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使える魔法はセーブとロードとリセットです。  作者: ちさめす
小説世界 貴船町編
42/45

貴船町Cパート②

レイリン探しの続き。


ゴロウ(強面系)

クモン(女の子)

トイチ(関西弁)

ルーリー(東北弁)

ゴロウ、クモン、トイチ、ルーリーはメインストリートを西に向かっていた。


「パニックで人があふれかえっとるわ!レイリンが貴船町ここにいるにしても見つけるのは至難の業やで!?おとなしゅう家におってくれや~レイリン~!」


「有事の際は中央棟が避難所になる関係で、この先規制や行列でまともに動けないと思うわ」


「ならあそこの路地から南に抜けるぞ!」


「ちょ、ちょっと待つんじゃ~!」


4人は路地に入った。


「はあ、はあ・・・!ちょっと、ちょっと休憩!俺はもう走れんのじゃ!はあ!はあ!」


「え!?ちょっとルーリー大丈夫!?」


「嘘やろ!?走ってまだ10分やで!?」


「そんなこと言ったって俺は疲れたんじゃ!なあクモン・・・歩いて行かんか?俺はもう足がパンパンなんじゃよ」


「歩くって、あなたアカデミーの基礎訓練はちゃんとやってるのよね?」


「ちゃんとはやってないんじゃ」


「あら・・・」


「おいおいルーリー!いつからそんなヘボヘボになったんや!?緊急事態やっちゅうとんのに!ほんまにお前は町民の盾となるアカデミー生の自覚は持ってんのかいな!?」


「んなもんねえよ~!俺はただ・・・」


「ルーリー!弱音を吐くんじゃねえ!男にはな、一度受けた約束事は死んでも守り通さなきゃならねえ時があんだよ。そしてそれは今だ!」


「分かってるよゴロウ~!でも足がパンパンなんじゃよ~!」


「いいや分かってない!ルーリー!お前は大事なことを忘れてる」


「な、なんじゃ?」


「お前は男だ!」


「そんなこと言われなくても分かってるんじゃよ~!」


「クモン!トイチ!分かってねえこのノロマはここに置いて行くぞ!A組はやっぱりすごいってところをこいつに見せつけてやろうぜ!評価にも繋がるしな!」


「おっしゃ!その話乗ったでゴロウ!」


「もう!2人とも落ち着いて!イエカゼ先生はレイリンをアカデミーまで連れ戻す指示をルーリーに出したのよ!?それを守らせないでどうするの!」


「そんなこと決まってる!俺がレイリンを運ぶさ!評価2倍だー!」


「全くもう!ゴロウも男でしょ!男なら勝手にイエカゼ先生の指示を曲げないの!男は約束事を守るんでしょ?だったら先生の指示も守りなさい!」


「くっ!ああ言えばこう言う。なんで女ってやつはこう融通が利かないんだ」


「なんですってー!」


「やんのかこらー!」


「ちょいちょい待ちーて2人とも!これじゃA組の良いところやのうて悪いところを見せてもうてるから!ここは俺がルーリーを背負うわ!これでええやろ?解決や!」


「トイチ~!お前ってええやつなんじゃな~!」


「はあ。先が思いやられるで」


◇◇◇


「それにしてもじゃな~なんでイエカゼ先生はレイリンを探すんじゃ?」


「この状況を良くする為にレイリンの魔法が必要って言ってたね」


「よー考えたらレイリンの魔法わいは見たことないんやけどどんな魔法なんや?」


「私も見たことないね」


「しょっちゅう授業サボってた記憶しかあらへんわ。なんであんなやつが特別扱いなのか理解出来へん」


「全くだトイチ!思い出しただけでもすっげえ腹が立つ!」


ゴロウが側の壁を腹いせに殴ると、壁はミシっと音を立ててヒビが入った。


「おいおい!人様の家に八つ当たりはマズいんちゃうの!?」


「ふん!こんなもん魔物のせいにしとけばいいんだよ!」


「私は知ーらない」


「ひええ!なんでゴロウは急に怒ったんじゃ?カルシウム不足か?」


「なんでやねん。・・・でもまあゴロウの気持ちはわからんでもない。C組からは定員があるさかい、上が卒業や辞退でどいてくれんとD組の研修生はまともな魔法も教えてもらえん。卒業試験に臨む意思のないレイリンのせいで、D組で常に成績1位だったゴロウは半年も足踏みさせられとったもんな」


「そんな事情があったの全然気付かなかったわ。・・・じゃあ今のD組1位のルーリーも定員オーバーで上がれない?」


「え~!そんなのだめじゃ!俺も早くC組にあがりたいんじゃ~!」


「ちょ!ルーリー!ぶってんねんから暴れるなやこら!・・・あっ!」


トイチはルーリーの揺さぶりでバランスを崩して倒れた。


「おい!なにすんねん!」


寝転がったままのルーリーにトイチはキレたが、ルーリーはトイチを無視して寝たままの姿勢で考え込む。


「なあゴロウ。どうやったら俺もC組に上がれるじゃろうか?」


「なあに簡単なことさ。レイリンをぶっ倒せばいいんだよ!」


「ちょっとゴロウ!それは頂けないよ!少しは落ち着きなさい!」


「ふんだ!べろべろばー!・・・卒業に向けて努力しないやつにアカデミーに残る資格はねえよ」


「ゴロウ・・・」


「まあクモンの気持ちは分からんでもないけど、正直ワイもゴロウ派や。今は状況が状況だけにレイリンは連れ戻すけど、いずれは追い出したいと思っとる」


「も~トイチまで!・・・2人ともこうなると止まらないんだから。もう好きにして」


クモンは頭を抱えた。


「それじゃ話がまとまったところでレイリンを連れ戻しに行こか。ルーリーははよ立てや!いつまで寝てんねん!」


「なあみんな・・・」


「どうしたのルーリー?」


「なんや?まだなんか物申したいんか?」


「お腹・・・空かんか?」


「ええからはよ立てこら!」


「ルーリーも自由人だった~」


クモンは再び頭を抱えた。


◇◇◇


4人は路地を抜けて中央棟の南側区画に出た。


「中央棟付近はまだ人でごった返してるね。このまま南の路地から行きましょ」


「だな」


「おいクモン、あのハットを被ってるのニマじゃないか?」


ゴロウは南を指さす。


「あらほんとだ!懐かしい~!」


クモンが走り寄ると、他のみんなもクモンに続いた。


「ニマ!こんなところでどうしたの?」


◇◇◇

ネクストパートisレイリン


(レイリンの口調と性格が決まってません。少し時間掛かると思います)

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