表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/37

第二十七話:新たなる旅路


マザー破壊のミッションから数週間後、レガシー号の船内は、以前にも増して活気に満ち溢れていた。クロエが正式なクルーとして加わり、カイル、ジェット、ノヴァ、そしてクロエという、それぞれの分野のスペシャリストが集結した。彼らは、もう互いを疑うことはない。ただ、互いを信じ、支え合う仲間として、新たな旅路へと出発する準備をしていた。


「…クロエ、本当にいいのか?」


カイルが、操縦席に座るクロエに問いかけた。彼女は、操縦桿を握り、遠い水平線の向こうを見つめている。


「ええ。私には、もう、ここしか居場所がないわ。それに…」


クロエは、そう言って、カイルに微笑んだ。その瞳は、もう以前のような冷たい光はなかった。そこには、ただ、深い感謝と、そして、彼らと共に未来を歩んでいくという、強い決意が宿っていた。


「…それに、組織の残党が、まだ、世界中に潜伏しているわ。彼らを、すべて捕まえるまで、私たちの旅は、終わらない」


クロエの言葉に、カイルは頷いた。彼らが追うべき闇は、まだ終わっていなかった。しかし、彼らは、もう一人ではない。彼らは、互いを信じ、支え合う、かけがえのない絆を手に入れたのだ。


「…行くか、みんな」


ジェットが、そう言って、端末の電源を入れた。ノヴァは、その隣で、キーボードを叩いている。カイルは、コックピットの席に座り、出発の準備を始めた。彼らの旅は、今、新たな、そしてより困難な局面を迎えようとしていた。


最初の仕事は、クロエが組織を追っていた時に、掴んだ情報だった。それは、組織の元幹部の一人、**“タイラント”**と呼ばれる男を捕らえること。タイラントは、組織の武器開発部門を統括していた男であり、彼の身柄を確保すれば、組織の壊滅は、より確実なものになる。


「…彼の居場所を特定した。彼は、北極圏にある、放棄された軍事基地にいる。そこは、組織の武器の実験場だった場所だ」


ジェットが、ノヴァから受け取ったデータをカイルに共有した。その場所は、永久凍土に閉ざされ、あらゆる通信が遮断されている。そこは、まさに、外界から隔絶された、完璧な要塞だった。


「…潜入は、俺とクロエが担当する。ジェットとノヴァは、レガシー号から、通信を確立して、支援を頼む」


カイルが、作戦を提案した。ジェットは、その作戦に、わずかな不安を感じたが、クロエの真剣な眼差しを見て、何も言わなかった。彼は、カイルとクロエの絆を信じていた。


北極圏の、永久凍土に閉ざされた軍事基地に到着したカイルとクロエは、スティングレイを使い、基地の影に着陸させた。降り立った瞬間、肌を刺すような冷たい風が、二人を襲う。カイルは、愛銃のSIG P226を構え、非殺傷弾のマガジンを再確認した。クロエもまた、愛銃のグロック17を構え、その銃口は、冷たい殺気を放っていた。彼女のグロックには、実弾が装填されている。彼女は、もはや、敵を殺すことを躊躇することはなかった。


「…クロエ、無理はするな。奴らは、俺が止める」


カイルが言うが、クロエは、静かに首を横に振った。


「いいえ。これは、私の戦いよ。彼らを、私の手で、葬り去る」


クロエの瞳には、強い決意と、そして、過去の自分と決別しようとする、強い意志が宿っていた。カイルは、何も言わず、ただ、彼女の隣に並び、通路の奥へと進んでいった。


基地の内部は、冷たい空気に満ちていた。通路を、慎重に進んでいくと、彼らは、警備にあたっていた兵士たちと遭遇した。彼らは、白い強化スーツを身につけ、Steyr AUGを構えていた。その銃口からは、ただならぬ殺気が放たれていた。


「…見つけたぞ!侵入者だ!」


一人が叫び、同時にSteyr AUGの銃口が火を噴いた。**「ダダダダダッ!」**と、銃声が、通路に響き渡る。5.56mm口径の弾丸が、カイルの頭上をかすめ、金属の壁を砕き、火花を散らす。


カイルは、即座に近くの柱の陰に身を隠した。クロエもまた、別のタンクの陰に身を隠す。カイルは、P226から非殺傷弾を撃ち込んだ。「プシュッ!」。非殺傷弾は、兵士たちのアーマーに命中するが、彼らはびくともしない。


「…くそっ!非殺傷弾が通用しない!」


カイルが、舌打ちをする。その時、クロエが、柱の陰から飛び出し、グロックの銃口を、兵士に向けた。


「パンッ!パンッ!」


クロエのグロックから、実弾が放たれた。弾は、兵士の一人の腕と脚に命中し、彼を無力化させた。もう一人の兵士は、クロエの行動に一瞬、戸惑った。その隙を突き、カイルは、その兵士を制圧した。


「…クロエ、お前…」


カイルが、クロエを見た。その瞳には、彼女への深い戸惑いが宿っていた。クロエは、何も言わなかった。ただ、無言で、カイルに背を向け、通路の奥へと進んでいった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ