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北の暁  作者: circlebridge
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「中華人民共和国(北)」と「朝鮮民主主義人民共和国(北)」の成立(1942~1943 年)

I. 総論 ― 「赤い解放戦」の二段階構造

• ソ連は「極東の帝国主義支配からの解放」を名目に、満州・華北・朝鮮の占領を進め

る。

• 占領初期は軍政による統治、その後「民族的自決」の名目で傀儡政権を樹立する。

• その結果、1943年までに東アジアには二つの「ソ連型人民共和国」が誕生。

---

II. 第一段階:軍政支配の確立(1941年6月〜1942年半ば)

◼ 1. 軍事的制圧

1941年6月22日:ソ連が英米・蝦・日に宣戦(史実のバルバロッサ作戦開始と同日)。

赤軍が極東全戦線で一斉進撃。

• 満州・華北ではジューコフ麾下の機甲軍団が短期間で主要都市(長春・ハルビン・北

京・天津)を制圧。

• 朝鮮北部では第2極東方面軍が鴨緑江を突破、平壌・元山・咸興を占領。

• ソウルを包囲後、英米軍政が撤退し、連合軍は釜山へ後退。

戦果:

わずか3ヶ月で、ソ連は旧満州国・華北・朝鮮の北4分の3を掌握。

満州・北京・平壌・咸鏡は「赤い星の下」に入る。

---

◼ 2. 軍政体制の確立

占領地は三つの軍政区に区分される。

軍政区 首都 指揮官 主な任務

満州=「東亜方面軍管区」 長春 ワシーリエフ上級大将 資源掌握・鉄道統制

華北軍政区 北京 クズネツォフ中将 治安・行政再編

朝鮮北部軍政区 平壌 チスチャコフ少将 治安・住民登録・政治教育

軍政の特徴

• 治安と粛清:英米協力者・官僚・資本家の大量逮捕。

• 再分配政策:土地・工場・鉱山の国有化、農民への分配。

• 宣伝活動:「帝国主義からの解放」「労働者の祖国」のスローガンが広まる。

• 教育・文化統制:学校再開、ロシア語教育導入、英語・日本語の使用を禁止。

→ 初期混乱を経て、1942年半ばには占領地の秩序が回復。

住民は旧支配層への反感もあり、一定の支持を示す。

---

III. 第二段階:傀儡政権の創設(1942〜43年)

ソ連は、直接統治を長期化させず、民族的外見を持つ共産政権を樹立して国際的な正統性

を主張する方針を採る。

---

A. 中華人民共和国(北)の成立(1942〜43)

◼ 1. 準備

• ソ連軍政庁は北京・天津・済南を統合し「華北臨時政府」を設置。

• 延安にいた中国共産党(中共)指導部を招き入れるが、

毛沢東は実権を失い、スターリン派(王明・康生・陳雲ら)が中心となる。

• 旧満州国官僚・技術者も動員され、行政能力を確保。

◼ 2. 成立宣言

• 1942年12月25日、北京にて「中華人民共和国(北)」成立を宣言。

• 国家元首:毛沢東(名目上)

• 政務院議長:王明(実務)

• 軍事委員会主席:林彪(赤軍顧問団付き)

• ソ連顧問団長:ワシーリエフ大将

宣言文抜粋

「中華の大地に赤旗を立て、帝国主義者と封建の枷を断ち、

労働者と農民のための国家を建設す。」

◼ 3. 政策

• 土地改革:地主財産の没収と再分配。

• 重工業国有化:旧満州鉄鋼・機械産業をソ連企業管理下へ。

• 社会改革:女性解放・教育の義務化・反宗教運動。

• 治安:人民保安部が設置され、反ソ・民族派を弾圧。

→ 実質的には**「ソ連の東アジア衛星国家」**

ソ連軍の駐屯と鉄道・港湾支配は続く。

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B. 朝鮮民主主義人民共和国の成立(1943)

◼ 1. 背景

• 朝鮮北部は1941年末までに完全占領。

• 1942年、ソ連軍政が「朝鮮人民委員会」を設置し、

金日成を委員長に任命。

• 彼は抗英米闘士として宣伝され、民族的正統性を付与された。

◼ 2. 国家成立

• 1943年5月1日、平壌で「朝鮮民主主義人民共和国」建国を宣言。

• 首班:金日成(国家主席・人民軍総司令)

• 副首相:朴憲永(ソ連派)

• 外相:金枓奉(旧共産活動家)

• 軍事顧問:ニコライ・チスチャコフ少将

金日成演説(要約)

「我々は英米の鎖を断ち切り、真の独立を手にした。

赤旗の下に、労働者と農民の共和国を建設する。」

◼ 3. 政策と体制

• 土地改革・重税廃止・英米企業の国有化。

• 教育:ロシア語と朝鮮語を併用、英語は禁止。

• 軍:朝鮮人民軍創設(赤軍顧問付き)。

• 体制:朝鮮労働党(1943年結成)が唯一政党。

• 外交:中華人民共和国(北)と同盟条約を締結(1943年8月)。

→ **「中朝赤色連合」**の成立。以後、両国はソ連の太平洋方面戦略の前衛となる。

---

IV. 連合側の反応と戦線固定(1943年)

• 英米・蝦・日連合は、釜山・遼東を防衛線として保持。

• 国際社会(中立国含む)はソ連の「新国家樹立」を承認せず。

• しかし軍事的にはソ連が実効支配を確立し、

**「赤い中国」「赤い朝鮮」**が既成事実化する。

→ アジアは「北=ソ連勢力圏」「南=英米勢力圏」に完全分裂。

1943年末には東アジア冷戦の骨格がすでに成立している。

---

V. 地政学的評価(1943年末時点)

地域 支配勢力 政治体制 備考

満州・華北 ソ連/中華人民共和国(北) ソ連型共産国家 赤軍駐留、産業ソ連化

朝鮮北部 ソ連/朝鮮民主主義人民共和国 傀儡共産政権(金日成) 中朝同盟成立

朝鮮南部(釜山) 英米支配 軍政/臨時政府 連合軍拠点化

遼東半島 日本防衛線 軍事要塞化 ソ連の南下阻止

樺太南部 蝦夷領 連合艦隊補給拠点 北方防衛線

沿海州 ソ連 軍管区 太平洋艦隊の主力基地化

---

VI. ソ連の戦略的成果

1. 地上支配の拡大:満州〜朝鮮北部までを事実上の衛星地帯とし、太平洋進出の前線を

確保。

2. 傀儡国家の創出:中華人民共和国(北)と朝鮮民主主義人民共和国を樹立し、

「アジアの民族自決」を装う政治宣伝を成功させる。

3. 連合の分断:英米・日蝦連合を分断・後退させ、アジアにおける主導権を一時的に掌

握。

4. イデオロギー戦略:アジア諸国への「反帝国主義」の宣伝効果が波及し、

ベトナム・インドなどの独立運動にも影響。

---

VII. 長期的帰結への伏線

• 北の「赤いブロック」:ソ連・中華人民共和国(北)・朝鮮民主主義人民共和国。

• 南の「青いブロック」:英米・蝦・日本・中華民国(南)。

• この構図が後の**第一次東亜冷戦(1944~50年代)**へ発展する。

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