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使える魔法はセーブとロードとリセットです。  作者: ちさめす
小説世界 貴船町編
41/45

貴船町Cパート①

通常パートは主人公陣営の視点

BパートはWTウィークテイマー陣営の視点

Cパートはレイリン陣営の視点

◇◇◇


貴船町に魔物が出現した時刻にさかのぼる。


アカデミーにて。


校長室のドアが開く。


「大変ですマスナガ校長。町に魔物が現れました」


「なんと!?まずは状況を確認せねばなるまいて」


◇◇◇


「中央棟管制室からの報告では、町に出没した魔物は3体。それぞれ西棟と港内、そしてここからすぐ北の区画です」


「うむ。イエカゼ先生、生徒への連絡はどうじゃ?」


「棟内の生徒には通達済です。いつでも出せます」


「そうかそうか。ならば早速向かわせよ。自警団としての自負を持ち、この町のためれ」


「了解しました」


「さてと」


マスナガは立ち上がり、歩きながら肩のストレッチを始める。


「マスナガ校長?どうかされましたか?」


「なあに。わしもちょっとばかし運動しようと思ってな」


マスナガはそのまま校長室を出ようとする。


「ここから近い魔物は北の方角じゃったな。イエカゼ先生、留守を頼んだよ」


◇◇◇


東棟2階の教室にて。


「B組は中央棟へ、C組は西棟へ、D組は各自持ち場で町民の避難誘導をお願いします。繰り返しますがこれは訓練ではありません。なによりも人命を優先し、また自分も大切にして下さい。あなた達は未来を担うのです。必ず生きて戻って下さい」


「はい!」


「では解散です」


教室からアカデミー生達が出ていった。


◇◇◇


教室にはイエカゼと3人の生徒が残っている。


「A組のあなた達にはやってもらいたいことがあります」


「なんでもやりまっせ!イエカゼ先生!」


「レイリンを探して連れ戻してほしいのです」


「レイリンやて?レイリンのいる紅組あかぐみは昨日から白城町の野外学習やないの?」


「昨日から姿を消しているみたいですね」


「また消えたんかあのアマは!先生!あんなやつはいい加減退学扱いでいいでしょう!いつまでも特別扱いしてるとD組(した)はいつまでも上がって来れないんですよ!」


「まあまあ抑えてゴロウ。気持ちはすごーく分かったから今は抑えて。ね?」


「ぐぬうう・・・!」


「申し訳ないですゴロウ。クモンもお気遣いありがとうございます。レイリンの態様については私からもマスナガ校長に進言はしていますが、雇われの身ではこのアカデミーの方針に口を挟むことは出来ませんでした。申し訳ないです」


「先生もいろいろと大変なんやな。・・・それでイエカゼ先生、レイリンが白城町(むこう)で消えたんなら貴船町こっちにはおらんのとちゃうんか?」


「レイリンのアカデミーコアの使用履歴を調べたところ、9時間前に貴船町に居た形跡があります」


「9時間前やて!?」


「9時間前は・・・朝の5時過ぎだね。レイリンはそんな時間になにをしてたのかな?」


「理由も気になりますが詮索は後にしましょう。とにかく今は事の収束に関してレイリンの魔法が必要です。見つけ次第レイリンを連れ戻して下さい」


「わかりました!」


「でもよう、連れ戻せって言われてもレイリンがどこにいるのか見当もつかないぞ」


「レイリンが居なくなる時は大抵家に帰ってることが多い気がするの。白城町に戻ってないのなら家を当たってみましょうよ」


「ナイスやクモン!ほな一回家行ってみよか!」


「だな!」


◇◇◇


廊下を走る音が聞こえてすぐに教室のドアが勢いよく開く。


「すまん!二度寝してたら遅刻してもうたんじゃ~!」


「ルーリー!」


「おいおいこんな時でもお前は遅刻かルーリー?えらいゆっくりしとるの~」


「遅刻は誰でもするじゃろ!な~な~許してくれよ~」


「あかんあかん。許してほしかったらな、今すぐ持ち場に行けやルーリー。今は緊急事態なんや。もうみんな出発しとるぞ」


「緊急事態!?そうなのかトイチ!それじゃ俺も行ってくる!」


「待ちなさいルーリー!」


「ん?イエカゼ先生どうしたんじゃ?」


「ルーリーもA組について行きなさい。人手が多いとそれだけレイリンを見つけやすくなるでしょう」


「んん?俺は一体なにをするんじゃ?」


「一緒にレイリンを探すのよ」


「レイリンを見つけた後はルーリーがここまで連れ戻して下さい。A組のみなさんは町をパトロールして必要に応じ手を貸してあげて下さい」


「了解じゃよ!イエカゼ先生!」


「おう、任せろ!」


「了解しました!」


「よっしゃ!A組の本領発揮やで!」


ルーリー、ゴロウ、クモン、トイチは教室を後にする。


「みなさん頼みましたよ」


イエカゼは窓から外を見た。


町のところどころから煙が上がっている。


(レイリンが巻き込まれていなければ良いのですが・・・)


◇◇◇


同時刻。


白城町にあるアカデミーの別館にて。


「サモエド先生!やっぱりレイリンは部屋には帰ってきてないよ~!」


「そうか。それじゃあトウマは広場に戻って引き続きサンマと救難活動をしてくれ」


「了解で~す!」


トウマは走り去っていった。


サモエドは電話の前に立つ。


(レイリンが戻っていないことをイエカゼ先生に報告しておこう。・・・それにしても、荷物をそのままに一体レイリンはどこでなにをしているというのだ)


◇◇◇

しばらくCパートが続きます。

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