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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

宇宙最強の彼に憧れて

作者: なる子

人生初のオリジナル作品を世に出し、初投稿しました。

どうかはんぺんよりもやわらかく宇宙よりも広い心で見ていただければと思います。

地球が宇宙人もとい『ユニバース』と交流を持ち始めてから早20年。

地球の持ちうる技術は急進化しそこらかしこに異形の人々が生活するようになった。

触手だけ、人よりはるかに大きかったり、人と変わらないような外星人もいる。

目まぐるしく世界も変わって国の境界も無くなり

言語の壁もほぼなくなった。

そんな世界で、俺は生きている。


「っ…ん゛ー…」


眩しさに目が覚める。

スマホを見ると6時前、ガサガサと音が鳴っている。

音の方へ目を向けると猫がカーテンで遊んでいたようで日差しが差したり消えたり。


「こぉ、ら…にゃんちゃん。遊ぶなって…ほら、…おいで」


名前を呼び、布団を叩くとにゃーと言い飛び乗ってきた。ゴロゴロと喉を鳴らしているのでふっわふわの毛を撫でてやる。

心地よさに目を細めてぐるっと丸まりそのまま寝てしまった。俺も今日は休みなので二度寝しようと布団を被り直し寝直した。




数時間後、ぺしっとふわふわした柔らかいものにほっぺたを叩かれる感触に意識が浮上する。

少し寝過ぎたせいで身体がだるい。

さすがに起きるかと体をなんとか起こす。

ボリボリと腹を掻きながらベッドから降りてにゃんちゃんの餌を出して何を食おうか考える。

テレビを付けるとちょうどニュースがやっておりそこに映されていた人にピタッと俺の動きが止まる。


『本日〇〇地方にて危険生物討伐に成功。その功績者、キゼモニコス星から来たストルゲ族の─』

「ば、バルトガさんだッ…!」


俺はテレビを食い入るように見て、紹介映像を余すとこなく見ていく。

凄まじい巨体にそれに見合う大きな手足。

筋骨隆々と言う言葉があまりにも似合う身体だと思う。手足には鋭い爪があり、人に似た形の目は6つにその強靭な肉体を覆う装甲は深い赤。

口はマスクに覆われており映ってる映像を見る限り口元は分からないが、俺は知ってるんだ。

肉食獣のような牙と歯が生えていて、地球上の生物ならなんだって噛み切ってしまえるほどの顎もある。

テレビでは無愛想に取材を断っており足早に去ってしまった。



「っ〜〜…かっこいいっ…♡」


俺はストルゲ族の次期族長候補と言われている彼に惚れているのだ。

ストルゲ族の生態を調べて完全暗記するレベルで好きだ。伴侶は1人だけ、家族仲間は己よりも護るべき者として大切にする種族。

あまりにも…あまりにも最高すぎる。

ゴロンゴロンと床を転がりどうしようもないほどの感情をなんとか落ち着かせようとする。

俺がバルトガさんに出会ったのは一昨年、宇宙船が占拠されるという事件があった。

運悪く唯一の地球人だった俺は人質にされてしまい犯人達の暇潰しと中央の牽制として見せびらかされるように殴られ蹴られ見せ物にされた。

そんな中で文字通り光速で助けてくれたのがバルトガさんだったのだ。

ボロボロになった俺を見てさらに犯人達をボッコボコにぶっ倒し唸り声を上げて拘束していった。

そんな彼は俺を丁寧に本当に丁寧に介抱してくれた。若干オロオロしながら怪我の手当てもしてくれた。


『すまない…、もう少し到着が早ければこんな事にならなかった』

『えっ、あ、いや、その別にそんなことは…。俺、頑丈っていうか、この程度の怪我へっちゃら…』

『強がらなくていい』


とても恐かっただろうとそう言って俺の頭をとても優しく撫でてくれたのだ。

気が付いたらボロボロに泣いて、泣き止むまで彼は側に居てくれたしもしかしたら何かあるかもしれないと家にまで送ってくれた。



『あのこの辺で大丈夫です…すみませんわざわざ…』

『気にしないでくれ、私が無理を言って君を送った。…、…怪我、早く治るといいのだが』

『え、あっそうですね!俺傷の治り早いからすぐ治っちゃいますよ!えっーと…』

『バルトガだ、名乗りが遅れてしまい悪かった。…あまり長居をするとまたマスコミやらが来てしまうだろうから私はそろそろ戻るが……、…もし何か困ったことが、あればその…。ここに連絡してくるといい。』



そう言ってメモを渡してくれた。流石に貰っておいて何も連絡しないのは失礼と思って、お礼の電話を掛けたが緊張しすぎて心臓飛び出すかと思った。

もしもしと怪しぶ声に慌ててしまい、喋ることが吹き飛んだ俺はずっと似たような事を繰り返してしまいパニクった俺にバルトガさんは笑ってくれた。

とても落ち着いた声で、心地よかった。

ずっと聞いてたくて関係ない話を続けてしまっていたのに、あの人は聞いてくれてた。

それから何がある訳でもないのに連絡をしあう仲にまでなれてしまった。

週に1回の電話が俺の楽しみになっている。


「あ゛〜〜、好きしかない…。なんでこんなに優しいんだ…忙しいだろうに、俺なんかの為に…」

「んにゃ、にゃぅ、にゃっ」

「にゃんちゃんもそう思う?優しいよね。でもみんな怖がるんだよ。おっきいからかな…」


そうストルゲ族は大きい人で5、6m、最低でも2m以上はあるでかい宇宙人だ。

戦闘民族というのもあって、畏怖の目で見られてるのだろう。地球人なら簡単に粉々にされてしまうほどの大きな手足、たしかに現地人からしたら殺されない様に機嫌を窺うだろう。


「にゃんちゃん、もしバルトガさんがおうちにきてにゃんちゃんなでなでしてくれたら嬉しい?」

「ん゛にゃぁ」

「うれしいねぇ、あ゛ーマジそうならねぇかなぁーー。バルトガさんの嫁になりてーー!!」


足をバタつかせてにゃんちゃんに抱きつく。

にゃんちゃんは嫌そうに鳴いたものの、諦めたのか手を頭に乗せてにゃふっと鳴いた。


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