~生死の狭間~
目を覚ますと真っ白な世界にいたラスタール・ウィリア。
彼女は本当に死んでしまったのだろうか……。
すると、彼女に話しかける者が……。
此処は……何処だろう。真っ白な世界。先程まであった痛みが無かった。腹を見ると、切り裂かれていない。赤も垂れていなかった。どうやら此処は現実でもあの世でもない……生と死の境目らしい。
「私……どうなっているの……?」
ふっ……と映像が出た。
「!?」
そこには現実世界の私。そして、周りにはレヴィルと確かあいつは……キルス……。現実世界の私はボロボロだった。瀕死状態の様子。レヴィル達は私に呼び掛けていた。でも現実世界の私は反応がないどころか、ピクリとも動かなかった。キルスは少し泣きそうになっている。
「……皆……」
私はその映像に釘付けになった。
『戻りたければ、戻るといい』
「え……」
声が聞こえ、振り向く。しかし、誰もいない。
『我の姿はお主には見えぬ。我はお主の頭に直接話しておる』
声の主はどこか威厳のある感じだった。神か何かだろうか……。それより……まだ戻れるとは? 見てる感じ、私の傷はかなり酷く、出血も酷い。これじゃあ、助からないのではないか?
『お主はまだ生きておる。小さく安定した鼓動がお主から伝わってくるようじゃ…。じゃが……危険な状態のようじゃ。お主が思った通り、傷も深く、出血も多量のようじゃ…。このままだと、お主は失血死するな……。戻るにしても、早く戻らなければ、現実のお主が持たぬ……』
今、戻れば辛うじて助かると声の主は言う。私は現実世界の映像を見る。レヴィルは懸命に私の蘇生を試み、キルスは涙を流しながら私の腹の傷の手当をしている。そうだ……私はまだ死ぬ訳にはいかない……。まだやらなきゃいけないことがあるんだ……!!
「……戻ります。戻りたいです。皆のためにも……」
『うむ、それでこそ宇宙の守り神じゃ。ラスタール・ウィリア』
声の主は満足気に言った。すると、視界がより白くなり、再び意識が遠ざかり始まる。
「最後に聞きたい……!! 貴方は一体……」
『……我は初代守護者。第158代守護者ラスタール・ウィリアよ、平和を守られよ……――……』
その声を最後に、声は聞こえなくなり、意識も闇の中に落ちていった――……
引き続き、投稿が遅れる可能性大です。
気長に御待ち頂けると有難いです。
次でラストになると思います。