貴船町Cパート⑤
新作の長編作成に時間を使ってました。
一区切りついたので、更新を再開します。(不定期更新)
レイリンの家にて。
「うん、悪くない。われながら上出来かな」
魔方陣を手書きで描いたレイリンは自分を褒めた。
「蝋燭も6本用意してあるし、それじゃあ早速起動しておこうかしら」
レイリンは魔方陣の外側でかがみ込んで両手を魔方陣の縁に当てる。
目をとじて集中すると、レイリンと魔方陣は白く光った。
「よし、これでおっけーっと。それじゃあ次は蝋燭を――」
と立ち上がったその時、魔方陣は強く光った。
◇◇◇
「うわあああああああ」
「きゃああああ」
「ぬおおおおお」
「やっふうううう」
ドン。
人が降ってきた。
見ると、魔方陣の上には態勢を崩して絡み合った4人と、その横にはもう一人の私が立っていた。
「急に床が抜けて落下するようなこの感じ、何回やっても慣れないわね」
「戻ってこれたってことは、時戻しは上手くいったってことでいいんだよね?、私?」
「もちろん! とりあえずは上場だよ。これで、やっと準備が整ったからこれからは私たちのターンだよ」
「あいててて、いきなりなんなんやこれは……っておい待てえ! な、何でレイリンが二人もおるんや~!」
トイチは驚いた。
◇◇◇
「なんでレイリンが二人もいるんじゃ~? どっちが本物なんじゃ~!? あああ~くらくらしてきたんじゃ~!」
「落ち着いてルーリー。どっちも本物よ」
「どういうことなの?」
レイリンは尋ねてきたクモンに時計を見るよう促した。
「今は、朝の5時?」
「そう。私たちはみんな今朝の5時に戻ったの。この魔方陣で9時間後の未来から呼び戻される形でね」
「そうか、戻ったのか。へえそうなんだ。で理解出来るか! ちゃんと説明しろ! 俺たちはどうなったんだ!?」
「ゴロウも落ち着いて。今は時間が無いから詳しくはまた話すけど、時間を戻す魔法を私が使ったの」
「時の魔法? レイリンが? でも、勝手にそんなことをしても平気なの?」
「大丈夫よクモン。この日のために私は政府まで時魔法の創始者の認可を取りにいったの。複雑な手続きだったから何度も政府と往復するはめになったけどね」
「レイリン……お前はいったい何をしようとしてる……?」
「それは飛ぶ前にいったでしょ。私はこの町を救いたいの」
「ということはやっぱり貴船町は滅んじゃうの? 災いを私は見たの?」
「うん」
レイリンはもう一人のレイリンに答えた。
「ねえ、それはどんな感じ――いや、やっぱりいいや。9時間後から来た私がそういうのなら、9時間後になれば私も理解できるのよね。私はあなただから」
「それはノーコメント。といいたいとこだけど、自分に時戻しのルールを適用するのも今更だよね。それは私のいう通りだけど、この9時間とは別に私はさらに未来を見てるの。だから今の私たちの時間差は9時間どころの話じゃないよ。ちなみに、何があったのかはお楽しみにね」
未来のレイリンは今のレイリンにウインクする。
「そう。なら楽しみにしておくわね」
◇◇◇
「もう行くの?」
「うん。私たちにはやることがあるから。私は私の思うままにね。召喚してくれてありがとう、私」
未来から来たレイリンは一緒にきたゴロウたちと共にレイリンの家を後にした。
◇◇◇
「レイリン、これから私たちはどこに行くの?」
「まずは中央棟にいくわ。でも、その前にファッションチェンジでもしましょうか」
「ファッションチェンジ?」
レイリンは周りを見る。
朝5時過ぎの早朝ともあっていつも賑やかな街並みは静かだった。
ちらほらと仕入れをする人や一部のお店は仕込みのために明かりが灯っていた。
「こっちよ」
レイリンは手招きしてみんなは裏路地へと入った。
「これで人の目は大丈夫かな。さてと」
レイリンは背負っている大きな本を開き、その中から紺色のシーツをとりだした。
「じゃじゃーん! ここで問題です。これは別物シーツといって、被ると違う生き物になることができます。これを使って私は今から何をするのでしょーか!」
「なんや? 急にテンション変えてきてどうしたんや?」
「いいじゃん別に~。ほらトイチ! 答えて答えて!」
「被ると別の生き物になれるんやったら、被って使うんとちゃうんか?」
「正解でーーーす!」
レイリンはシーツを広げてトイチに被せた。
「うお!? 何すんねん!?」
トイチはシーツをとっぱらおうとするが出来なかった。
被さったシーツは紺色に光ると、トイチのシルエットはどんどんその形を小さくしていった。
縮小がおわると、シーツから1匹の猫が現れた。
「な、なんなんやこの身体はあ!?」
トイチは猫になっていた。
「か、可愛い……」
クモンはうっとりとする。
ルーリーとゴロウは笑っていた。
「いきなり何すんのじゃわれえ~! どーいうことか説明せえよボケえ!」
トイチはこの上なく怒ってはいたが、猫の姿に威圧感はなかった。
「か、可愛い……」
クモンはより一層うっとりとした。
◇◇◇
「要するに飛んでくる前の時間、つまり9時間後に別のわいらが魔方陣でいなくなるまでの間、この世界には自分が2人になるわけやから、その間身を隠すために別人になりきるっちゅうわけやな?」
「そういうこと。自分が2人になるって結構危険なことなのよ? 片方でも死んじゃうと死が確定しちゃう。死亡率は単純に2倍になるのよ」
「そないな危険なことに事前通知もなく巻き込むなや」
「まあまあ! これも町を守るためなんだからね~よしよし~」
「よしよしすんなやボケえ~! ……でも、なんや、よしよしは、なんや悪くない気分や」
「ねえ、私もよしよししてもいい?」
いいよ、とレイリンは答える。
勝手によしよしすんなや! と、普段ならいいそうなトイチは何もいわずに、クモンのよしよしを素直に受け入れた。
「死が確定する……ん~ぷしゅー。……うん、俺にはよくわかんねえや!」
「ルーリー。それはニコニコしていうことじゃないぞ」
「そうなのかゴロウ?」
「ああ」
「ゴロウは意味わかったのか?」
「安心しろ。俺もわからない側だ」
「そうだよな~! 難しいもんな~!」
ルーリーは頭を組んで笑った。
◇◇◇
それからも、レイリンはいろいろと話をしてくれたが、誰一人として、理解できる者はいなかった。
「わからないことはおいおい説明するわ。というわけで、あなた達もこれで変身してね~」
◇◇◇
「さて、これでみんな変装出来たね? それじゃあ中央棟に行くわよ」
赤い忍びの恰好をしたレイリンは、フラフープ程の大きさがあるチャクラムを背負いながら歩き始めた。
「ちょっと待て」
ゴロウはレイリンの肩を掴む。
「何よ?」
「レイリン、俺とルーリーは一応は人になれたから問題はないけど、クモンとトイチがハトと猫のままだ。これでどうやってやつらの時間を稼ぐっていうんだよ?」
「も~ダメだよ、ダイゴロウ。変装中はちゃんと偽名を使ってくれなきゃ。ダイゴロウとジョンのターゲットは居場所がもうわかってるから人にはしたけど、ベネッセとチートイのターゲットはまだどこにいるのかわかってないの。人探しをするときは馴染みのある動物て相場が決まってるのよ」
「ターゲットを見つけたら人に戻してくれるってことでいいのね?」
「もちろん! そのつもりだよ!」
「そりゃそうやろ。わいの猫パンチで誰が沈むねん」
猫のトイチ、もといチートイは前足をしゅっしゅと動かした。
「もう質問はないね?」
「大丈夫だよ、輪」
「よし。あ! それから、ターゲットの写真はそれだけだから、最後まで無くさないで持っててね」
3人と1匹と1羽はメインストリートに出た。
◇◇◇
新作
転生失敗。入れ替わった僕と彼女とうっかり屋さんの運命のいろは。
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今後ともよろしくお願いします!
※使える魔法の方は、設定も展開も大筋も大体できてます。
次と次の次のパートでおおよその裏側が見えるようになるので、一気に楽しめると思います。
お楽しみに(๑╹◡╹๑)




