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雨の中

作者: 3ヶ月

雨の降る中俺は家を飛び出した。

「ここはもう自分が住めた場所じゃない」

俺は家を出て当てもなく歩いた。俺は知った道をただただ続く限り歩いた。

小さいころ親と遊んだ公園

小学校で友達と走って帰った道

中学校で泣く泣く帰った道

高校で彼女と周りを気にしながらも手をつないで帰った道


20を目の前にして俺は自分の人生と自分の今を見つめた。

「俺は間違えた」

今の大学生活、今の家

すべてが最悪だった。

自分を壊し、自分を見失い、自分に嘘をつき、自分をだましているこの日常


嫌気がさした


ただただ歩く

段々見覚えのない道に入っていった。

ふと目の前に現れた橋

下を覗くと今の俺に一番ふさわしい〝死”という道が現れた

俺は迷いなく選ぶ

橋の手すりに手をかけよじ登り、空中に足をほおりだして座る

「やっと楽になれる」

空中に身を投げようとした時、ふと頭をかすったものがあった

自分が今、一番好きなものの顔

唯一の癒しであり、助けであり、自分が自分でいられる場所

それを作りだしていてくれた彼女を


俺はもう動けなかった

うなだれる髪から楽な道へと水滴が垂れる


俺は死ぬことさえできない愚か者だった

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