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使える魔法はセーブとロードとリセットです。  作者: ちさめす
現実世界 月乃編
1/45

潜在①

よろしくお願いします。

面白いと感じて下されば評価をお願いします。


「好きな人を教えてよ。言わないと殺しちゃうよ?」


「それはこっちが聞いてるんだって!そ、それよりも月乃つきの、そのナイフ、危ないから下ろしてよ」


「回答無しは即刺殺!ばいばい!」


「やめっ・・・ぐっ!」


「ちゃんと答えないからこうなるのよ。さーてと、雑巾持って来なきゃ」


月乃は死んだ僕を置き去りにして教室を出ていった。


◇◇◇


「・・・どうだった?ちゃんと聞けたか?」


「ダメだったよ。やっぱり深く潜るとそれだけ防衛本能が強く働いてる感じがする。すぐに攻撃されたよ」


「女の子はガードが固いんだよ。めげずにもう一度挑戦してみたらどうだ?」


「いや、ナイフで一突きだよ?もうあんな経験はしたくない」


「じゃあどうする?月乃はもう諦めるのか?辞めるんなら早く帰ろうぜ」


「んー。・・・竜馬りょうま、ついて来てくれよ」


「全くしょうがないな。せっかく危険を冒してまで二段階目に行くんだ。ちゃんと聞き出せよ?」


「ああ、分かったよ」


竜馬は僕の肩に手を置く。


僕は唾を飲み込み、恐る恐るベットで寝ている月乃の手の上に自分の手を重ねた。

そして、もう片方の手にある黒い栞に目を向ける。


「じゃあいくよ。ロード」


栞から3つの白い光が飛び出した。


(これとこれを掴んでっと)


「よし。【共有シェア】!【投影世界フロイト】!」


手の中で2つ光は紺色に輝いた。


◇◇◇


「・・・ここは学校か。で、悠介ゆうすけ、月乃は何処にいるんだ?」


「さっきは3組の教室にいたよ。多分今回もそこにいると思う」


「教室?おいおい悠介、それならせめてその教室か廊下にスタート地点を設定しなよ。そういうところがもう逃げ腰だって」


「違うんだよ竜馬。学校内はセキュリティのレベルが高すぎるんだ。一歩入るだけで防衛本能に見つかるから迂闊に入らない方がいい」


「入らない方がいいって、じゃあどうやって3階に行くんだ?・・・おい、まさか」


「うん。外から行く」


「いきなり介入するのはまずいだろ?バレたらどうするんだ?」


「どちらにせよいずれ見つかるよ。それなら短期決戦の方がスマートでしょ?」


◇◇◇


「なんでみんな置き勉してるのよ。机一つ運ぶのにこんなに苦労するなんて、ほんと掃除する人の身にもなってほしいわね。・・・ん?この影はなに?」


彼女は夕陽が差し込む窓に目を向ける。

このクラスの男子生徒、九条悠介くじょうゆうすけ水城竜馬みずきりょうまが窓の外から手を振っていた。


「ちょっと!危ないよそんなところで!一体なにをやってるのよ!?」


「いやあ参った参った~。罰ゲームでさ、屋上からバンジージャンプをしようとしたらまさかのロープが切れちゃって。いやあ危なかったよ。な、悠介?」


「う、うんそうだね。ほんと危なかった~」


「もう!なんでそんな危ない遊びをしてるのよ!怪我でもしたらどうするのよ!それに今はテスト期間でしょ・・・って、あれ?あんた達、午前中で帰ったわよね?なのにどうして学校にいるの?」


「いやあ、それはその・・・な。あれだよ、悠介が月乃に話しがあるって言うんで付いてきたんだよ」


「話?私に?悠介が?ねえ悠介、話ってなに?」


月乃が悠介に嬉しそうに尋ねた。


「えっ竜馬!?もうこっちに全振りしてくるの!?えっと、えっと~・・・」


「何故か良く分からないけど掴みはいい感じ?ほらっ!ぱっと言っちまえよ悠介!」


「な、なあ月乃。その、つ、月乃は、ど、ど、ど」


「おいおい。そりゃ空回りしすぎだろ」


「なに目を逸らしてんのよ!男ならもっとシャキッとしなさいよあんた!」


月乃は近くの机を蹴っ飛ばした。

僕と竜馬は驚く。


床が小刻みに揺れ始める。


「これは・・・地震が来てるぞ悠介!さっさと聞いた方がいい」


「分かった。・・・つ、月乃の」


「ねえ悠介。あんたはなんで今日の三時にこの教室で会う約束すっぽかしたの?」


「え?」


「えじゃないわよ!早く答えてよ悠介。私はね、この時間までずっとあんたのことを待ってたのよ?・・・何で来なかったの!?」


教室の時計を見ると十七時半を回っていた。


地震の揺れは強くなる。

窓が少し軋み、置かれた亀の水槽は波打っている。


「もう赤信号だ!早くしないとまた失敗するぞ!」


「つ、月乃!その、好きな人っているの!?」


地震の揺れが少し収まる。


「好きな人?そうね・・・じゃあ逆に聞くけど」


一歩、また一歩と月乃は悠介に近づく。


「悠介の好きな人を教えてよ。言わないと殺しちゃうよ?」


「それはこっちが聞いてるんだって!そ、それよりも月乃、そのナイフ、危ないから下ろしてよ」


「回答無しは即刺殺!ばいばい!」


「やめっ・・・ぐっ!」


竜馬は月乃の足元に向かって、近くの机を引っ張り倒した。


「きゃっ!」


「詮索は失敗だ悠介!早くこっから脱出しよう!」


先程よりも強い地震が起きている中、僕は竜馬の後を追う様に教室を出た。


ストーリーの改変に伴う追加分です。※11/18

面白いと感じて下されば評価を宜しくお願いします(☍﹏⁰)

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