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第三章 狛犬様ハッピーエンド

前の話からかなりの期間が空いて申し訳ありませんでした!!

夏休みにガンガン更新すると思ってたんですが

いざ夏休みに入ると、夏休みの課題や貯まっていたアニメの消化にこの話のストーリー展開に…ニコ動でやったエンドレスエイト・・・涼宮ハルヒの消失などなどで更新が長引いてしまいました。

(すみません、夏休み満喫してしまいました…

この比の続きはあとがきにて続きます)

「じゃあ行こうか」

「どこに行くんだ?」

神社に差し込む太陽は、すっかり落ちきっていて石段にまで月の光が届いている。

「どこって彼女に会いに行くのよ」

「いや、それは分かる」

その淡い月の光を受けて白くかがやく髪は、本当は霊になった影響だけど、今はなんだか彼の弱さを主張してるかのようにも見える。

「なんで今から行くんだ・・・」

「善は急げって言うじゃない?彼女は霊じゃなくて地縛霊。ほかの死神に見つかったら強制的に・・・」

「っ・・・・・」

「ごめんなさい・・・そんな顔をさせるつもは・・・」

私は知ってる。

元悪・・・彼が、会うのをちゅうちょしている理由を。

生きていようが死んでいようが転生しようが、

彼には“心”がありそれが会うことを邪魔していることを。

「それじゃあ会うのは明日にする?」

「それは・・・・・」

彼は迷っている。

自分が彼女に会うべきかどうかを。

「少し考える時間をくれ・・・」


私は一人、石段の上に座り込んでいると見知った大男が私にビール瓶を持っているのが見えた。

「帰りが遅いから心配したぞ」

「ちょっとね・・・」

月の光が私たち二人を照らし出し、鈴虫が鳴き始めだした。

「もしかして・・・見てた?」

「偶然な」

「どの辺から?」

「『善は急げって言うじゃない?』のあたりから」

「へ〜、偶然と言いながらほぼ最初から最後まで聞いてたんなら私が何を言いたいか分かる?」

「とりあえず、酒に付き合ってやるよ・・・」

そう言うと、私にお酒をつぎながら大男は笑った。

「で、愚痴か?愚痴なら早く話せよ。俺は酒に弱いからな」

「よーし、今日は帰らせないわよ!!」

「酒に弱いって言ったろ!!」

私は大男の に今日の話をした。

「それでね、あの元悪霊さ私の知ってる悪霊とか霊の行動一切しないから疲れたの!!」

「おぉぅ・・・・・」

「まだ酔わせないわよ!!」

それから日が昇ってくるまでずっと話した。

途中からせみが話の邪魔をしてきたけど無視してずっと話し続けた。

「おーい、起きろ〜朝だぞ」

「もぅ・・・のめない・・・」

「ったく、『何が酒に付き合ってやるよ』よ。酔いつぶれてるじゃない」


※ ※ ※


「さて、今日こそは彼女に会いに行くわよ!」

「なんで俺はロープでくくられてるんだ!?」

もしかしたら、逃げるかもしれないし会わないと言ったら直ぐにでも殴れ・・・話し合いをスムーズするために捕まえているのだ。

「まあまあ、どーでもいいことは置いてといて会いに行くわよ!」

「それ、俺に拒否権ないよな!?」

「・・・あると思ったの?」

私の言葉を聞いて急に大人しくなった隙に石段を一気に駆け登る。

まあたった数十段の石段なんて余裕で駆け登れる、それが重り《元悪霊》があっても。


「ハアハア・・・」

「休憩するか?」

「だ・・大丈夫よ・・・」

「そ、そうか・・・」

コイツと出会って約一週間だけど、こんなに気が利くやつではなかった気がする。多分、霊になった効果が現れ始めているのかもしれない。

現世の入口にたたずんでいるだけで話しかけても曖昧に返事をするだけ、それが最近は一緒に彼女の願いを聞くために二人で行動するようになって・・・・

「おい、死神。巫女さんはどこにいるんだ」

「ハアハア・・・こま犬様の像の前に居るはずだけど?」

「居ないぞ・・・」

「会いたくないからってそんな嘘はダメだよ元悪霊くん」

「嘘じゃないし、あとその呼び方変えろよ!!」

狛犬様の像がある場所を見てみると誰も居ない・・・

居ないどころか動くはずのない狛犬様の像までも跡形もなく消えていた。

「どうなってるの・・・?」

「こっちが聞きたい・・・」

巫女さんが消えるのはまだ分かる。現世の地縛霊は現世のはらい屋と呼ばれる者達の恰好の的。しかし、狛犬様の像も消えるとなるともっと他の何かが動いてるのかもしれない。

「あ・・・」

「どうした死神、巫女さんでも見つけたか?」

「見つけた・・けど」

「けど?」

私の目の前にあったのは狛犬様の上に乗る悪霊と化した巫女さんだった。

「アァァァ…」

「今すぐこの神社から逃げて」

「どうしてだ!」

「巻き込まれるよ?」

「っ・・・」

元悪霊は走り去っていく、私に背を向けどんどん遠くへと。

「シニ・・ガミ・・・・ウソツキ・・・」

「ごめんね・・・あなたの願い叶えられないや・・・」

彼女の言葉からは否定、罵倒・・・負の想いが彼女を狂わせている最悪の状況。

でも私は動けない。何しろ立ちはだかっているのは悪霊と化した巫女さんと石像だったはずの狛犬様。

まるで、巫女さんを守るかのようにこちらを睨んでいる。

「死神様。ここは退いてもらえませんか」

「話せるの!?」

「はい、この神社の守り神ですから神通力はありますので話せますよ。ただ何百年ぶりに話すものですから長話になってしまいますけど・・・・」

この、狛犬様めちゃくちゃフレンドリーで元悪霊にも見習わせたい・・・

「それで、退けとはどういうことか説明してもらえるかな」

「そもそも最初からハードルが高すぎたのですよ」

「どういう・・・こと・・・」

それを言われ私には思い当たる節があったけれど、それは少なくとも問題視するほどのものとは思えるほどのものでもなく。

・・・・・・やっぱり彼女の願い事は最初から───

「でも、だからって彼女はそれを願った!!」

「そもそもあの人の子に願い事はないのを分かっていてあなたは聞いた。違いますか?」

「っ・・・・・」

「なのに彼女の記憶を見て、勝手にあの男を連れてきたり・・・」

私はただ彼女に成仏して欲しくて・・・・・

「確かに彼女はあと数日以内に成仏をしないと今のように悪霊になってしまうのも分かります。しかし、彼女が悪霊になるのを早めてしまったのは他でもない。あなたですよ死神様」

「私が鎌を振ったから・・・・・」

・・・・・私は、救えないのかな、彼女を。

「それ以前に私が彼女と会わなければ・・・・」

「・・・・・・」


神社に差し込む夕陽は、すっかりかたむいて境内にまで届いている。

「死神様、ならばやり直しますか?」

「・・・・・・」

その言葉に私は救われる気持ちと、巫女さんと彼を救えない罪悪感に苛まれてしまった。

“やり直す”その言葉を言えたら楽なのにと自分でも思う。

それでも私は───────


※ ※ ※


「狛犬様、私にある方法があります。手伝ってください・・・お願いします・・・」

「わかりました・・・」

狛犬様は、人の姿になると、悪霊となった彼女を拘束するのをやめて元の姿に戻した。

「その状態でいられるのは次の日の出が昇るまで。もし昇ってしまうとあなたは二度と転生ができなくなります」

巫女さんは、何が起こったのかわからないのか、首をかしげていた。

「狛犬様は、いつ彼女を拘束したんですか?」

「それは・・・秘密ですよ死神様」

何故だろう、この狛犬様から、ホスト臭がしたけど気のせいだよね?

「元悪霊、ずっと見てたのわかってるから出てきて。話を聞いてたのなら今から何をするか分かるでしょ?」

「わからない。何がどうなっているのか、全くわからない・・・」

コイツ話聞いてたくせにこんがらがってやがる・・・

「とりあえず今から祭を開くのよ!!」

「はぁー!?」

「では、私は神社に人を呼び込みましょう」

そう言うと元の姿に戻って空へと昇っていった。

「巫女さん、あなたが持っていたかんざしはこの人から貰ったのですか?」

「そうです、彼からです!!」

そりゃあ元悪霊じゃない訳が無いわよね・・・・

わざわざ悪霊から霊へと昇格までさせたんだからここで違うなんか言われてたら殴ってたわ。

「祭でも始まるんですかね?」

「そうよ。だから、とりあえずこの浴衣に着替えてらっしゃい」

彼女は、浴衣に着替えに行った。

「で、アンタだけど・・・元悪霊って呼んで悪かったわね・・・時間が無かったのよ」

「いいって。途中からその呼び方に慣れたし」

「・・・・・・」

その返しはずるいよ。

成仏させるのが勿体なくなるじゃない。

「どうかしたか?」

「うん・・・ちょっと疲れてるだけだから」

「無理しないでくれよ?」

「平気だから。それより彼女、来たわよ」

「うおっ・・・・・・」

それはとても綺麗で髪を後ろで結んでいてとても・・・・・・色気がすごい。

本当なら二人はこれからも、楽しい人生を送るはずだったのにと思うと少し悔しい気持ちが溢れてくる。

「そうそう。アンタもその霊用の服じゃダメでしょ」

私は指を鳴らして彼の最後の記憶の欠片を出すと

それを彼に投げ渡した。

「それを砕きなさい、おもいきっり力を込めて」

「おぉぅ・・・」

疑心暗鬼ながらも彼は確かに最後のピースを手に入れた。彼の記憶は完全に生前の記憶と合致した。つまりまだ自分が死んだということを自覚していない。

「これが私にできるあなた達へのプレゼントよ」

「すみません、この簪は?」

「それならあげるわ。彼女にでもあげなさい」

「ありがとうございます・・・」

彼の中から完全に“私の記憶”は消えた。

本来の彼の記憶が、いらない部分の悪霊だった頃の記憶を失わせたのを私は見届けた。




「これプレゼント」

「・・・・・何これ…」

「それはな、簪って言ってな頭に付けるんだ」

「そ、そか・・・鼻を掃除するやつかと思った」

「・・・そんの好きな人に渡さない」

「何か言った?」

「・・・なにも…言ってない」

彼女に聞こえてなくて心の底から安心した。

あんなの聞かれてたら恥ずかしくて喋れなくなりそうだったから・・・

「で、でも、嬉しいな」

「・・・・・何で?」

あきくんからのプレゼントって初めてだから…」

「そんなの・・・いくらでも贈ってやる」

「ありがと。次は結婚指輪がいいな〜」

「おう。って、え!?」

け、け、結婚指輪ってアレだよな・・・

夫婦になろうってこと、だよな?



「よかったのですか?」

「私はあの二人の幸せそうな顔が見れただけで十分だよ。それに彼、日の出とともに転生しちゃうからいい最期じゃないかな」

「あの二人は色んな点で繋がってるんですね」

そっか、あの二人を見れるのも最後なんだ。

いや、もう少し見たかったと言うのは理不尽でわがままってわかってる。

けど、なんというか、少し忘れるのに時間がかかそうだなって・・・・・

というかあの二人の為に私は狛犬様に会ったのか・・

「では、死神様。私はこの辺でおいとまさせて頂きますね」

ホスト系狛犬様は最後までホストだった。

ホストカードの代わりに赤ワインを置いていくなんて・・・・優しいな!!


「じゃあ、帰ろっか・・・」

「うん。今日はありがとう──」

目の前から急に彼女が消えた。

・・・・さっきまで隣を歩いていたのに。

「はじめまして、死神です」

「し、死神!?」

「あなたの命が“今“終わりました」

「じゃあ、もしかして彼女が消えたのは俺が死んだから?」

「・・・はい」

こんなことって・・・

俺は指輪を渡すために明日からアルバイトの日を増やそうと思ってたのに・・・

悔やんでも悔やみきれない思いが溢れてくる。

「なんで、俺なんですか!俺にはまだやることが・・・」

「それは私にはわかりません。しかし、寿命は等しくできていません、個々の寿命は他人ではどうしようもできないのですから」

俺は膝から落ちてしまった。

あまりにも急すぎて、あまりにも現実味が無さすぎて。

「では、黎斗さん。いい夢を・・・・」



私は少し人に感情移入し過ぎるだけ。

だから私が泣くのは当然・・・だよね。

「何泣いてるんだ?」

「智也ぃ・・・」

「わかったわかった。後で一緒に酒を飲もう、お前の気が済むまでずっと聞いててやる、だから今は好きなだけ泣いていいぞ」

「私・・・頑張ったよ・・・頑張ったけどこんな最後しか無かった・・・」

「よく頑張った偉いぞ。出会って直ぐに別れるのは辛いからな・・・でも、俺はどこにも行かないからな安心しろよ・・・」

私は他人の愛に弱い。

私は他人の優しさに弱い。

でも、たった一人その全てを受け止めてくれる優しい幼馴染が私にいて、本当によかった・・・・


(前書きの続き)

8月の後半頃には更新するはずだったのですが友人に『カクヨムでも投稿したら?』と言われまして

カクヨムに登録するのに時間がかかりました。(約2日)

それから、最近体調が崩れたりしまして(体調が崩れたのは昼夜逆転生活が崩れた要因ではないかと)高校も週に一回休んでしまっています。

成績が怖ーいです。(マジで笑えない…)

ともあれ、失踪とか途中で辞めたりなどしませんから!!

カクヨムver,でも見れますので黒帽子と検索していただけると出ると思います。

これからは小説家になろうとカクヨムでも投稿していきますのでこれからも、よろしくお願いします。


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