二話 いつの間にか魔王出番終了
地上から千メートルも離れた場所に魔王城が存在する。
作りはまんま中世のお城のようで、中には高レベルモンスターがうじゃうじゃいる。そんな中、彼ら勇者パーティーの五人は戦っていた。
くっそ! また今回も全滅まっしぐらかよ!
五人中二人はすでに体力を失いパーティーから離脱。一人が必死になって蘇生魔法をかけているところだ。回転率も悪くなっている。二人だと防戦一方で、さっきから全然ダメージを与えれていない。
――もう、ダメだ。
「諦めないでください、フェルデナントカさん。まだ私たちは生きてます。――早く命令を」
ユリアンの言葉で、やっとこさ我を取り戻す。
「すまない。俺としたことが頭が働いてなかった。――キュララ! 蘇生は時間がかかりすぎる。今はこっちの回復に努めてくれ!!」
「それは良いとして、大丈夫なの!? あの二人がいないとジリ貧だよ」
「二人の蘇生は羽をおってからだ。魔王は羽をかばうそぶりをみせた。もうすぐ、もうすぐ折れそうなんだと思う」
もうすぐは必ず来るはずだ。そう信じて戦った。だが、小一時間が過ぎても結果が出ることは無かった。
「ほんと、大丈夫なの? あんたの作戦! もう結構時間が立っていると思うけど……」
キュララの発言で俺自身の焦りが更に増す。
十分すぎるほど攻撃を放ったはず。何が足りないんだ。
あとひと押し……賭けの要素が高いが仕方ない。あの秘術を使おう。手ぶらで帰るよりましだ。
「もうこの時間から俺は使えない。二人とも、詠唱を唱えている間はコッチに攻撃されないようにカバーしてくれ」
「え!? それ大丈夫なの?」
「失敗しても俺は使えなくなるからリスクは高い。けど……今使わないともう無理だ」
「この前話していた件ですね。わかりました。お願いします」
ユリアンの頼もしい一言にキュララも覚悟を決める。
「するしかないってんなら迷いなく使っていいから!!」
じゃ、決まりだ。
「――選ばれし勇者よ、いざ現われよ」
不可解な記号が並ぶ円形が床に出現し、虹色の輝きを放つ。だが、数分経っても何も反応は起こらない。
し、失敗かぁぁよぉぉぉ。
と、嘆いた瞬間に変化は起こった。魔王が苦しそうにしている。何か、何かがおかしい。
もしかして第二形態とかか?
「バァーーン」
魔王が光の粒子になってはじけ飛んだ。中に立っている人がいる。
ただただ俺らは目の前の出来事を凝視していた。