貢献が主。
• 「世界のセンサー国家」と呼ばれる。
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Ⅷ.まとめ:1980年代の蝦夷国
項目 内容
政体 立憲巫女王制・議会民主主義
人口 約1,800万人
経済 資源・科学技術立国(GDP世界上位15位)
軍事 北太平洋防衛条約(NPDO)加盟、防衛・監視中心
外交 英米日と緊密協力、枢軸国と断交
社会 教育・医療充実、高福祉国家
文化 義経伝承と北方信仰に根ざした静寂と調和の文明
役割 北太平洋の安全保障・環境監視の要
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蝦夷は1980年代において、
「軍事的には最前線、文化的には最も静謐な国」
という二重の顔を持つ成熟国家として確立しています。




