【都を泳ぐ水竜。街中での出会い】
遅れてしまい申し訳ございません。
内容も薄くごちゃごちゃしてしまっています。
次回はもう少し濃く書けるように精一杯努力いたしますので、次回にご期待ください。
「フ~ンフ~ンフフ~ン♪」
鼻歌を歌いながらトコトコと軽やかな足音を響かせ、澄んだ水色の髪をなびかせる少女は石畳の街道を歩んでいく。陽も昇り、活気のある声に満ちたアリアンの街を眺め、満面の笑みを浮かべる水色の髪の少女は、とある露店の前で足を止めると、店主であろうドワーフの男性に声をかけた。
「オジサン、これって何の串焼き?」
「ん?何だい嬢ちゃん、これ欲しいのかい?これは近くの森に生息してるナガミミウサギの足肉の串焼きだよ。特別に…ほれ、一本やるよ。」
「え、本当に!?ありがとうオジサンっ!」
「いいのよぅ、この辺りじゃあんまり見ない髪色だけど…どっかから旅行に来てるのかい?」
「んぇ?ん~…ひょんなかんひぃ、かやぁ…?」
「しゃべんのか食べんのかどっちかにしなよ、嬢ちゃん。」
「んっ…うん!美味しい!ありがとうオジサン!今度来た時にはちゃんとお代払うからねぇ!」
「おぉう、まいどありぃ!」
貰った串焼きを頬張りながら、水色の少女は再び軽やかな足取りで石畳の街道を歩んでいく。賑わう街を見渡しながら、少女は嬉しそうに笑みを浮かべる。
「…いやぁ、やっぱりアリアンはいいねぇ。活気に満ち溢れてるよ。いろんな種族にいろんな国の人々が、一つの大きな流れの中に生きてる。う~ん、それにしてもこの串焼き美味しいなぁ…次来た時にも絶対に買おうっと。」
水色の髪を靡かせ、活気に溢れる人の波に身を任せ、まるで自由に泳ぐ魚のようにアリアンの街を歩んでいく。
彼女の名は『水竜ウォーバイト』、現七竜の一角を担う水をその身に秘めた通称『水の巫女』だ。
水竜である彼女が何故人と同じ姿を取って、本当の少女のように街を歩いているのか。
そのことに理由などはない。ただ彼女は楽しいことが好きなのだ。何よりも、誰よりも『楽しい』を体現している存在こそ、この『水竜ウォーバイト』なのだ。
「…単純に暇だったから外に出てきたけど、ちょっと見ない間に結構変わるものだねぇ、前まであそこの通りは商店の一つもないガラッとした場所だったのに、エルフの長があの子に代わってから変化してきたものだねぇ。堅っ苦しい考え方しかできない爺どもにはこんなことできなかったし。いやぁ、あの子を領主に推薦して正解だったなぁ。」
露店で買った串焼きをモグモグと食べ歩きながら、徐々に流れ始めた街を眺めながら可憐な容姿に似合わぬ、哀愁の籠った薄い笑みを唇に浮かべた水竜はそう独り言ちる。
一方、精神世界から追い出されたリーオは、徐々に醒めていく意識の端で、何やらごちゃごちゃと少女たちの声を感じ取っていた。
……うるせぇ…起き抜けの頭に、これは五月蠅すぎる。それになんか寒い…?ていうか俺は今どういう状況にいるんだ?何か頭ン中に変な映像が流れて…気を失って…失って……それで?精神世界に行ってからどうなったかなんてわかんねぇなぁ…。
あ、意識が段々上がってきた感じがする。重かった瞼が軽くなってきて、薄く外の光が見えてきた。それと同時に、こそばゆいような、くすぐったいような感覚が胸の辺りを這いずり回るのを感じた。
「…ぅん…?」
すぅっと意識が上がってくるのとほぼ同時に重かった瞼が開かれる。鮮烈な光が網膜を焼き、若干の抵抗を覚えるが、段々と慣れていき、白かった視界が色付いていく。
「………あ゛?」
「『《…あっ》』」
ようやく色付いた俺の視界に映ったのは、俺の裸になった上半身を弄ぶハイエルフと妖精と神剣の姿だった。
_____数分後。
「……で?申し開きは?」
「………….。」
《………。》
『……。』
起き上がった俺は、取り敢えず三人を正座させ、何をしていたのかを問い詰めることにした。
「俺の身体を弄んでおいて、だんまりで許されると思っているのか?」
「………本当に申し訳ないと思っています…。」
《…別にやらしいことをしていたわけじゃないんだよ!》
「んじゃ何?お前らは自分の裸を弄んでいた相手に、やらしいことをしようとしてたわけじゃない、と言われて許せるのか?」
「『《……ごめんなさい。》』」
ようやく謝った三人の正座を解かせ、俺が気を失ってからの状況を改めて聞くことにした。
3人によると、俺が気を失ってから時間はあまり経っていないことと、その間何も起こっていないこと、そして何故俺の服を脱がしていたのかという問いには、
「……リーオの胸にある紋章が光った気がして…確認のために…。」
ということだったらしい。
紋章…?無限の紋章の事か?まぁ、いい。取り敢えず今はこんなところでくすぶっているわけにはいかない。
「……まぁ、いい。行くぞ。ここで足踏みしている時間はない。」
「行くって…何処へ?」
「何言ってんだ。水竜の行方を調べなきゃならないだろうが。」
『え、今からですか!?』
「当たり前だ。その為にこの国へ来たんだろ?」
《そ、それはそうだけど…ご主人今さっきまで倒れてたんだよ?身体の方だってついてこないかもしれないし…。》
「そんなこと気にしてる暇ないだろ?さっさと見つけて、竜の力の制御方法を教えてもらわねぇと…。」
ちゃっちゃと準備を終えて、行きたくないのか何やらぶつくさ言っている三人の首根っこを掴んで引き摺りながら、宿を出て、人通りの多い大通りの方へと進んでいく。
「……俺が寝てる間に水竜探すとか色々やることあっただろ?」
『…見つからなかったんです。何処を探しても、影も掴めなかったんです。』
いつもいる洞窟にも、街の中を探しても全く見つかる気配もなかったという。
水竜ウォーバイトは、竜種の中でも珍しい人との繋がり、営みを愛する竜種で、偶に今回のように街の方へ行き、人の営みを見て回っている。
「…『竜の眼』とかで見るとかあっただろ?寝てる俺に悪戯してる暇があったらさぁ…。」
「……だって、私たちが昨日も散々探し回って見つからなかったんだよ?リーオがこっちに来ただけでだけで見つかりでもしたら、私たちの苦労は一体何の為だったんだってなっちゃうじゃん…。」
そんな風にシェラン達と話しながら歩いていると、俺の腹部にトンッと何かがぶつかった衝撃があった。「おっ?」と思い、すぐに視線を巡らせると、尻餅をつきそうになっている少女が目に留まった。
「おっと…!」
「きゃぅっ!?」
すぐに身体を動かし、倒れそうになっている少女を抱き留める。一瞬全身にビリッと痛みが走ったが表情に出さないように努めて、抱き留めた少女に話しかける。
「……大丈夫かい?お嬢ちゃん。」
「あ、えっと、大丈夫です。」
水色の髪に、宝石のように深く輝く琥珀色の瞳、真っ白な肌に民族衣装のようなものを身に着けた耳の長い少女……ん?エルフ?いや……?
「あ。」
「え、リーオ君?」
…案外簡単に見つかるものだな。俺の腕の中にいる少女は、俺たちの探していた人物『水竜ウォーバイト』その人だったのだ。
次回は9月中に
次回もお楽しみに




