不死鳥計画の説明
不死鳥計画とは、異世界への転移後に発覚した防衛装備品の各種問題の解決をする計画である。
概要
自衛隊が運用する各種防衛装備品を代替する計画である。代替する防衛装備品は、自衛隊及び在日本駐留米国軍(以降、在日米軍と表示)が過去から現在までに保有していた各種装備品である。それを解析、再設計、再生産する事で取得コストを可能な限り抑えるものである。
経緯
異世界への転移後と戦後初の自衛戦闘で判明した対地攻撃や海上輸送、対空戦闘などの各種能力の低さ、そして各種装備品の運用及び調達費用などの多数の問題が露呈した。これらの問題には、転移前から幾度と指摘されていたモノも存在していたのだが、最大の問題はこの世界に置ける日本の立ち位置と技術力であった。
現状の日本の立場は新参者の集団であり、他国からは金の成る木で新たな植民地の対象でしかなかった。
そして、現状までに交戦した武装集団はこの世界特有のモノとされる『異能』(以降、『魔法』と呼称す)以外は最大でも南北戦争以前の技術力しか無く、現状で確認されている周辺国の技術力も中世ヨーロッパに近いモノしか保有していない事を確認されている。
自衛戦闘による日本側の死者はほとんど出なかったが、転移後の混乱もありながら行われた戦闘で大量に消費した装備品や隊員への危険手当てやPTSDなどの治療、補充調達や航空機の飛行可能時間の延長を中心に通常予算と臨時予算を使い果たしても全てを満たすには足りなかった。
この事から、今後も自衛戦闘を予想する防衛省と話を通された財務省、職員の危険度が何処よりも高くなった外務省を中心に日本はある事実を認識した。
『現代兵器での戦闘は割に合わない』
戦闘終結までの出撃で数億を掛けた戦闘機、目標に対して過多の能力を持つミサイルなどのデジタル兵器などは転移後の日本の予算を逼迫した。
そもそも自衛隊の仮想敵は中露の現代装備を保有する軍隊であり、現状では余りにも性能過多であり、第二次世界大戦時の技術力でも周辺国を圧倒可能であった。その為、急遽防衛力が必要になった日本は高性能兵器よりも安くて数が揃えられ扱いやすい旧式兵器を欲した。
然し、早急な防衛力の増強が必要となりつつも、同クラスの技術力を持つ敵対的国家が今後転移するかもしくはしている事に備えるざるを得ず、苦肉の策として自衛隊と在日米軍が過去から現在までに保有する兵器をグレードダウンによる低価格化や民生品の積極的採用、既存装備の改造、ライセンス料の撤廃などによる量産を決定した。
だが、予算や技術、戦略、戦術、人材などの問題から、長くて数十年掛かることが試算された。その為、3段階に分けて計画を実行する事が決定した。
第1段階 第二次世界大戦時から最終的には冷戦初期の国家との武力衝突の際に勝利する事が可能な装備(プロペラ機と安価な回転翼機、多数の艦砲を備えた護衛艦、安価な陸上装備etc.)
第2段階 冷戦中期から冷戦終結までの国家との武力衝突時に勝利可能な装備(第3~第4.5ジェット戦闘機と高性能回転翼機、ミサイルを主兵装とする護衛艦、高性能な陸上装備)
第3段階 デジタル戦争や非対称戦争に対応した装備(第5~6ジェット戦闘機と多用途回転翼機、ステルス護衛艦、無人装備、デジタルな陸上装備)
これに従って、防衛力を整備する事が決定された。