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使える魔法はセーブとロードとリセットです。  作者: ちさめす
小説世界 貴船町編
35/45

貴船町Bパート①

あけましておめでとうございます。



◇◇◇


少し前の東門区画にて。


「・・・それで見つかったの?」


「ああ」


「じゃあやっぱりこの町で間違いなさそうね。それでどうするの?本当にやるの?」


「当たり前だろ。アカデミーごと吹き飛ばしてやんよ」


幸太こうた・・・未練はないの?一応は生徒だったんでしょ?」


「その名前で呼ぶな」


「そうだったわね、ごめんごめん!・・・ミラー」


「言っておくが俺は生徒でもねえし未練もねえよ。やつを詮索するために入っただけだ」


「そう。余計なお節介だったわね」


「ふん。行くぞ。イエカゼは必ずこの手でぶっ殺す」


「待って!なにも殺すことはないじゃない!それに、この預言書通りなら、他の主役も来ているはずよ。事は慎重にしないと!」


「そんなの知らねえよ!俺はただ、元の世界に帰りたいだけなんだ。この世界がどうなろうが知ったこっちゃないね」


「・・・そうね。私達は元の世界に帰ることだけを考えるべきなのよね・・・」


「賭けは俺が勝ったんだ。いちいち預言書に習うことはやめて俺に従えよ、ヒナチ」


「その言い方・・・なんか鼻につくんですけど」


「知るか」


ミラーとヒナチは東棟に向けて歩み始めた。


◇◇◇


同刻。


鞍馬山くらまやまにある別荘にて。


漂流者ドラフターの2人が動いたぞ!」


「これで役者は揃ったのか?」


「いえ、まだ全員じゃないわ」


「そのドラフターってなに?」


「漂流してきた者。ディーエムが言うには他の世界の住人だってさ」


「他の世界の住人、ねえ」


扉が開き、人が入ってきた。


「ディーエム!今さっきドラフターが東棟に向かったぞ!それで俺達はどうするんだ?戦いに行くのか?」


「俺達は戦わない。・・・3人だけか。みんな手こずってるな」


「私は余裕だったよ?ほらディーエム!水の珠!ここに一番乗りだったから褒めてほしいな~!」


「おい!メール!一番乗りは俺だっつーの!二階で気持ちよく寝ていた俺をお前は起こしただろ!?」


「そんな設定あったかな~?でもタキシードがそう言うのなら合わせてあげるね~!」


「こ、こんのやろお~!」


「メール、タキシード、2人ともお疲れ様」


「メールめ、後で覚えてやがれ・・・。そうだディーエム、俺の知らないやつがここにいるけど、こいつは新人か?」


「ああ。道中に拾ってきたんだ。仲良くしてやれ」


「拾ってきたって僕は捨て子かよ・・・。なあおい、ディーエムに言われた通りホルマって子も回収したし、中央棟からあいつを逃す手引きもしたし、これで僕の役目は終了だよな?」


「そうだな、と言いたいとこだけど、リョーマには次の仕事がある」


「ああそうかい。ならそれは向こうで休憩した後で頼むよ」


「いや、ダメだ」


「なんでだよ!?」


解読士デコーダーが来てる」


「なっ!それまじ?」


「なんだよデコーダーって・・・説明してくれないと全然分からないんですけど」


「全容を知る必要はない。お前は目的のことだけを考えていろ」


「目的、ねえ・・・」


(その目的も分からないんですけど!・・・ったく、本の世界に来てからは変な集団に変な仕事をさせられてるだけじゃん。現実世界に戻ったらぜってー辞めてやる)


「ディーエム、どうするの?七日なぬかの珠を揃える前にデコーダーと出くわすとまずいんじゃないの?」


「ていうか、いっその事デコーダーをっちまおうぜ?」


「デコーダーはまだ特定出来ていない」


「おいおいまじかよ・・・じゃあどうすんだよ?せっかく俺が奪った土の珠も無意味になっちまうのか?俺はだぜそんなのはよお」


「デコーダーの登場は予定外だ。作戦を変更する必要があるな。リョーマにはもう一度憑依してデコーダーの情報を集めてもらう」


「だからデコーダーってなんなんだよ一体・・・」


「解読する者。この世界の結末を知る者だ」


◇◇◇


「結末?」


「そうだ。リョーマ、お前は現実世界から来た人間だ。だから理解出来るだろう?本は既に書き上げられてる。この世界の結末は確定してるんだ」


「あなたも別の世界から来たくちなのね!あ~早く見てみたいな~そんな世界~」


「結末が確定してるとなにか不都合があるのか?僕の目的もディーエムの目的も結末を迎える事なんだろ?変動しない結末だと分かっただけで向かう方向変わらなくてラッキーとかじゃないの?」


「そんな楽観的な話じゃない。・・・リョーマはRPGアールピージーのゲームをやったことがあるか?」


「あるよ」


「プレイヤーがどんな行動にでようと、最終ボスを倒してエンディングを迎えることにかわりはない。だがもしも、その最終ボスがゲームバランスを壊す程の存在になれば、お前はボスを倒せるか?」


「それは・・・やってみないと分からない」


「ふっ、やらなくても分かるさ。・・・メール、水の珠を」


「ほいよ」


ディーエムは水の珠を受け取る。


そして意識を集中すると、水の珠は輝きを放った。


「水の珠は水を支配する。人体の60%は水分で出来ている。これでお前は動くことが出来ない」


「なっ!くっ!」


「たったこれだけ。この丸い玉に意識を集中するだけでゲームセットだ。このまま身体の水分を吸収すれば、お前は息絶える」


ディーエムが集中を切ると水の珠は輝きを失った。


「タキシード、土の珠も預かっておこう」


タキシードが放り投げた珠をディーエムは受け止めた。


「リョーマ、これも試すか?」


「だ、大丈夫・・・言いたいことは分かったよ・・・」


「デコーダーがその気になれば、いつでも俺達は殺される立場にあるんだ」


「で、でも僕達がデコーダーを知らないように向こうも僕達を知らないんでしょ?」


「素性はバレてる」


「バレてるの!?」


「そりゃ大々的に七日の珠を略奪してるもん。バレない方が不思議よね」


「なるほど・・・で、でも敵対はしてないんだよな?」


「さあ、どうだろう。今のところ攻撃を受けたことはないが、デコーダーの目的を知らない以上どこかのタイミングで敵対するかもしれないな」


「敵対したらどうする?」


「その為にも七日の珠は全て集める必要がある。リョーマ、お前にも協力してもらうぞ」


「は、はあ・・・」


「デコーダーは結末を知ってるからこそ取れる選択肢がある。対して俺達は結末を知らない。ルール外の手段を抜いても、立場は雲泥の差だ」


「あ、あの、今から降りるって選択はアリですか?」


◇◇◇


「今後はデコーダーとの駆け引きを考慮しなくてはいけない。それに伴い、ウィークテイマーを二分する」


「メンバーを分けるのか?相変わらずディーエムは面白いことを考えるな!」


「創設する組織名はT1(ティーワン)。メールを筆頭にタキシード、まわり、へスタイル、そしてリョーマの5人だ。残りは継続してWT(ウィークテイマー)に残る。任務完了までの間、T1に属する者は偽装者フェイカーと称し、表向きはWTと敵対してもらう。T1の目的は2つ。デコーダーの情報収集と政府介入だ。詳細は追って知らせる」


「偽装工作にしては手が込んでない?」


「不満か?」


「面白そうと思ってね!」


「そうか。・・・それとこれからはディーエムではなくウィスパーと名乗ることにする。メール、メンバーへの通達を頼む。タイミングはまた話す」


「了解だよん」


「なあディーエム・・・じゃなかったウィスパーよう、輪と廻を分けると文句言われねえか?」


「心配無用だ。義務を果たさない者に権利を主張する資格はない」


「火の珠を奪い返されちゃうなんて、廻もドジふんじゃったね~」


◇◇◇


「リョーマ、お前は憑依者ポゼッショナーとして正式にT1のメンバーになる。今後は仲間がお前をサポートする。その分お前もチームに還元しろ、いいな?」


「分かったよ」


「よし。メール、リョーマにも魔法を掛けてくれ」


「は~い。・・・【思考の共有(イメージディーラー)】!」


メールが白い光に包まれると、その光がリョーマに延びていき、やがてリョーマも白い光に包まれた。


「な、なにこれ!どうなったんだ!?」


「これでリンク完了だよ、ウィスパー」


「分かった。タキシードも魔法を頼む」


「おーけー。・・・【透き通った覗き穴(クラウドビューワー)】!」


タキシードは目をつむり、意識を集中すると、白く光った。


すると、まぶたの裏に景色が広がった。


「うわ!な、なにこれ?なんか目の前が2重に見えるんだけど!?」


「リョーマ、目をつむるのよ」


「目?つむったけど・・・すごい、景色が見える・・・」


「タキシードの魔法は覗き穴。それを私の魔法で共有してるのよ」


◇◇◇


中央棟の近くにて。


崩れた民家の中で、ナナミは落ちてきた天井に寄りかかっていた。


「シシド・・・校長先生・・・みんな・・・早く助けに来て・・・」


◇◇◇


「リョーマには彼女に憑依してもらう」


「ちょ!ちょっと待て!」


「なんだ?」


「いやいや女子はだめだろさすがに!」


「なぜダメなんだ?」


「いやいやモラルとかセンシティブな理由とかいろいろあるって!」


「わがままを言うな。命掛けの仕事なんだぞ」


「そうはいっても仕事の前に死ぬってそれは!社会的に!」


「ふむ。・・・タキシード。近くに他のアカデミー生はいないか?」


「他か?それじゃ視点を遠くしてみるか」


「・・・カメラがズームアウトしていく・・・便利な魔法だなほんと」


「いたぞ!中央棟に向かってる!」


「タキシード、ズームインだ」


「分かってるよ!」


カメラは走る一人の男を映し出していた。


「こいつは確か・・・」


「シシドって子だね。良かったじゃんリョーマ、男の子だよ」


「これならまあ、うん、いいよ」


「なら決まりだ。これから俺はリョーマを連れて町に入る。メールとタキシードはここを離れて町の近くで待機しろ」


「ここで待ってたらダメなの?」


「この別荘はもうじき吹き飛ぶ」


◇◇◇


「痕跡の方は任せた。ドラフターの観察も怠るなよ」


「分かってるよ」


「はいは~い。ウィスパー!リョーマ!いってらっしゃーい!」


メールとタキシードは2人を見送った。


「痕跡と言ってもなにを消せばいいんだ?消すもんなんてなにも無いだろ?」


「たしかにね~。とりあえず、私達も山降りよっか」


◇◇◇


「しっかしウィスパーも思い切ったよなあ!チームを分けちまうなんて初めてだよ」


「それぐらい周到にする理由があるのよきっと」


「どんな理由なんだろうな?気になるぜ」


「きっとウィスパーのことだから・・・っと、ちょっとまってタキシード」


「どうしたメール?頭をおさえて、頭痛か?」


「違うわよ。やっと連絡が来たの」


メールは白い光に包まれるも、すぐにその光は消えた。


「・・・やった!」


「なんて連絡だ?」


「うちもくんのバンが解除されたって!」

今後ともよろしくおねがいします

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