fragment-4
毎週土曜日に会えばいろんなものをあげた。
小さなプランターに最近殺した彼のお母さんの指を入れた赤い花。
手料理のお母さんの肉を使ったハンバーグ。
小さな小さな小瓶に入った透明な塩酸の首飾り。
他にもイロイロなものを貰った。
身近なものを、たくさん贈った。
初めての料理などで、多少の怪我はしたけど、そんなのは気にしない。
だって彼が喜んでくれるのだから。
■ココロノカケラ■
いつもの場所でいつもの時間に待っていた。
しかし1時間しても来る気配はない。
しかたなく、彼の家に向かってみた。
合鍵を使い部屋の中に入る。
すると机の上にはとある遊園地のことが書かれている雑誌が。
「ここにいったのかな?」
思ったとおり遊園地で彼を見かけた。
しかしあの女と一緒に。
女が一人でジェットコースターに乗り込んだ。
彼の服を後ろから引っ張る。
「真弓わかってるよ」
彼が後ろを振り返る。
「チリちゃん…?っえ…なんで?」
どうして?
今日は約束の日なんだよ!!
それなのにどうしてあの女と?!
「ウソツキ!!」
そうだ…いいこと思いついた…
「涼君も来てたんだね」
「あぁ…うん」
「じゃあね」
まずは、お母さんに認められていることを証明すればいいんだ。
そうすればきっと、私だけを…
ピンポーン
チャイムを鳴らし彼が出てくるのを待つ。
「チリだよ?開けて」
彼は逃げ出し、携帯で110番を押そうとしていた。
「無駄だよ?」
そういうと彼は後ろにのけぞった。
「なぁ、あのプレゼントで俺に何をしたいんだよ!!」
何をしたい?どういうことかな?
「涼君、アレは私からじゃないからわかんないよ?」
恥ずかしくて私からなんていえないよう。
「っえ?」
彼はつばを飲み込んだ。
「誰から預かったプレゼントなの?」
「お母さんから」
一応そういうことにもなるよね?
「そうそう、今日はね、お母さんを連れてきたんだよ?」
手に持っていたものを彼に見せてあげる。
「お母さんだよ」
「…っえ?母さん?」
「そう、お母さん」
「あぁ、あぁあぁぁああ!!!!」
彼は逃げ出した。
急に来たから驚いちゃったのかな?
そうだ、彼がここにいないなら邪魔者は消して良いよね?
でも今日は疲れたな、3日後にコロソウ。
3日以内に彼が帰ってこなければ、コロシテ良いってことだ。
結局3日間帰ってこなかった。
良いって事だね?涼君。
「いらっしゃーい。よくここがわかったね?待ってってね、今お茶出す―――」
この女が!!
鉄のバットで思いっきり首の部分を叩きつける。
女はその場に倒れこんだ。
「…泥棒猫」