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グレイル・フォース・アイズ  作者: 九六式
交差する運命、暁けの海からの使者
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飛燕の令嬢

「あの、もしかして……片谷間中学校(かたやまちゅうがっこう)の………」


 片谷間中とは僕が以前通っていた中学校の名前だ。そして恐らく僕がそこに通っている事を知っているのはこのクラスでただ一人。


「中学2年生以来、だな。燕翔寺さん」

「はい。覚えていてくださったのですね、桐堂様」

「ああ」


「いや、燕翔寺が有名人なだけで……」と言いそうになったが、寸での所で抑える。


「見知った方がいらして、本当に良かったです。その、もしよろしければ今後とも仲良くしていただけると嬉しいのですが……」


 願ってもない提案だ。知らない土地で初めて友人を作るのは僕にとって結構難しい事だ。向こうから来てくれて正直助かる。


「いや、こちらこそよろしく頼む」

「ありがとうございます、桐堂様。それと、わたくしの事は呼び捨てにしてもらって構いません」


 いきなり呼び捨てにしろと、かなり恐れ多いことを言われたが、本人が望むのならそうしよう。


「分かった。なら、燕翔寺で」

「はい」


 嬉しそうに微笑む燕翔寺。とりあえずコレで当分話し相手には困らない。まあ、その内お互い友人も増えていくのだろうが……


っと、その前に


「……?」

「烏川さんも、宜しくな」


 隣の席の少女にも声をかける。すると、「ええ」とだけ返事が返ってくる。


「お知り合いですか?」

「いや、初対面だ。近くの席だし挨拶くらいしようと思って」

「成る程、そう言う物ですか……」



「ならわたくしも」


 そう言って燕翔寺は烏川が座る先の前に立ち、お辞儀する。


「はじめまして、燕翔寺智恵と申します」

「知ってる」


 燕翔寺は父親と共にメディアに何度も取り上げられ、テレビに出ている事も多い。ここで知らない人間の方が少ないだろう。


「そ、そうですよね……!えっと、その、宜しくお願い致します」

「ええ」


 燕翔寺に対しても少し素っ気ないが一応受け応えはする様だ。新入生代表なんかに選ばれるくらいだからもう少し明るく積極的な人かと思ったが。


「(どちらかと言うと、と言うより………かなり控えめな性格だな)」


 メガネをかけており、雰囲気も何処となくインドアだ。恐らくハンター育成コースである【狩猟(ハンター)科】では無く【普通科】なのだろう。


 この学校はハンター育成を重点しているが、普通の進学校としても機能している。このクラスも半数はその進学組、普通科だ。

 それに成績が良ければ新入生代表に選ばれる事はけして珍しくも無い。


「(それにしても……)」


 ふと教室を見渡す。ツノが生えていたり尻尾がある生徒がちらほら見える。亜人族の生徒だ。


「(何というか、凄いな……)」


 見るのは初めてでは無い。昔はやはり差別などの問題を抱えていたが、今ではそれも落ち着きつつある。


 しかし、こうして一緒のクラスに溶け込んでいるのは今でも中々見ない光景だった。

更新時期は一定じゃ無いです。要望とかあれぼドシドシカモンっす

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