三話 いつの間にか見られてます
知らない場所で、知らない人に囲まれ、何故か見られてる。
えぇぇぇえぇ!? ナニコレ?
昨日何かあったっけ? こんなことになる理由。確かご飯食べる前に勉強して、風呂入って寝て……て! 我ながら平凡(泣)
ど、どうにかしないと……てかどうにかって何するのかぁ分からん!
悩んでいる間に一人が僕のところへ近づいてくる。
「君が……やったのか?」
はい? なにをですか?
「魔王を倒してくれたのか……いったい、どうやって」
近い近い、顔が近い。コッチは状況理解できていないから。そんなに近づかれても困るから。
「君にまずは感謝をしたい。――ありがとう。君が来なければ負けは必然であった」
きれいな90度お礼を見せて、男は謝罪する。
男に感謝されるとか誰得だよ!? 連れてくるんならせめて男の娘にしろよ!
「まずは名前を聞かせてもらいたい。なんと……呼べばいいか?」
「僕かぁ……って、なんで言わないといけないの?」
急に名前聞いてくるとか、なんで自然に距離詰めてこようとすんの。気持ち悪いんですけどおぉぉ~~!
「名前を名乗らないとは……君はなんて勇者なんだ(褒め言葉)」
え、勇者? どこにいるのかなぁ? 頭がおかしい人かな?
「誰の話ししているか分かんないけど、まず説明してくんない?」
◆◇◆◇◆
理解するまで時間がかかったが、話しを聞いていたら僕は勇者召喚されたらしい。
今更勇者召喚なんて……絶滅危惧種だろ! 可愛い神様いねぇし、呼び出したのも男ってヒロイン(女の子)じゃねぇのかよおぉぉ! そんな勇者召喚聞いたことねぇよおぉぉ!!
で、今に至るわけだけど……一つ言いたい。展開が早すぎる! 召喚されて三日で王様に対面イベントは早すぎ!!
「はぁ~~い、採寸しますから~~ねぇ」
王都を散歩するイベントも終わり、王宮で服を茶会ように着替えているところだ。
てかこの女中、縛り強すぎないか?
「一気に行きますよ~~ねぇ」
「うぐぅぅ!?」
僕の老後のオーシャンビュー・スローライフ生活がどんどん無理ゲーと化してる気がするわ、ほんと。
このまま王宮で一生を暮らすなんて絶対にいやだぜ。
「うぐうぅぅぅ!?」
「もういいんじゃ……!?」と言おうとした矢先に急に口を塞がれ動揺する。
「あなた、コッチの人間じゃねいよぉ~~ねぇ。巻き込まれたくなきゃ逃げたほうが、身のためだわよ(怒)」