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気が強い高嶺の花は夢の中では僕の恋人  作者: nite
夢と現実の彼女の話

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流石に毎日同じことをすると覚え始める

 最近、起きるときにひうりが抱き着いてくるようになった。

 数日もすれば僕も慣れて、抱き着いてきたときに抱きしめ返すとか、頭を撫でるようになった。なんというか、あまりスキンシップは多くないので、僕としても嬉しいのだ。


 とはいえ、どうして急にそんなルーティーンが生まれたのかは不明である。記憶があると思ったが、現実のひうりは今までと特に変わりないので、変化がわからない。


「一樹」

「なに?」

「修学旅行の班分けは自由らしいぞ」


 そんなひうりのことに頭を悩ませつつも、またもやイベントがやってきた。

 高校生活最大のイベントともいえる、修学旅行。修学という面を一切放棄、学生たちは旅行のほうをめいっぱい楽しもうとする修学旅行。人によっては地獄の数日間となる、あの、修学旅行である。


「一緒の班を組もう」

「いいよ」


 修学旅行の班は、活動班とホテル班に分かれている。

 ホテル班は出席番号順に男女別で決まるので、僕たちに選択権はまったくないが、活動班は違う。男女混合の自由班なのだ。

 因みに、クラスを越えた班つくりはできないので、残念ながらひうりと同じ班になることはできない。


 修学旅行について別途で時間はとられないらしく、昼休みの間に決めておけと言われた。忠は、弁当を食べ終わったら即行したのである。


「最大六人、最低四人か…」

「忠ならいくらでも増やせるんじゃないの?」


 忠の交友関係は広い。僕なんて、未だに一度もまともに話したことのないクラスメイトがいるくらいだ。


「せっかくなら女子も入れたいだろ?」

「それは別にどっちでも」

「入れたいだろ?」

「どっちでも…」

「入・れ・た・い・だ・ろ・?」

「……そうだね」


 仲良くない女子が班にいたところで、僕に影響は一切ないんだけど…

 ともかく、忠が女子を班員にしたいということなので、男子三女子三のグループを作ろうということになった。


 男子二人はすでに僕と忠で埋まっているので、あと一人…


「元康ー!」

「俺はもう別の班だー!」

「わかったー!」


 教室の端っこと端っこで叫びあって会話する二人。いや、教室内なんだから、そんな大声出さなくても聞こえるよ。むしろうるさいせいで聞こえづらいよ。


「神田くんは忠と同じくらい交友関係があるから難しいんじゃない?」

「元康は一樹と関わりがあっただろ?初対面のようなやつよりも、まだいいだろ」


 忠の、その心遣いはうれしい。その良さをもっと女子にアピールするといいんじゃないかな。


「まあ男子は誰でもいいか。どのみち、大抵はお前の敵だ」

「怖いこと言わないでよ…」

「事実だからな」


 とはいえ、ずっと敵対されていては安心できないだろうということで、ひうりに興味のない男子として佐々くんが選ばれた。いつも教室で本を読んでいるタイプだけど、ちゃんと修学旅行は楽しみらしい。


「よろしくね」

「うん」

「お前ら二人は口調が同じだなぁ」


 アイデンティティを奪われる?いえ、僕のはアイデンティティでもなんでもないので大丈夫です。


 さて、女子のメンバーはまだ誰も決まっていない。忠曰く、最低で女子二人がいればいいとのこと。一応女子一人でも人数制限はクリアできるのだけど…まあ、さすがに班員の中で女子が一人というのは双方やりづらい。

 そういうわけで、女子は最低で二人は入れたいとのこと。


「とはいえ流石に女子方面はあまり顔が広くないからなぁ…」

「そうなの?」

「おうよ。一樹は姫含めて大当たりみたいな人ばかりと知り合ってるけど、普通はあまり男子と女子って交流ないからなぁ…」


 去年の僕を振り返ってみると、たしかに女子との交流はない。せいぜいイベントで会話するくらいだ。

 僕以外にも、日常的に女子と喋っていた男子はいなかったような気がする。


「だがそれは女子側にも言えることだ。こっちから話しかければいいだけだ!」


 そう言って忠は女子が集まっているところに突っ込んでいった。

 男女混合の班とはいえ、必ず混ぜるルールはないので、女子たちだけでグループが完成している場合は班に入れることはできない。


 男子の中には既に班が完成して、修学旅行のことを話しているところもある。女子にも数人集まりから離れて会話している人がいるので、多分班ができているのだろう。


「中野くん、彼はいつもあんな感じだよね」

「忠は猪突猛進タイプだからね」


 忠が帰ってくるまで駄弁る僕たち。僕たちが女子と会話しても意味がないので、忠が帰ってくるのを待つのがちょうどいい。


 好きな本の話をしていると、しばらくして忠が帰ってきた。


「よし、連れてきたぞっ」


 そういった忠が連れてきたのは、学級委員である森本さんと、先日の文化祭のときに忠の補佐をしていた中谷さんだ。


「女子班全体の指揮みたいになってた二人をつれてきた!」

「それって連れてきてもよかったの?」

「何言ってんだよ。こういうところでリーダーになる必要なんかないんだから、気楽に遊べる方がいいだろー」


 言葉足らずで分かりづらいけれど、要は女子の中だと性格的に自由に楽しめないだろうから連れてきたということらしい。


「って言ってるけど」

「楽しめないわけじゃないけど、班に困っていたから別に私はいいわ」

「私も」


 どうやら二人とも文句はないらしい。

 こういうときに忠が女子を怒らせることはあまりない。そういうところのラインの見極めが上手なのだ。


「ただまあ、この二人の圧が強いから三人目は捕まらなかった」

「捕まえといてそれは酷いんじゃない?」


 忠の冗談を皮切りに、雑談を始めた。

 しかし、それぞれ真面目な性格だからか、雑談の中にもちゃんと修学旅行の予定決めが入っている。もうみんなそのまま社会人になれるんじゃないかな。


「む、昼休みは終わりか。じゃあ今日はここまでで」


 解散して、次の授業の準備を始める。さて、修学旅行でひうりと遊べる機会はあるかな。

面白いと思ったら評価や感想をお願いします。あまり修学旅行の記憶がないです

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