かっくん
ギザギザな僕は
まっすぐに歩けない
あっちにぶつかり
こっちにつまずき
いつだって傷だらけ
つるんとしたあの人の心に
くっついてみようとしたけれど
角がこすれて
キーキーと
いやな音を立てるだけ
だから
ギザギザな僕は
そっと回り始めたんだ
ギザギザな君の隣で
かっくん、かっくんと
互いの角を引っかけながら
かすかに爪弾く
不器用で優しいメロディー
歪んだ形にだけ与えられた
小さな特権
ねえ
気づいてた?
僕らは
肩を震わせながら
笑っているようにさえ
見えるってことに