1.神話
このお話は自身イラストを描くために書こうと思った小説です。
初めて小説を書くので至らぬ表現あるやもしれませんが
少年が体験する空の色、場の雰囲気を感じていただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
少年とドラゴンと黄金の林檎
昔、世界は神々と人と獣達が住む世界。
その村は1年の半分は冬の季節にみまわれていた。
灰色の空、深々と降る雪、暖かな光が小屋から漏れる。
年老いたドルイド(薬草医)は村の子供たちを集めて神々の神話を語る。
「世界の果てに住まう神々は長命で強大な力を持って我々を見守っておる。
見事な神殿、煌びやかな鎧、豪華な料理
中でも神々が主食とする『黄金の林檎』は長命と力の秘訣と言われておる。
その林檎の生る木はこの世界を支え、根には邪悪な氷の世界が広がり
奴らは神々の林檎を狙っておるのじゃ。」
ドルイドの話を興味深く聴く中、一人の子供が質問した。
「その林檎を人が食べたらどうなるの?」
長いヒゲを指でかき分け、顎を掻きながら
「そうじゃのぅ…病や呪いはたちまち消え去り元気になるとは思うのぅ。
しかし神々の国にはどう行けばいいかは儂には分からんがのぅ。」
ドルイドは笑いながら暖炉に薪をくべ、
子供達は見た事の無い世界に想像を膨らませる。
何処の北国でもある昔ながらの光景。
外はまだ雪が降り続き、
納屋の牛がオレンジ色の光を見つめている。
長い冬が明け、村の雪が溶けても空は普段どうりの灰色だった。
村の大人達はゾロゾロと仕事始め
家畜を放牧したり
畑に種を蒔き
狩りの準備を行った。
遊びたい盛りの子供達が声高らかに村中に笑い声が聞こえる。
北国は日が沈むのは早く、遊び終えた少年は「ただいま」と帰宅する。
肉の香ばしい臭い
暖かなシチューの臭い
チーズの焼ける臭い
家の近くまで来ると食べなくとも美味しいと分かる香りが漂う。
村でも評判の母の料理。
少年の母は「お帰りと」笑顔で振り返り鍋をかき混ぜている。
席には既に狩りから帰った父がワインを飲んで待っていた。
父は勇ましく仲間と狩った獲物の話を楽しげに語り
母も席に着き皆で食事をとる。
少年はそんな家庭で日々送っていた…
夕闇から 暖かな匂いと光に誘われて 黒い何かが家を見つめていた…
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