あまぎ型特務護衛艦
性能諸元
基準排水量 10,900 t
満載排水量 14,000 t
全長 220.0 m
全幅 23.0m
主機 ディーゼルエンジン×2基
推進器 可変ピッチ・プロペラ×2軸
最大速力 24ノット
乗員 135名
兵装
155mm3連装榴弾砲 3基9門
76mm単装速射砲 4基(後日装備)
高性能20mm機関砲 2基
RWS 4基
FCS
FCS-■■ 2基
C4I
衛星通信装置
OYQ-■戦術情報処理装置
レーダー
OPS-■■ 対空捜索用×1基
OPS-■■ 対水上捜索用×1基
OPS-■■ 航海用×1基
電子戦・対抗手段
6連装デコイ発射機×4基
あまぎ型特務護衛艦は海上自衛隊の護衛艦である。本型は、ミサイルでは無く艦砲を主兵装としてる上、国外の要人を歓待する迎賓艦としての機能も持つ。
来歴
異世界で行われた海上での敵対勢力との武力衝突では、専ら護衛艦の艦砲射撃による攻撃が主だった。これは、敵対勢力が保有する戦力が低価格帯かつその規模が大きかったからだ。その事から、護衛艦一隻あたりのミサイル保有数が限られている上に、安くとも一発数億円以上の攻撃は忌避されたため。然し、ミサイルを中心にした現代の軍艦に置いて副武装と位置付けられている事から、頻繁に主砲を使用した事による想定を超えた砲身寿命の短命化問題や複数目標の接近時の主砲による迎撃漏れなどの問題が発生した。これらの問題解決の為に、しらね型護衛艦の復活や砲のみの護衛艦などの複数案が示された。その中から基本的には下記の3案が俎上に残った。
しらね型護衛艦・改修案 - しらね型護衛艦を元に、主砲の追加とVLS化を中心に改修した護衛艦の新規建造案。
阿賀野型軽巡洋艦・現代改修案 - 第二次世界大戦時に運用された阿賀野型軽巡洋艦を元に、電子機器の搭載やヘリコプター運用能力の付与された砲戦に特化した護衛艦案。
商船・モニター艦改造案 - 民間が保有している商船に陸上自衛隊の戦車や自走砲、多連装ロケットを搭載する事によって護衛艦として運用する案。
しらね型案は費用と建造期間から却下され、阿賀野型案は、前述のしらね型案の問題に合わせて汎用性が欠ける事から却下された。商船・モニター艦案は良案とされたが、システムや装備、速力、ダメージコントロールの視点から却下された。最終的には、とわだ型補給艦の船体に陸上自衛隊の155mm榴弾砲と多連装ロケットシステム(MLRS)、機関砲を多数搭載する事で決定した。
然し、外務省からの横槍よって白紙撤回された。
曰わく、『見かけだけで良いので一目で強いと分かる船にしてくれ』
これに当時の自衛隊は、決定していた計画を潰された事に憤慨しつつ頭を傾げた。ある関係者は、『反戦団体のクレームの引き受け先が出来た』と皮肉げに言ったそうだ。無論、外務省が戦争を肯定してる訳では無く、技術力の差によって生まれた不幸なすれ違いに起因する。それは軍事力や科学技術をどこで測るかであった。日本並みの技術を保有する世界ならばミサイルなどの見えない部分に重きを置く。だが、第二次世界大戦時までの世界では、技術的な常識から目に見える部分に使われているモノで測られる。そのズレに現場から上層部が気づくまでに使節団が幾度と無く危険に晒され、中には見せしめとして殺される事もあった。他にも、味方となった勢力に分かり易い安心感を与える為に派遣した護衛艦を見て、逆に不信や不安を煽る結果になった事も関係があった。そんなズレに気が付いた外務省は、職員の安全と業務の円滑化の為に幾つかの密約を防衛省と交わす事で解決を図った。
そんな煽りを受けて1から計画し直す事になったのだが、思いの外設計は進んだ。これは、外務省の要求に沿った事から本型を高価な戦闘艦では無く、低価格で後方支援を主にする船と割り切った為だ。その為、商船ベースに陸上自衛隊の榴弾砲を固定した戦艦の見た目をした客船擬きになった事から、最も高価な張り子の虎と称されながらも建造されたのが本型である。
設計
設計にあたっては、本型が相対した勢力に姿を見せる事で示威行為を行う事を考慮した事が、艦の寸法の決定要因の一つとなった。速力に関しては、護衛艦とともに行動する必要、味方の上陸時の砲撃支援、海上目標に対する砲撃等を考慮して、最大速力24ノットが必要と考えられた。
船体
本型の外観の特徴としては、米軍のアイオワ級に似せている事が挙げられる。船型は、アイオワ級を元に従来の護衛艦と同様の2層の全通甲板を有する乾舷の高い遮浪船型が踏襲された。尚、本型はステルスを考慮されていない。これは砲艦外交などの際に分かり易い威圧感やインパクトを与える為。
主船体および上部構造物はレーダーや電子機器の問題からアイオワ級を参考にしているが、迫力をより高める為に日本海軍艦艇を意識したデザインとなっている。ステルスを考慮していないものの、舷梯や搭載艇を主砲の影響から保護する為にスクリーンやブルーワークを設置している。
内部は要人を歓待する為、はしだて型や客船を参考にしている事から豪華である。内部が広い事から、人員輸送や簡易的な病院船、通信設備を設置して上陸指揮艦としても機能する。
機関
主機関はおおすみ型補給艦のものがおおむね踏襲され、主機関にディーゼルエンジンを採用している。推進器としては、可変ピッチ・プロペラ(CPP)を採用した。また出入港の支援が得られない港湾での接岸のため、バウスラスターを装備し、CPPと組み合わせてジョイスティックを操作することで接岸が容易となるよう、出入港支援装置が装備された。
装備
155mm榴弾砲を3門を1基とした3連装榴弾砲が3基搭載される。この榴弾砲は19式装輪自走155mm榴弾砲からの流用であり、99式自走榴弾砲の自動装填装置を改造して使用する事で予算を抑えた。尚、3連装砲と謳ってはいるが、実際は3つ並べた上に耐候カバーを被せただけのモノ。回転はするが、それ以外は榴弾砲と同じな事から、第二次世界大戦クラスの軍艦との海戦は以ての他。攻撃時は榴弾砲からの直接射撃か艦の射撃装置・FCS-■■で行われる。
対空・対水上戦
対空兵器としては、4基の76mm単装砲が使用されるが、予算削減の為に後日装備とされる。尚、その射撃指揮はFCS-■■によって行われる。その為高性能20mm機関砲2基で対空防御するが、戦時では単艦で運用する事無く、僚艦と共に活動する。
小型艇などの攻撃には国産RWSである「水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)」の12.7ミリ機関銃装備型を4基で対応する。