ジュリアとノア 過去2
遅れてすいません~っ!
いろいろやることがあってたいへんですー。
その日は、雨が降っていた。魔界にも、雨は降る。
確か、あの日は・・・
「ちっ!雨かよ・・・。辛気臭いな。」
俺はそのとき、確かに周りと自分との違いを感じていた。
ねぐらにもどろうと歩いていると、きらっと何かが光った。
見てみると、石の付いた指輪だった。石は宝石で、綺麗なアメジストだった。
俺は、なんとなく拾って帰った。
魔女や魔法使いは、宝石を魔力の源として身に着ける。
宝石を失うと、魔力をなくす。正確には、魔法が使えなくなるのだ。
だから皆、こぞって宝石を奪おうとするが、俺は興味がなかった。
これもきっと魔法具なのだろう。
だが、そんなのとは無関係に、この指輪がほしかった。捨てられなかった。
俺は、ポケットの中にその指輪をつっこんで帰った。
そして今のねぐらである小さな洞窟につき、指輪を眺めていると、
「それ、私のなの。返してくれないかしら。」
といきなり一人の女が言った。長い黒い髪に、アメジストの瞳。ちょうど指輪の石と同じ色だ。
いつの間に入り込んできたのだろうか。この俺が気づかなかったなんて。
ふと思いついて、言ってみた。
「これ、くれよ。」
「駄目。私の魔力がはいってるもの。」
間髪いれずに返される。
アメジストは魔界では呪われた宝石のはずだった。
単なる迷信だが、みんな信じているんだから不思議なものだ。
それを魔力媒介に選ぶとは、なかなか肝の座った人物のようだ。面白い。
「なら・・・ほらよっと。」
返してやろうと投げて渡すと、女は華麗にキャッチ・・・しなかった。運動神経は悪いようだ。
落ちた指輪をひろって、女は不思議そうに言った。
「いいの?」
「おまえが言ったんだろ。」
「・・・ふうん。変な人・・。暇つぶしくらいになら、なるかしら。」
「?」
意味が理解できなかった。自分のものにならないものを持っていてどうしろというのか。
(今自分で返せって言っただろ。つか、暇つぶしってなんだ?)
そうして女は不気味な笑みを浮かべる。
(い、嫌な予感が…)
俺の嫌な予感は当たるのだ。
「私はジュリア。あなた、私の使い魔にならない?」
ほら、あたった。
過去編はまだ続きます。
ここの設定とか悩んで悩んで悩みまくってその場のノリで書かせていただきました。
なのでいろいろとおかしい点があれば教えていただければ嬉しいな、と思います。