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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

忠実な人形

作者: 夜詠
掲載日:2026/10/24

赤く燃え盛る王宮で、奇跡的に焼け残った一冊の日記帳。





おうきゅうにきて1日目



字がかけなくてお嬢様にもらってからずっと使えなかったけど「おうじ」が文字を教えてくれたからこれから毎日ここにお嬢様が作ってくれたわたしの気持ちを書くの



いつも通り、人形(いもうと)を作ってるお嬢様におちゃを用意していたらお屋敷のまわりに沢山のきし様が来てた。

わたし知ってるの。

きし様たちが着てる赤色のキラキラしたおようふくはおうきゅうのきし様達の服なんだよ。


わたしがお嬢様にそう伝えたら、お嬢様がすぐにお外に出て挨拶をしてた。


ほかの人形達(おねえちゃん)もお掃除を辞めて、みんなで窓からお外を見ていたの。


お嬢様すごくきれいだなって思ってたら、すぐに、お嬢様の嫌がるひめいが聞こえてきたの。


人形達(かえのおねえちゃん)といっしょにお嬢様をたすけようとしたら、きし様におされて、近くのつくえにあったお嬢様の大すきなチェスの台にお顔をぶつけちゃった。


右の目が熱くなって、ドレスの白いふりふりが黒く汚れちゃった。お嬢様がつくってくれたきれいなお顔とおようふくなのに⋯⋯。


でもね、わたしはいたくないの。お嬢様のひめいのほうが、ずっと痛いもん。



その後、何故かわたしたちはいつもお嬢様が乗ってるのよりキラキラしてる、うまさんが引っ張るのりものに乗っておうきゅうに行くことになったの。


わたしのとなりに座ってるおうじって呼ばれてる人にきいたら、お嬢様は悪いことをしたから、これからさいばんをするんだって。


おうじはさいばんいついて教えてくれた。さいばんは悪いことをしたら起きるんだって。

お嬢様は悪いこと何もしてないのに何でさいばんをするの?


おうじはわたしに「大丈夫?」ってきいてきた。

わたしは「お嬢様がさいばんにされちゃうから大丈夫じゃない」って言った。


そしたらおうじは、わたしのことを言ってるって。


でも、お嬢様はわたしと一心同体(いっしょ)って言ってた。

お嬢様が悲しかったらわたしも悲しくて、わたしがいたかったらお嬢様もいたいって。だから大丈夫じゃないの。


どうしておうじはかなしそうなの?泣きそうなの?

おうじも誰かといっしんどうたいなのかな?





―――――――――





王きゅうに来て7日目



王じに言ってもずっと会わせて貰えなかったけど、今日まわりの人達が話してるのを聞いて、お嬢様がちかろうにいるって分かった。


王じは「会っちゃいけない」って言ってたけど、まわりの人にちかろうは怖いところって聞いたの。

お嬢様は怖いのが好きじゃないから。だから、早く助けてあげなくちゃ。


ちかろうの入口にはきし様が居たけど「王じがここに来てって言ってた」ってせつめいしたらすぐに中に入れてくれた。「王じ」って言えばだいたいの人はお話したりしてくれる。王じはとっても偉い人なのかな?


王じってべんりだね。


ちかろうで会ったお嬢様は、ドレスがボロボロになってて、きれいなお顔にも傷ができてた。

それで、わたしに気づいたとき「なんでもっと早く来なかった!?」って大きな声で言ったの。


そうだよね。お嬢様を1人にするなんて、メイドしっかくだもん。ごめんなさい、お嬢様。


お嬢様は涙で汚れちゃったお顔で、わたしのむなもとをギュッて掴んで、「あいつらを全員片付けなさい!」って言ったの。

いつもお部屋でチェスの駒をお片付けするときみたいに、冷たくて、とっても素敵なお声だった。


やっぱり悪いのはお嬢様じゃなくて王じなんだ。

メイドはぜったいお嬢様といっしょに居ないといけないのに会わせてくれなかったし、お嬢様も「王子(あいつ)のせいで!」って言ってたもん。


お嬢様が怖いところにいるのになんでわたしはキラキラしてるところに居るの?


他のみんなは「しょぶん」されたのに、なんでわたしだけ?


わたしはお嬢様から離れちゃった良くない子なの。

メイドはずっとお嬢様といっしょにいないとダメなのに。


わたしはどこに居れば良いのかな?





―――――――――





王宮に来て10日目



文字もいっぱい書けるようになって、お嬢様と会うのを王子が許してくれた。

こっそり来なくて良いから嬉しいけど、王子が付いて来るからお嬢様があまり話してくれない。


王子が「キミは王太子妃になるんだから着替えてくれって言ってくれないか?」ってお嬢様に言ってた。


わたしはメイドだからお嬢様の言うことは絶対きかないといけない。


わたしが着てるのは王宮にいる人達(メイド)とは違う黒色のふわふわしてる服。

王子が黒色は不吉な色だから着替えてくれって言ってくる。これはお嬢様がくれた服、お嬢様が黒色好きだから、私も黒色が好き。


だって、お嬢様が特別だって言ってくれた服だもん。わたしは他の人形(しまい)達と違ってお嬢様のお気に入りだから特別なの。お嬢様がおせんたくの魔法教えてくれたから、最初みたいに汚くないもん。わたしはこの服が好き。

だから着替えたくない。


でも、王子は毎日キラキラな服を送ってくる。

わたしは「嫌」そういっていつも逃げてる。でもお嬢様が言うなら⋯⋯


悲しくなってたら、お嬢様が大きな声で何か言ってた。

不具合なのかみみがキーンってなってわたしは聞こえなかったけど怒ってるみたいだった。わたしのせいなのかな?

わたしはお嬢様のお気に入りだからもっとちゃんとお仕事しないと、またお嬢様を怒らせないようにしないと。


王子はわたしが王太子妃になるって言ってた。


でも、お嬢様はいつも「王太子妃になるのは私」って言ってた。だから王太子妃に相応しいのはお嬢様。


そう言って断っても、王子は聞いてくれない。「着替えて」「手当させて」って言って、わたしを捕まえようとする。


わたしの右の目のきずは、お嬢様が付けてくれた大事な「おしるし」なのに。

お嬢様のしるしは、わたしだけの特別なもの。だから誰にも見せちゃいけないのに。


王子が無理にほうたいを取ろうとするから、しるしから赤い血がいっぱいでて、お嬢様にもらったきれいな黒色の服がよごれちゃう。


やっぱり王子は悪い人なんだ。お嬢様のものを全部とっちゃう悪い人。


ここに来てからお嬢様は毎日わたしに王子に復讐(おしおき)するって言ってた。悪い人はこの世(ここ)にいちゃダメだもんね。

わたしはお嬢様のメイドで、お気に入りのお(・)も(・)ち(・)ゃ(・)。お嬢様から離れちゃった悪い子。なのに、お嬢様はわたしにおしおきしないとってもいい人。だから、わたし全部お嬢様に言われたとおりにするね。


お嬢様はいつだって綺麗で、正しくて、凄い人だもん。





―――――――――





王宮に来てから11日目



今日は王子に頼んでお屋敷に戻って荷物を取りに行った。

王子が付いてきたから、お仕置きの道具はあまり取れなかったけどわたしと同じお嬢様の人形(おもちゃ)を連れてこれたの。あと、お嬢様のお気に入りのチェス!


早くチェスをお嬢様にお返ししたかったけど、王子はわたしとお嬢様が関わらないように邪魔してくるから誰も居ない夜まで待たないと。


人形(いもうと)は魔核(こころ)がなくなってるみたいだから、少し嫌だけどわたしの予備の魔核(こころ)を入れてあげたの。お嬢様は優しい人だからきっと褒めてくれるよね。


一緒にお仕置きしてくれる人形(おもちゃ)が増えたし、今日からお仕置きを開始しようと思う。

王子が一番大事だけど、王子はお嬢様用だもん。わたしはお嬢様を傷つけた悪い人達をお仕置きするんだ。


最初にお仕置きするのはお嬢様を捕まえた騎士様!

でも、お仕置きってどうやってやるんだろう?お嬢様がお仕置きするときはいつも他の人形(いもうと)達の前でやってたけど、お気に入りのわたしには見せてくれなかったから分からない⋯⋯。


御役にたちたいけど、困らせる訳にはいかないもんね。

しっかり、お嬢様にチェスを返して相談してからにしよう!





お嬢様は王宮にいる人達全員が悪い人って言ってた。

わたしがお仕置きするのは王子と王様以外の悪い人全員だって。

お嬢様が任せてくれたお仕事。ちゃんとやらないと!


あと、お嬢様がチェス盤をわたしにくれたの。お嬢様の大切なチェス盤大事にしないと。

お嬢様はお仕置きについて、チェス盤を王宮。駒を王宮の人達に見立てて、心臓(こころ)を取れば良いんだって説明してくれた。



やっぱりお嬢様は優しいな。だってこ(・)こ(・)ろ(・)を取るだけでお仕置きをやめて(許して)くれるんだもん。



今日は最初だから人形(いもうと)と一緒に騎士様の剣を使って心臓(こころ)を壊したんだ。

壊しちゃうのは少し可愛そうだけど、すぐに取り替えればいいし良いよね。


お屋敷から持ってきた人形(いもうと)はわたしの使ってない予備の魔核(こころ)を入れてあげたから、あまり記憶が刻まれてなくてすぐにわたしの動きを真似できるようになったの!とってもいい子だね。


これならお嬢様も褒めてくれるかも!





―――――――――





王宮に来てから2◼️日目



今日はお嬢様のドレスを破った悪い騎士様に、お嬢様が教えてもらった物置にあった、白いキラキラな粉を入れた紅茶をプレゼントしたの。


お嬢様がくれたチェス盤の上の駒はあと20個ぐらい。次はどうやってお仕置きしよう?

お嬢様は好きにして良いって言ってくれたけど、お嬢様を傷つけた悪い人たちだもん。

しっかりお仕置きしないとだよね。


■■■■■■■■■■■■■■

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


『このページは黒く焼け焦げてこれ以上、文を読み取ることは出来ない』





―――――――――





王宮に来て■■日目



今日は最後のお仕置きの日!


誰もいない王宮だとつまらないから、王城のみんなの前でお嬢様が王子と王様の■■■を取るんだって。

お嬢様はその後の、一番大事なことをわたしに任せてくれたんだ!しっかり指示通りにやらないと。



わたしはお嬢様がくれた服に赤色の血が付くのは嫌だけど、王子と王様の血が付いてるお嬢様はとっても■■だった。

これからがわたしの仕事。王宮に血と同じ赤色の■を付けるの!


お嬢様はわたしの魔核(こころ)に記憶が刻まれていて、それが見られたら困るからわたしに王宮で燃えてほしいんだって言ったの。最後にお嬢様の困りごとになるのは嫌だから、わたしはお嬢様に言われた通りに王宮(ここ)に戻ってこれ(日記)を書いてるんだ。


お嬢様がくれた体とか服が燃えちゃうのは嫌だけど、お嬢様の困りごとになる方がもっと嫌!


体がどんどん融けていく。でも、わたしはお嬢様が作った特別な人形(おもちゃ)だから痛くない。それにわたしが痛かったらお嬢様も痛くなっちゃう。お嬢様とわたしは一心同体(いっしょ)なんだもん。


これを最後まで書けて嬉しい!




最後まで読んでくださりありがとうございます

実は、いい感じのオリキャラが描けたので、これから絵を描く時にイメージ出来るようにと作ったメイドのお話でした。楽しんでいただけたら嬉しいです。


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