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準備しすぎることはない、気候生存戦略の要

2070年2月

衆議院総選挙が行われ、野間拓哉(たくや)内閣総理大臣が誕生し、初の所信表明演説が行われた。


「我々は、地球温暖化にみまわれている。


この異常気象に対して、過去の政権はたくさんの対策をしてきた。


しかし、人口増加、経済成長による二酸化炭素の増加や、

科学技術の進歩が遅れたため、未だ、温度は上昇している。


これから、私たちは、温度を下げる努力をし続けながら、異常気象に耐える努力もしなければならない。


また、温度が氷点下以下になった場合の対処もしなければならない。


皆さんは、地球の温度が氷点下以下になることはないだろうと思われるかもしれない。


しかし、過去の文献を見ると隕石が降ってきて、地球が氷点下以下になって恐竜が絶滅しました。


私から一言、


準備しすぎることはない。


よって、気候生存戦略省を創設させていただきます」


所信表明演説が行われた後、記者から色々と質問が飛んだ。


 気候生存戦略省とは何か。


どうして、氷点下のことまで気にしないといけないのか。


そこまでして、予算があるのか。


 野間首相は気候に重点的に取り組むと、私の公約に載せていたと主張し、記者の質問に対して、丁寧に答えていった。


信は取れてると。


透はこの春、大学を卒業した。


環境省に行く予定だったが、急遽、気候生存戦略省に配置換えが行われた。


温暖化問題に関われるならいいかと考えていた。


だが、氷点下のことまで、今、する必要はあるのかと、

その時、野間首相の準備しすぎることはないの言葉を思い出した。


「仕方ない、やってやるか」


今まで、人生でたくさん準備をしてきた。


だから、ここまで来ることが出来たと透は思っている。


準備してこなくて、失敗した大人も知っている。準備しても、失敗した大人ももちろんいる。


でも、成功するために準備をするときめたのだから。


「松平さん、まず手始めに、食料備蓄とエネルギー資源保管をするわよ」


上司の上条千春(かみじょうちはる)が、指示を出した。


「だいたい、どのぐらいもてばいいのでしょうか」


上条はうーんと唸りながらしばらく考え込んだ。松平はその仕草にドキッとした。


「山平(やまひら)大臣にお伺いを立てて、決めるわ」


上条千春は40代で事務次官に抜擢された。




2070年5月


食料備蓄、


エネルギー資源保管、


高低温に耐えられる配管の設置、


電線の強化、


スーパー堤防の設置、


植物工場大増産


が気候生存戦略の要となった。


このうち、後半4つは松平が考えて、上条を通して、提案された。


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