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そのへんのテンプレ展開をかき集めた醜悪な何かのダイジェスト

作者: さいたまにすと

初投稿ですが、たぶんこれが俺の能力の限界です。

 寝て起きたら昔々にプレイしていたMMOゲームの世界に来てしまった。

 夢ならいいんだけどなーと思ったけど、周りに同じような事を言ってる人がたくさんいるのでマジっぽい。

 自分の目線から見るこの世界もなかなか乙なものだなぁ。

 そういえば当時のメインキャラの姿になったので中身は男でも女性の体型だ。金さえ払えば性別変更も可能なはずなので不都合があったら変えよう。そのくらいの金は貯め込んであったはず。

 おっ、倉庫番のお姉ちゃん、一枚絵しか無かったのにリアルになっとるやんけ、ええ乳しとるのう。ってもしかして自分の胸のがでかいのか。うわぁ。


 さてこのゲーム世界は自宅という概念が無かったな、宿でも泊まろう。

 ていうか昼とか夜とか雨とかも無かったよね。細かいことは気にしちゃいかんか。

 あれ宿屋が全室埋まってる、みんな同じこと考えたかー。街中で野宿ってみすぼらしいもんね。

 って、違うわ。ちょっと覗き込んでみたら皆セクロスしてやがる。

 見た目と中の人の性別が一致してればいいんだけど、くわばらくわばら。


----


 翌朝。どうやったら元に戻れるのかもわからんので、パーチー組んで探索だ。

 俺はメイン盾なので盗賊と魔法使いとヒーラーかもーん。

 ってゲーム内元彼と元ギルメンおるやんけ、助かったー!

 そう、俺はネカマだったのだ。とっくの昔にバラしてるけど。

 早速4人集まったので洞窟に潜ろう。なお男1女3だが中の人は全員男だ、参ったか。

 ちなみにこの世界で死んでもゲームと同じくセーブ位置に戻るだけなので実に安心設計。試したのは元彼だった。やだ男前、惚れちゃう。


「何あいつら、早速ハーレム作ってる」

 どこからか俺らを妬むような声が聞こえる。

 しっかり誤解は解いておこうね。

「だが男だ」

「あっ……(察し)」

 変な奴は逃げていった。


----


 見慣れているけど初めての洞窟探検の始まりだ。

 そういやここにはオークがいるはず。

「ブモー」

 わーい早速のおでましだ。俺やってみたいことがあるんだ。その場に倒れ込んで、

「くっ、殺せ!」

「あほか」

 PTメンバーの魔法使いが杖でぶっ叩いてオークを倒した。ええ、このオーク超弱いんです。


 普通に洞窟探索を終えて出てくると、茂みの奥に高級薬草の自生地を発見。

 そういや新規キャラを作成したらこの薬草を採って生活費に充ててたなぁ。

「ここに生えてる高級薬草、もっと増やせれば金持ちになれるのに」

「土グチョグチョだし、水はけ良くすればイケるんじゃ」

「魔法で水路掘るで」

 土魔法で水路というか畝のようなものが出来た。

 数日後に再訪すると少し土の水分が減ったようで、生育がめっちゃ良くなっている。よっしゃー。


 買取に出しまくってたら買取価格が下がったンゴ。


----


 経験値を貯めてレベルを上げたほうがいいんじゃね、ということで、昔のゲーム知識を引っ張り出しクエストをやろうということになった。

 いつものハーレム(嘘)PTは黒塗りの高級馬車で王城へ向かう。追突はしないしされない。

 守衛に止められるどころか「冒険者の皆様はこちら」の看板に沿って玉座へ進むと、

「君との婚姻を破棄させてもらう」

「ムキー!!」

 確かこの国の王子様イケメンと、いかにも悪そうな令嬢が揉めていた。

「こんなクエスト覚えてないけど、王子守ったら何か貰えるんかな」

「さぁ? うちらは知ってるクエストをやってくるわ」

 薄情である。元彼も私のことなんてどうでもいいのねムキー。

 いや言ってみただけなんだけど。俺もゲイじゃないし。

 しょうがないので一人で王子の傍に付いて色々守る。子鼠のモンスターをけしかけられたり、幽霊が見える魔法を使われたり、鬱陶しいけど被害は少なかった。

「ムキー!!!」

 変な令嬢は勝手にキレてる。それよりも問題は王子だ。

「君は素敵な人だ、私でよければ是非とも一生添い遂げてくれ」

 待って。俺は男でノンケなんです。

 と言っても女の身体じゃ説得力がゼロだな。仕方なく街の倉庫番に大金を払って性別変更をやってきた。

「すんません同性とは付き合わないんで」

 男になった俺を見た王子、引き篭もる。どんまい。

「ムキー、あたしの王子様を!!!!」

 お前王子に散々嫌がらせしたのにあたしの王子様とか言ってナメてんじゃねーぞ、という言葉を頑張って飲み込んで、自分史上最強の笑顔を作った。

「すまなかった(キラーン)」

「(ドッキューン)」

『悪役令嬢のハート』を入手した。経験値は微増、一体何の経験値なのやら。


----


 令嬢の屋敷に住むことになった。急展開もはなはだしい。

 小間使いの少年に部屋を案内してもらった最中、一人のメイドと目が合った。

「もしかして、昔私を助けていただいた方ではありませんか」

 いや全く面識がないぞ。そもそも昔って?

「踏切の近くの草むらで独りで震えていた私を助けてくれましたよね?」

「え、じゃああの時の子犬……?」

「はい! 覚えていてくださったんですね!」

 うん。覚えはあるけど。何でこの世界に犬耳美少女の姿でいるんですか。

「どうかお傍に仕えさせてください。何でもしますから!」

 ん、今何でもするって言ったよね?

「はい!」


 この後滅茶苦茶セックスした。


----


 強いダンジョンのボスを倒せば帰れるという噂が広まり、追加のPTメンバーを雇用することになった。

 筋肉の美しい褐色弓手お姉さんである。やっふー。しかし、

「ボスの魔法で幻覚が」

 とことん魔法耐性が無かった。こりゃ無理だとボスから撤退するも幻覚が解けない。

「セクロスすると治るらしいよ」

 ちょっとその情報ほんとに合ってるんですかね元彼さん。

「しゃーないやるか(興奮)」

「えっ心の準備が」

「ホモセは勘弁」


 この後滅茶苦茶セックスした。

 慈悲とかホモはない。

 確かに幻覚は解けたが、いちいちこんなことをしてたら身体が持たないので解雇した。


----


 帰る手がかりも見つからないし、食費10年分程度の金は既にある。

 そもそも令嬢の屋敷住まいなので生活費は特に不要だった。

 つまり、飽きた。だめにんげんだもの。しょうがないよね。


 となるとヤルことは一つ。その結果、

「赤ちゃんできました」

 犬耳メイドが頬を染めながら教えてくれた。

「赤ちゃんできちゃったわってはぁぁぁぁ?」

 えっ、ちょっ、令嬢さんもっすか。あはは。はは、はは……

 仕方なく令嬢と結婚する。ヒモから貴族の一番下くらいの爵位にクラスチェンジ。

 PTも解散、小さいけど領地を貰ったので内政の時間だああああああ!

 まず区画整理から始める。戸籍と地籍調査だけで数ヶ月かかるのでいい暇潰しである。

 そんなこんなで子供が産まれる。2人ともブサイクな俺に似なくてよかった。

 あれ、でも嫁がなんか動揺してる?

「ごめんなさい、この子は貴方の子じゃないの」

 おいてめえ。どこのクソ男の種だあああ。

 しかし本当の父親は先日野垂れ死んだのが判った。拳の振り下ろす場所がない。

 俺もそもそも嫁とメイドの二股なので文句も言いづらい。

 嫡子と血が繋がってなくて庶子は繋がってるとか、これもうわかんねえな。

 とりあえず嫁にお仕置きと称して色々するも、それ以上子供は増えなかった。

 悔しいのでメイドに同じことをしたらまたできちゃった。もうどうにでもなーれ。


----


 身分を隠して酒場で愚痴ってたら、気分転換に魔法習得を勧められた。

 メイン盾の俺でも魔法が使えるのか、とワクワクしながら教師を屋敷に呼んだら、若くて美人が来ちゃった。しかも俺と同じ転移組で中身もちゃんと女性。

 お互いの境遇などを語り合っていたらいつの間にかゲスな展開へ。

 やった、ハーレムきたこれ。でも家の中がこんなに心苦しくなるものだとは思いませんでした。そういうところもちゃんと教えてくれよ先人よ。


----


 元に帰る方法が遂に見つかったので最終戦争の準備を始めた。

 嫁達がついてくると言って聞かないけど、そんなに守れないよ俺。


 当時飛ばされてきた数百人が大集結。

「お前の女と子供の数にドン引きだわ」

 久々に会ったPTメンバーに開口一番呆れられる。何も言えねえ。


 ラスボスは姿を隠したり巨大化したり大変だったけど、必死な俺らの力が勝った。

 力尽きたラスボスからキラキラした光の粒が立ち上り、一人また一人と元の世界に帰っていく。

 俺も遂に戻ることができた。

 だけど、嫁とメイドと赤ちゃんまでついて来ちゃった。どうすんだこれ。

 更に早速来客だと思ったら隣家のお姉さん。えっあなたが最後に引っかけた魔法教師?

 どうやら俺の冒険はまだ始まったばかりのようです。


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