~孤独戦・死別戦・決意へ~
キルス・ガランの過去。キルスとアガノの関係を作るきっかけともなった……。
孤独に生きていたキルスにとって、アガノは救いの手であり、人生を大きく変えた恩人だった――……
そんなアガノを失った今――――……
僕は独りだ。そう、独り。明日も明後日も来週も一ヶ月後も一年後も……永遠に僕は独り。
「おい、友達になろうぜ!!」
何を言う? 僕に友達など……。僕は独りが好きなんだ。だから僕のことなんか放っといてくれ……。
「……お前、いつもこうして独りなのか……?」
関係無いでしょ……。君には。僕の事情なんて……何も分からない癖に。
「……お前の気持ち、分かるぜ……」
ふわっ……
「……!?」
僕は何されている!? 頭に優しい感触……。撫でられているのか!?
「……大丈夫だ。俺がお前の傍にいるからな!!」
そんなこと言われたの初めてだった。何だろう……この感じ。温かいような……心地いいような……。
「俺はアガノだ。アガノ・レギア。お前は何て言うんだ?」
そう言ってアガノ殿は僕に手を差し伸べた。……綺麗な手だった。
「……キルスです。キルス・ガランと申します」
久しぶりに名を名乗った気がする。今まで僕は人と関わるのを避けてきたから……。僕はアガノ殿の手を握り、立ち上がった。
「そうか、キルス。行こうか」
「え……? あの……アガノ殿……一体何処へ……?」
「宇宙……だよ。俺、宇宙で仕事やってんだよ」
「宇宙!? な……何言ってるんですか!? そんな事……ある訳……」
信じられないと思っていると、アガノ殿はニッと笑い
「それがあるんだよ。まぁ、行けば分かるさ。行くぜ、キルス」
そう言うと、アガノ殿は僕の手を引いてスタスタと歩く。
「わ……!! ちょっと待って下さいよ!!」
僕は慌てて、ついて行った。
これが僕とアガノ殿との出会い。そして、これがきっかけで、宇宙光戦軍隊という組織を知った。僕にとって、アガノ殿はかけがえのない存在だった。アガノ殿がいたから僕は頑張れた。戦えた。強くなれた。なのに…………。アガノ殿は死んでしまった。僕が残された。あぁ……また独りだ。前の僕と同じ……。もう独りは嫌だ。だから……
「アガノ殿……もう、大丈夫ですから……。貴方は独りじゃありません。僕がいます。僕がついてます。……僕は貴方がいないと生きていけません。……アガノ殿、ついていきますね……」
僕は転がっている敵の武器を奪い、それの刃先を僕の腹に向けた。そしてアガノ殿にいつもの表情を向けた。僕は目を閉じて覚悟を決めた。
「無事か……!? キルス、アガ……」
「!?」
後ろからの声にハッとした。振り返ると、そこにはレヴィル殿がいた。不意に温かい水が流れる。目から……温かい液体。レヴィル殿もアガノ殿の死を悲しんでいるようだ。
「……アガノ……」
「……アガノ殿は立派でした……。最期まで……。でも僕は……アガノ殿を守れなかった……!! 僕が……僕がああ……!!」
目から溢れ出る水は止まらなかった。アガノ殿のいない世界なんて……。
「……キルス……。お前の気持ちはよく分かる……。でもな……キルスは独りじゃない……。俺がいるぜ……。この……レヴィル・ギラスがな……!!」
「……!!」
レヴィル殿がアガノ殿と重なって――――……
『キルス。俺はこの宇宙光戦軍隊に入って……後悔してないぜ。だって此処でも仲間が出来たんだからな……。お前とこの宇宙光戦軍隊の一員として……いれたこと……嬉しく思うぜ』
そう、頭の中でアガノ殿が言った……気がした。
『生きるんだ、キルス。俺の後など追うな。生きて……そして宇宙を守るんだ!!』
「……あっ……!!」
アガノ殿は僕を抱き締める。……いや、アガノ殿ではなく、きっとレヴィル殿だ。レヴィル殿はアガノ殿に似ているのかもしれない。外見は違うはずなのに、今のレヴィル殿はアガノ殿に見えてしまう。
『俺はいなくなったんじゃない。遠くに行っただけだ。それに、俺はお前の傍にいるぜ。……心にな』
そうか……。僕は独りなんかじゃないんだ……。アガノ殿にレヴィル殿……ほら、こんなにも僕の傍にいてくれる人がいる……。心が温かくなる。そしてふと、現実に帰ってみる。そうだ……戦いはまだ……終わってない……!!
「……レヴィル殿!! 早く向かわないと……!! ラスタール殿が危ない……!!」
やっと僕は分かった。皆がいる……。だから僕は……皆のために戦うと……決めたんだ……!! アガノ殿……きっと見てくれますよね……。僕は……貴方の分まで……戦ってみせます……!!
引き続き、投稿が遅れる可能性大です。
気長に御待ち頂けると有難いです。
そろそろ飽きてきました…w この小説打つの…ww 早く打ってしまいたいです…w 途中で投げ出すことはしないので、安心して下さい。